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Sun cha(さんちゃ)社会保険労務士事務所
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経営戦略が現場で実行されない企業が多数 ― 最大の課題は「自分事化の欠如」
中期経営計画や理念など、企業の重要戦略ほど現場に浸透せず、経営企画と人事の連携不足が戦略実行の障害となっている。企業では人的資本経営や中期経営計画の策定が進んでいるものの、「戦略が現場の行動につながらない」という課題が顕在化しています。
調査によると、経営企画部門の重要ミッションとして
・人的資本経営の戦略立案・開示(27.1%)
・中期経営計画の浸透と実行(19.4%)
が上位に挙げられました。しかし一方で、浸透に課題がある施策として
・中期経営計画(40.5%)
・理念(30.8%)
・パーパス(28.9%)
・新事業戦略(22.2%)
など、企業の根幹に関わる戦略ほど現場に浸透していない実態が明らかになりました。
その原因として、
・戦略の背景が共有されていない
・現場が自分事として捉えていない
・日常業務に落とし込めていない
といった構造的問題が指摘されています。
また、経営企画部門と人事部門の連携が不十分な企業ほど、戦略浸透が進んでいない傾向が確認されました。
つまり、戦略そのものよりも、
▶ 戦略を現場に接続する仕組み
▶ 人事制度との連動
が重要であることが示されています。
経営プロの記事です。
経営計画を策定している企業ならば一度は悩んだことがあるテーマに関する興味深い記事です。調査結果として示されていることに目新しいものはありませんが、経営者や経営幹部の課題認識が調査結果というデータで裏付けられていると思います。
戦略は、
・個人の目標
・評価制度
・報酬制度
と連動して初めて機能します。これは「戦略」と「労務管理」が不可分であることを意味します。
戦略は「伝えるだけ」では浸透しません。
「役割として設計すること」
が大切です。
働き方改革で若手が疲弊する本当の理由
残業規制により労働時間は短縮されたが、業務量は減らず、若手社員に集中力・体力面での負担が増加していることが指摘されている。近年、日本企業では働き方改革により残業規制が進み、労働時間は短縮されていますが、若手社員、とくにZ世代では新たなストレスが生じていると指摘されています。記事によると、若いビジネスパーソンの間では
・疲れやすい
・繁忙期に無理がきかない
・体調不良で休みやすい
など、「体力不足」が問題となっています。働き方改革によって残業時間は減ったものの、
・仕事量は減っていない
・短時間で高い集中力が求められる
・残業できないため自宅で仕事を行うケースもある
といった状況が生まれています。
その結果、労働時間の短縮が必ずしも負担軽減につながらず、むしろ
▶ 高密度労働
▶ 精神的・体力的負担の増加
という新たな課題が生じています。
文春オンラインの記事です。
3つの記事の1つ目の記事を紹介しました。ご関心を持たれた方は↑上記リンクから先の記事を読むことをお薦めします。具体的な解決方針も示されていますので参考になると思います、
上記記事では働き方改革により「残業時間」は確実に減少しましたが、
業務量は変わらないままで、むしろ 労働密度は上昇しているという問題が指摘されており、これらが、
集中力の負担や精神的ストレスに繋がり、早期離職の原因となると指摘されています。
時間管理を中心とした労務管理から、業務量の管理に移行する必要があることを示しています。
そのためには、業務の本格的な見直しが必須となります。
キャリア志向な女性ほど出産意欲が高い? 最新研究が固定観念を覆す
女性ヘルスケアメディアで紹介された最新の研究では、働く女性の出産意欲に影響を与える要素として 安定した雇用・キャリアアップ意欲・健康状態 が重要であることが示された。この研究は、19〜65歳の働く女性を対象に出産意欲の有無を比較したもので、以下の傾向が確認された。
・出産意欲がある女性は 正規雇用者が多い(非正規の約2倍)。
・営業職は出産意欲が高く、事務職より傾向が強い。
・職場で昇進意識が高い人ほど出産意欲が高い傾向。
・健康状態が良い人、睡眠の質が高い人ほど出産意欲が強い。
つまり「キャリアを追求する女性ほど、子どもを持ちたいという意欲が高い」 という結果であり、従来の固定観念を覆す示唆となっている。
ウーマンズラボの記事です。
今回の研究は、日本の少子化対策や働き方改革にとって重要な視点を示しています。
「キャリア志向=出産意欲が低い」
という従来の固定観念は、実は統計データでは必ずしも正しくありません。
むしろ、
✔ 正規雇用の安定
✔ キャリアアップの道筋
✔ 自身の健康管理
といった 個人の将来に対する安心感 が、出産意欲を高める重要要素となっています。
つまり、女性が安心して子どもを持ちたいと思える環境は、単に休暇制度や賃金だけではなく、
雇用の安定と将来設計の明確化
昇進・人事処遇の公平性
ライフイベントを見据えた健康支援や職場文化
の総合的な整備が必要です。
定年後に最も希望される働き方は「自宅で体力負担を減らす仕事」
株式会社LASSICが実施した調査(テレワーク経験者1004人対象)によると、定年後(65歳以降)に希望する働き方の第1位は
▶ 「自宅でできる仕事で体力的負担を減らしたい」(42.5%)でした。第2位は
▶ 「週2〜3日だけ働く柔軟な勤務スタイル」(38.9%)第3位は
▶ 「年金+少しの収入で無理なく働きたい」(24.1%)という結果でした.
内閣府「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者は914万人、就業率25.2% で過去最高を更新しており、定年後就労は一般化しています。
勤務形態別の特徴
・フルリモート勤務者の50.0%が「体力負担軽減型在宅勤務」を希望
・フル出社層では42.1%
→ 在宅勤務経験者ほど在宅継続志向が強い
特に
・50代フルリモート:52.6%
・60〜65歳フルリモート:70.0%と、年齢が上がるほど在宅志向が強まる傾向が顕著です。
一方、「週2〜3日勤務」は勤務形態にかかわらずほぼ同水準であり、“日数の柔軟性”は世代横断的ニーズであることが示されました。。
dmenuニュースの記事です。
昨日に引き続きキャリアに関する記事です。今回の結論は明確です。
高齢者は働き続けたいしかし 働き方は柔軟にしたいというニーズを持っています。重要なのは、「働くか・辞めるか」ではなく“どう働き続けてもらうか”です。
今後の高齢者雇用は、
・フルタイム再雇用ではなく
・短時間勤務
・在宅勤務
・職務限定型が中心になります。
これは単なる福利厚生ではなく、
✔ 人材確保策
✔ 経験値の活用
✔ 人件費最適化という経営戦略として捉えることが大切です。
40代・50代はキャリアの終盤ではない|定年延長時代の働き方
定年延長時代において、フィンランドではミドル世代がキャリアを終えるのではなく、新たな挑戦や学び直しを通じて「第二のキャリア」を築くことが一般的となっている。
フィンランドでは、業務時間外にメールを送ることは相手にプレッシャーを与える「失礼な行為」と認識されており、仕事と私生活の境界を明確に分ける文化が根付いている。
また、同国では失業率が約10%と比較的高いことから、雇用の安定は必ずしも保証されておらず、個人が自らのスキルを高め続ける意識が強い。
そのため、40〜50代はキャリアの終盤ではなく、「定年が65〜70歳まで延びることを前提にすれば折り返し地点」と捉えられており、
・新たな職業への挑戦
・学び直し(リスキリング)
・キャリア転換
などを前向きに検討する人が多い。
さらに、仕事以外にも「第三の居場所(学び・趣味・コミュニティ)」を持つことが、キャリアの可能性を広げ、人生の満足度を高める重要な要素とされている。昇進後、業務を抱え込み部下育成が進まないなどの問題が発生し、マネジャー本人の疲弊と組織機能の低下につながるケースが多いと指摘されている。
ログミービジネスの記事です。
三連休の最中という方もいらっしゃるかと思います。年度末も近づき、会社や今後のことをあれこれと考える時間を設けている方もいらっしゃることと思います。そんな方向けに興味深い記事を見つけましたので掲載します。
現在、日本でも定年延長が進み、「65歳まで働く」ことが標準となりました。
今後はさらに70歳まで働く時代へと移行します。これは企業にとって、高齢者雇用問題ではなく キャリア再設計問題です。 40〜50代は、従来のように「キャリアの終盤」ではなく、
「組織の中核として最も価値を発揮できる期間」となります。これまでは、
・若手:育成
・中年:管理
・高齢:退職準備
という構造でした。しかし今後は、
・40代〜50代:再成長期
・60代〜70代:実務戦力
というキャリア構造に変化します。これは人事制度の抜本的見直しを意味します。
・年齢ではなく役割で評価する制度
・リスキリング支援
・職務の再設計
・多様なキャリアパス設計
「経験豊富な人材を活かせるかどうか」が企業の競争力を左右します。
経営者も個人もこの記事を参考に、中期的な戦略を考えるのが良いと思います。
新任マネジャーが疲弊する本当の理由
昇進後、業務を抱え込み部下育成が進まないなどの問題が発生し、マネジャー本人の疲弊と組織機能の低下につながるケースが多いと指摘されている。
新任マネジャーは昇進後、
・「忙しすぎて部下を見る余裕がない」
・「自分でやった方が早く、仕事を抱え込んでしまう」
・「マネジメントをいつから本格的に行うべきか分からない」
といった悩みを抱えることが多い。また企業側から見ても、
・大きなトラブルはないがチームが自律的に回らない
・部下が育っていない
・マネジャー本人が消耗している
といった状態が発生する。
これは例外ではなく、新任マネジャーの多くが経験する「初期のマネジメント不全」とされている。原因の本質は、
・プレイヤーとしての業務能力と
・マネジャーとしての組織管理能力
が異なるにもかかわらず、十分な準備や教育がないまま昇進することにある。その結果、
・業務の抱え込み
・部下育成の停滞
・マネジャー自身の過重負担
が発生し、組織全体の生産性低下につながる可能性がある。
Manegyの記事です。
多くの企業で、「優秀なプレイヤーをマネジャーに昇進させる」ことは一般的ですが、プレイヤー能力とマネジメント能力は全く別のスキルです。そのため、
・仕事を抱え込む
・部下に任せられない
・長時間労働になる
という問題が発生します。
これは個人の能力の問題ではなく、「組織設計の問題」です。
新任マネジャーの不全は、
・過重労働
・メンタル不調
・部下の離職
の起点となる重要な労務リスクです。特に中小企業では、管理職教育が行われないまま昇進するケースが多く、結果として
・管理職の燃え尽き
・組織機能の低下
が発生します。
新任マネジャーに対しては、
・昇進前研修の実施
・役割の明確化(プレイヤーとの違い)
・部下への委任方法の教育・定期的なフォロー面談
が必要です。
働き方改革の落とし穴|残業規制だけでは解決しない問題
働き方改革により時間外労働の上限規制が導入され、日本の総労働時間は減少しているが、それにもかかわらず、労働者の疲労感やストレスは改善していないと指摘されている。その背景には、以下のような実態がある。
・業務量が減らないまま残業だけが制限されている
・仕事が終わらず、見えない形で残業が行われている
・管理職が部下の業務を肩代わりし、長時間労働になっている
・有給休暇取得が義務化されても疲労が回復していない
また、日本の労働生産性は依然としてG7で最下位水準であり、働く人の約8割が仕事で強いストレスを感じているとされている。つまり、
・労働時間は減少した
・しかし業務負荷は減っていない
という構造的矛盾が生じており「労働時間管理中心の働き方改革」だけでは根本的な改善につながっていないと分析されている。
DIAMONDONLINEの記事です。
働き方改革の本質は「労働時間を減らすこと」ではなく「生産性を高めること」です。
しかし現場では、時間だけ削減されて業務はそのままとなっているケースが多く、結果としてサービス残業や管理職や仕事ができると言われている人の過重労働が発生しています。
こうした状況に陥ってしまっている場合には業務の棚卸しによる不要業務の削減が不可欠です。当たり前のことですが、単に残業を禁止するだけでは問題は解決しません。
若手が辞める本当の理由は「キャリア焦燥感」だった
終身雇用の崩壊と実力主義の浸透により、将来への不安から若手社員が焦りを感じ、早期離職につながるケースが増加している。筑波大学の尾野裕美准教授は、若手社員が抱く「キャリア焦燥感」を「仕事や私生活を含めたキャリア形成に対する焦り」と定義している。この焦燥感の背景には主に以下の要因がある
・実力主義社会への移行
終身雇用・年功序列が弱まり、「会社が将来を保証してくれない」という認識
が広がったことで、若手は早期にスキルを獲得しなければならないという焦
りを感じている。
・個性重視教育の影響
「自分らしさ」や「やりたいこと」を早期に明確化することを求められる教
育・社会環境により、将来像が見えないことへの不安が強まっている。
・焦燥感は早期離職の原因となる
キャリアの方向性が見えないまま焦りを感じ、本来得られたはずの経験を積
む前に転職・離職してしまうケースがある。これは本人と企業双方にとって
損失となる。
一方で、適切な支援があれば、この焦燥感は成長への原動力にもなり得ると指摘されている。
日本の人事部WEBの記事です。
社員の離職率を下げることは、中小企業経営者が強い関心を持っていることだと思いますが、この記事は離職理由が変わっていることを示しています。かつては、長時間労働や低賃金といった労働条件の問題が主な離職理由でしたが、成長実感の欠如や将来像の不透明さに変わっていると記載されています。
2040年、日本は「人手不足」ではなく「人材余剰」の時代へ
経済産業省が公表した「2040年の就業構造推計(改訂版)」では、日本の就業者数は2025年の約7004万人から2040年には6303万人へと約700万人減少する見込みとされている。しかし、この減少にもかかわらず、「大きな人手不足は生じない」と結論づけられた。
その理由として
・AIやロボットの導入
・リスキリングの推進
・産業構造の転換
・省人化の進展
などにより、約200万人分の労働が代替されると見込まれているためである。
特に事務職では437万人の余剰が生じると推計されており、ホワイトカラー職種で人材過剰が生じる可能性が指摘されている。
つまり、日本は単純な「人手不足社会」ではなく、
・不足する職種と
・余剰になる職種
が併存する「労働需給のミスマッチ社会」へ移行する可能性が高いと分析されている。
マネーポストWEBの記事です。
この記事は非常に重要な点を示唆していると感じました。それは
・人が足りない時代ではなく
・必要なスキルを持つ人が足りない時代
に移行するということです。特に事務職などの定型業務はAIによる代替が進み、人材余剰が生じる一方で、
・営業
・現場管理
・対人サービス
・マネジメントなどの
非定型業務の価値はむしろ高まるとされています。
「雇用維持」から「雇用の再設計」へと世の中が移行すると言えます。中小企業でもこの点を念頭において
・事務職の業務削減
・DX化
・付加価値業務への転換
を進めた企業と、進めなかった企業で生産性格差が拡大していくと思われます。
有給取得率66.9%で過去最高も、産業間で最大24.5ポイントの格差
厚生労働省が公表した「令和7年就労条件総合調査」によると、2024年の年次有給休暇の取得率は66.9%となり、1984年以降で最高水準となった。平均付与日数は18.1日、取得日数は12.1日で、いずれも過去最高である。
一方で、産業別では大きな格差が見られ、
最も高い:電気・ガス・水道業(75.2%)
最も低い:宿泊・飲食サービス業(50.7%)
と、約24.5ポイントの差が存在する。
また、年間休日数も企業平均112.4日、労働者平均116.6日と過去最多となり、働き方改革の進展が一定程度反映されている。企業は人材確保のため、フレックスタイム制や変形労働時間制など柔軟な働き方制度の導入を進めているが、実際の適用には限界も見られる。
総じて、労働環境は改善傾向にあるものの、産業間格差や現場レベルでの運用には依然課題が残っている。
産業保険新聞の記事です。
今回の調査結果は、働き方改革関連法の制度的効果が数値として定着してきたことを示しています。
特に注目すべきは、取得率66.9%(過去最高)・年間休日数の増加・柔軟な働き方制度の拡大です。
一方で、産業間で最大24.5ポイントの差があることは、「制度の存在」と「実態の運用」に大きな乖離があることを示しています。
中小企業の中には上記取得率に達していない企業もあると思いますし、経営者は有給取得を推奨しているのに、実際の取得率が向上しない、という企業もあると思います。
有給取得の問題は、採用力・定着率・生産性に直結する経営課題です。一つひとつ自社でできることから始めていくのが大切だと思います。
「労働時間規制緩和へ政治が大きく転換――“雇用維持型”から“選択的労働市場型”へ」
衆院当選者の約6割が「より働ける制度」への規制緩和を支持し、高市政権による労働時間規制見直しが現実味を帯びている。副業促進・裁量労働制拡大などを含め、日本の労働法制は“長時間労働抑制”から“労働供給拡大”へと転換点を迎えている。
労働規制緩和が政治的多数派に
衆院当選者の回答:選択肢 割合
・規制緩和すべき 60%
・現状維持 10%
・規制強化 4%
・中立 25%
特に:
・自民党:67%
・維新:97% → 衆院では「規制緩和」が明確な多数派
これは単なる政策論争ではなく、労働法制のパラダイム転換の政治的条件が整ったことを意味します。
日本経済新聞の記事です。
これまでの労働法は、
・正社員
・単一企業
・長期雇用
を前提に設計されていました。しかし現在は、
・副業
・スポットワーク
・AIとの協働
・短時間労働
が拡大し、「一社専属」の前提が崩れています。その結果、
「労働時間を制限する法制度」から
「労働機会を最大化する法制度」へ移行しようとしています。
この流れにうまく対応することが中小企業の人手不足解消にも繋がります。
花粉症が「採用・転職・生産性」に直撃――春の不調がキャリアを左右する時代に
株式会社マイナビの調査によると、転職を考える正社員の約4割が「花粉症が転職活動に影響」と回答。業務面でも正社員の約7割が生産性低下を実感しており、花粉症は“個人の体調問題”を超えた人事・労務課題になりつつある。
花粉症の有病率
・転職を考えている正社員の 54.6%
・アルバイト探しをしている人の 47.5%
転職活動への影響
・花粉症の正社員の 36.9% が「影響あり」特に20代では 55.9% と高水準
・面接・筆記試験での集中力低下、パフォーマンス低下が顕著
業務への影響
・正社員の 67.2% が「業務に支障」
・ITエンジニア、管理・事務職などデスクワーク中心職種で影響が大
企業の対応
・57.5%の企業が花粉症対策を実施
・空調整備、花粉症グッズ支給、花粉症手当など
・求職者が魅力に感じる対策
空調整備、グッズ支給、手当支給はいずれも4割超
→ 花粉症は「採用競争力」「生産性」「定着率」に影響する“経営課題”として浮
上している。
マイナビキャリアリサーチLabの記事です。
そろそろ花粉症が気になる時期ですね。健康経営の勉強をするとアブセンティーズムという言葉を習いますが、その代表例が花粉症です。花粉症が企業の生産性に影響を与えるということは既に言われていることですが、今年度の調査結果として参考になる内容です。
中でも「約6割の企業は花粉症対策をしている」というデータは興味深かったです。ちょっとした対策ならば中小企業にも実施できることですので、今年から花粉症対策を企業として実施するのが良いと思いました。
11日~14日は配信をお休みいたします。
「女性のリスキリング」――“意欲は高いのに機会が少ない” がキャリア格差を固定化する
女性は学び直しへの関心が男性より高い一方で、企業側からの提供機会・昇進や賃上げへの接続が弱く、投資対効果の差が“静かに”広がっている。
・リスキリングへの関心:女性の方が高い(女性41.7%、男性31.1%)。
・会社からの学習機会の提供:男性の方が多い(男性25.3%、女性14.2%)。
・学び直しの“成果”の差:昇進(男性17.7%、女性6.8%)、賃上げ(男性13.
4%、女性7.3%)など、アウトカムで男性が上回る。
→ つまり「女性は学びたいのに、会社が機会を渡しにくい/渡しても昇進・賃金に連動しにくい」構造が示唆される。
日本の人事部の記事です。
>「女性の方がリスキリング意欲は高いのに、企業からの学習機会の提供や、その後の昇進・賃上げへの接
> 続が弱い」
という指摘は、なるほど!と思いました。教育訓練・配置・昇進の運用は性別で差をつけてはいけない、というのは法律でも定まっていることではありますが、実際の現場では、目に見えないものも含めると、性別での偏りは存在しているのだと思います。
記事でも示されている、(1)雇用形態、(2)役職、(3)職業・職務、(4)個人の意識についての自社の現状をしっかり整理するところから取り組みをスタートするのが良いと感じます。
副業解禁が進む時代、「稼ぐ」より「切り売り」に流れる中高年男性たち
給料停滞・年金不安・AI代替への恐れを背景に、30〜50代男性の副業が増加。一方で“資本(貯蓄・スキル・人脈)”が乏しい層ほど、タイミー等のスポットワークや配達・清掃など「体と時間の切り売り」に集中し、副業がセーフティネット化している。
副業の制度面は「促進」方向
・民間では2018年に国が「副業・兼業の促進」方向を打ち出し(ガイドライン
等)、さらに公務員でも兼業規制の緩和が進む流れがある(記事上の記載)。
しかし“理想(起業・イノベーション)”と“現実(単純労働)”は乖離
・取材ベースでは、副業が事業化して本業超えの収入源になる例は少数。多く
は「投資できる資本がない」ため、最終的に 肉体労働・単純労働へ収れんし
やすい。
・副業は7類型、最多はA(軽作業・配達・サービス)
A:清掃・配達・倉庫・スポットワーク等が最多。即金性は高いが裁量・スキ
ル蓄積は薄い。
B(ネット系)は参入しやすいが単価が低く離脱も多い。
E(コンサル等の専門型)は人脈・高度スキルが必要で少数派。
・年代で“副業の動機”が変わる
・30代:生活費・将来不安(リスク分散)→複数副業の「複合型」が目立つ
・40代:教育費・住宅ローン等→即金性重視で迷走も増える
・50代:役職定年・老後不安→“セカンドステージの練習”として副業、ただし
日雇い化しやすい
・構造的には「家計保障・教育費・老後」を個人が副業で肩代わり副業が“自由
な挑戦”というより、生活防衛としての 準・社会保障になりつつある、という
問題提起がされている。
JBpressの記事です。
非常に興味深い記事でした。副業推進の流れはこれからしばらく続くと思います。そんな中、業種別、人材別の副業の実態が調査データに基づいて記載されているのはとても参考になります。ひとくくりに「副業」といっても様々な形態があるし、それに取り組む人も様々であるので、”副業”とひとくくりにして、傾向を捉えたり、自社への活かし方を考察するのには限界がある。という当たり前の事実に改めて気付かせてくれました。中小企業経営者としては、自社の実態に合わせた制度設計が必要ですし、その際には役に立つ記事だと思います。
過重労働と健康リスク――脳・心臓疾患労災データが示す危険な勤務パターン
独立行政法人・労働政策研究・研修機構(JILPT)が公表した資料シリーズ No.297 は、脳・心臓疾患の労災認定事案における勤務状況を分析した研究である。分析の対象は、平成22年度~令和4年度に「長期間の過重業務」として労災認定された事案(2,848件)を対象とした。主な発見点は次のとおりである。
・連続勤務の多さ:1か月の勤務日数中央値は24.50日で、約2割の事案が26日以
上の勤務日数となっている。
・長時間拘束:対象事案の月平均拘束時間は314.17時間で、320時間を超えるも
のが33.0%あった。
・深夜勤務の常態化:漁業・運輸業・郵便業などで深夜労働が高頻度で見られ
た。
・不規則・交替制勤務:始業時刻が一定でない勤務が、漁業・運輸・医療・福
祉などで多数確認された。
これらの勤務パターンが、単なる時間外労働時間の長さだけでなく、健康負荷につながる勤務状況の一部であると多角的に指摘されている。高市首相が掲げる「強い経済」と「働いて、働いて」というメッセージとは裏腹に、日本の労働市場は硬直した制度に縛られたままだ。
独立行政法人・労働政策研究・研修機構(JILPT)が発表したレポートです。
記事の紹介ではなく、レポートの紹介になってしまいました。独立行政法人・労働政策研究・研修機構 (JILPT)は優れたレポートを幾つも発表しています。読み応えのあるものが多いですが、是非、ご自身でもご確認いただければと思います。本レポートは脳・心疾患と労使認定された事案を調査したものです。労災認定されている訳ですので、記載されている数字は通常の企業では考えにくいデータになっていると思います。うちの会社はレポートに記載されているデータよりも少ないからOK!という風にレポートを活用するのではなくて、記載されている項目について自社の状況を改めて確認いただくキッカケにレポートを活用いただければと思います。
「働け」と言いながら改革しない日本
――AI時代に取り残される労働制度の矛盾
高市首相が掲げる「強い経済」と「働いて、働いて」というメッセージとは裏腹に、日本の労働市場は硬直した制度に縛られたままだ。元日銀副総裁・岩田一政氏は、社会保険制度や雇用慣行が人の移動と挑戦を妨げ、AI時代の成長を阻害していると警鐘を鳴らす。
本記事は、元日銀副総裁であり経済政策の中枢を担ってきた岩田一政氏へのインタビューを通じて、日本経済が抱える「労働制度の構造的問題」を浮き彫りにしている。
日本では本来、生産性の低い分野から高い分野へ人材が移動することで、賃金上昇やイノベーションが起こるはずだが、現実にはその逆が起きている。製造業など生産性の高い分野から、低生産性のサービス業へ人が流れ、「ボーモルの病」と呼ばれる状態が固定化している。
その背景には、「雇用を増やすこと自体が善」という長年の政策規範と、
・第3号被保険者制度
・いわゆる「年収の壁」
・雇用の流動性を抑える慣行
といった制度がある。
岩田氏は、働く意欲も能力もある人が制度によって働き控えを強いられている現状を問題視し、「首相が本気で決断すればすぐに変えられる制度が放置されている」と指摘する。
AI覇権をめぐり米中が激しく競争する中、日本に欠けているのは技術そのものよりも、「人が挑戦し、移動し、能力を発揮できる制度設計」と「野心」だというのが、記事全体を貫くメッセージである。
YahooNewsの記事です。
明後日は衆議院議員選挙です。小泉内閣時のブレーンだった方の岩田氏のメッセージが記載されています。「雇用を増やすこと自体が善」という長年の政策規範が日本全体の成長のハードルになっているという指摘は参考になりました。「一人当たりの生産性を高める」これが大切なことはわかっていても、その実現に向けては様々なハードルがあるのだと改めて感じる記事でした。だからこそ、中小企業が自社のできる範囲から生産性を高めることに真剣に取り組めば、企業の差別化にも繋がりますし、それが日本全体の競争力をたかめることに繋がるのだろうと感じました。
ワークライフバランスは「甘さ」ではない――日本経済を立て直す成長戦略
労働力人口は過去最多。人手不足の正体は「働き方を変えられない企業」にある。残業依存から脱却し、女性・シニア・制約人材を活かすことが、日本の経済成長の鍵になる。
・労働力人口は減っていない
2025年の日本の労働力人口は過去最多。働き方改革とテレワークの普及によ
り、かつて「働けなかった人」が再び労働市場に戻ってきている。
・人手不足の正体は「選ばれていない企業」
採用に困っている企業ほど、長時間労働・硬直的な働き方を前提としている。
一方、柔軟な働き方を実装した企業には応募が殺到している。
・少子化ではなく「女性の大脱出」
日本は教育水準・健康水準ともに世界トップクラスの女性を活用できていな
い。働きにくさが原因で、優秀な女性人材が海外へ流出している。
・残業に頼る経営は先細り
一部の社員に残業が集中する「ギリギリ職場」は、今後さらに残業できる人
が減る中で持続不能。
・解決策は「横方向の経済成長」
残業で総量を賄うのではなく、育児・介護・シニア・短時間人材を前提に仕
事を再設計することで、労働力の裾野を広げる。
・残業代が安すぎる日本の制度問題
日本の時間外割増率は1.25倍。これは経営者に「人を増やすより残業させた
方が安い」という誤ったインセンティブを与えている。
ログミ―ビジネスの記事です。
株式会社ワークライフバランスの小室社長へのインタビュー記事です。さすが小室氏、非常に明快に今の日本の問題点を指摘されています。是非、本文をお読みいただきたく思いますが「均等割増賃金率」という考え方は参考になります。「新しい人を雇うよりも、今の社員に残業をさせた方が人件費は安くなる」のが現状の日本であるという指摘です。記事にもあります通り、この前提に基づく経営は早晩、行き詰まると思いますし、今、改善に着手する企業しか、今後の人手不足の時代は生き残れないと個人的にも思いました。
大学卒45〜49歳で賃金が微減 — 最新賃金構造基本統計調査(速報)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査速報で、大学卒45〜49歳の平均所定内賃金が前年から0.2%減少(458,000円)したことが明らかになった。これは、従来の賃金カーブにも影響を与える可能性がある。
厚生労働省が公表した令和7年賃金構造基本統計調査の速報値によると、大学卒の45〜49歳の平均所定内賃金は前年比0.2%減の45.8万円となった。この年齢層は、これまで賃金カーブの山となってきた世代であるため、賃金減少は働き盛り世代の待遇トレンドの変化を示す可能性がある。同統計では、他の年齢階級や学歴別の傾向とも比較されるが、今回ニュースで注目されたのは「大学卒・45〜49歳層の賃金減少」である。
令和7年の賃金構造基本統計調査速報によれば、大学卒45〜49歳の平均所定内賃金が前年比で微減している点が確認されました。このニュース自体は中小企業経営に大きな影響を与えるとは思いません。但し、賃金カーブの山の額が下ったということは、世の中的にはそれなりに大きなインパクトがあるニュースだと思います。
定年後も働けば生活水準は維持できる?
― シニア層の家計構造を最新統計で検証 ―
定年後の再雇用で給与が下がっても、税・社会保険料の減少や年金収入により、平均的なシニア世帯では生活水準は大きく下がらないことが、総務省「令和6年全国家計構造調査」から明らかになった。
・実収入は50代後半がピークで、60代前半で約2割、60代後半で約4割減少
一方で、
・税負担・社会保険料負担が軽減
・65歳以降は公的年金が本格的に支給
・教育費・住宅ローンの終了 により、
可処分所得(手取り)の減少は限定的
消費支出を見ると、
・食費はミドル層と同水準
・教養娯楽費(旅行等)はむしろ増加
・医療・介護費は急増していない
結果として、定年後も働き続けることで、平均的には生活水準は概ね維持されている
ただし、単身世帯賃貸住宅世帯医療費負担が重い世帯では事情が大きく異なる点に注意が必要
ニッセイ基礎研究所の記事です。
「定年後は給料が下がるから社員のモチベーションが心配」と感じる経営者は少なくありません。しかし、今回のデータが示す通り、手取りベースでは大幅な生活水準低下は起きにくいのが実態です。一方で、あたりまえですが、再雇用だからといって給料を大きくダウンされれば社員のモチベーションは低下します。
「女性の育休改革」なき育休政策では、男女格差は縮まらない
男性育休は“当たり前”になりつつある一方で、女性の長期育休と時短復帰を前提とした働き方が固定化され、結果として賃金・評価・キャリア面の男女格差を温存している
2025年4月施行の改正では
・育休給付の「手取り10割相当(最大80%)」
・3歳~小学校就学前の子を持つ労働者への柔軟な働き方措置
・個別の意向聴取・配慮義務 が盛り込まれた。
しかし現状は
・女性が約1年の育休 → 時短復帰
・男性の育休が「上乗せ」される構造
となっており、女性のキャリア減速が常態化。
これが「統計的差別」を生み、男女賃金格差の一因になっている。
真の改革には
・女性の育休取得の多様化・短縮という選択肢
・男性の育休の長期化・主体化
・「ヘルプ」ではなく「育児のシェア」への転換
が不可欠。
育休は「迷惑がかかるくらい」取ることで、業務の見直しやチーム力向上につながり、組織の耐久力を高めるという視点も提示されている
日経BP HumanCapitalOnline記事です。
育児・介護休業法改正で注目されがちなのは「男性育休の取得率」で、確かに男性の育休取得率は上がっているというデータもありますが、この記事が示している通り、本質的な問題は解決されていないと感じます。
女性が長期育休と時短勤務を前提に復帰する構造が続く限り、評価や賃金、キャリア形成における男女格差は「制度上は中立でも、実態として固定化」されてしまいます。そして、格差が続く限り、男性の長時間労働の問題も解決されないと思います。
男性の育休を“ヘルプ”で終わらせず、女性の育休を一律に長期化させない。育休取得の多様な選択肢と、復職後も成果を出せる働き方を用意する。中小企業にとってはハードルが高いことではありますが、実現できれば人材確保・定着に繋がるのは間違いありません。
プロ野球キャンプにも「働き方改革」の波 練習時間・外出制限に変化
かつては厳しい練習や自由時間の制限が常識だったプロ野球界にも、コンプライアンス重視の風潮が浸透。練習時間やキャンプでの行動が見直され、「昔ながらの働き方」は時代遅れになりつつあるという声が出ている。
・近年のプロ野球キャンプでは、従来の「厳しい練習」「門限破り」「昔ながら
の上下関係」などが批判され、働き方改革の影響を受ける形で練習設計や行
動ルールの見直しが進んでいる。
・「練習して、遊んで、門限破って覚える」という旧来の文化を時代遅れとする
声が出ているほか、コンプライアンス(安全確保・健康配慮・規範順守)が
重視されるようになった。
・こうした変化について、球界OBなどから「時代の変化だけど、体験を通じて
鍛える昔のやり方に意義があった」といった評価の分かれる意見も伝えられ
ている。
LivedoorNewsの記事です。
今日から2月。2月1日からはプロ野球球団はキャンプインです。それに関連して、プロ野球界でも「働き方改革」の考え方が浸透しつつあり、長時間集中練習や自由な行動制限といった慣習が見直されているとの記事です。
もちろんプロ野球の話ですので、多くの中小企業経営者の方には直接的な関係は少ないと思います。ただし、いわゆる”働き方改革”の流れがプロ野球界にも及んでいるというのは、職場では安全配慮・コンプライアンス・労働時間の適正管理が求められるという社会的潮流と一致します。
取り組みを全くしていない企業は無いと思いますが、こういう類のニュースが流れる度ごとに自社の状況を点検いただくのが良いと感じます。
労働力人口、初の7000万人超え 女性・高齢者が支える日本の雇用
2025年の労働力人口は7004万人と過去最高を更新。女性や高齢者の就業拡大が市場を支える一方、労働時間は減少しており、生産性向上と「年収の壁」など制度改革の必要性が浮き彫りになった。
・総務省の2025年労働力調査によると、労働力人口は7004万人と初めて7000万
人を突破。就業者数も6828万人と過去最高で、主に女性(前年比+1.4%)と
65歳以上(+1.5%)が増加を牽引。
・一方で、平均年間就業時間は1788.3時間と減少傾向が続き、10年前比で約8%
短縮。
・女性の非正規雇用割合は52.0%と依然高く、働き方の質の課題が残る。
・人口減少が進む2030年代以降は労働力人口の減少が見込まれ、生産性向上と
年収の壁など制度見直しが不可欠と指摘されている。
・業率は2.5%と安定しているが、有効求人倍率は低下傾向にあり、省人化や最
低賃金引上げの影響もみられる。
日本経済新聞の記事です。
労働力人口が7000万人を超えたという数字は、日本の雇用が「量の限界」に近づいていることを示しています。女性や高齢者の就業拡大によって、これまで眠っていた労働力が市場に参加している一方で、1人当たりの労働時間は確実に短くなっています。ここから重要なのは、「もっと働け」という議論ではなく、どうすれば働きたい人が安心して時間を延ばせるのか、そして短い時間でも成果が正当に評価されるのかという制度設計です。年収の壁や社会保険の負担構造は、働く意欲そのものを抑制する要因になっており、放置すれば人手不足倒産のリスクを高めかねません。また、女性の半数以上が非正規で働いている現状は、単なる雇用形態の問題ではなく、キャリア形成・賃金上昇・生産性の観点でも大きな課題です。成果や役割に応じた処遇設計、短時間でも戦力として活躍できる評価制度が不可欠です。
飲食店経営者、6割が「月200時間超」
――従業員の労働時間適正化の裏で“オーナー過重労働”が深刻
「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」
調査は飲食店経営者・運営者286名(2025/12/25〜2026/1/5、ネット調査)。回答者の多くは小規模(従業員5名未満が55.2%)で、1店舗運営が64.3%。従業員(正社員)の月間労働時間は「160時間未満」と「200時間以上」に割れる一方、経営者・店長は「200時間以上」が60.8%に達した。過重労働の原因は“清掃・雑務”“数値管理”“シフト・勤怠”“発注・在庫”などで、なお紙・Excel運用が主流。DXは重要と認識されつつ、最大の壁は導入コスト。
調査結果概要
・従業員(正社員)の月間総労働時間は「160時間未満(35.3%)」と「200時間
以上(30.1%)」に分かれるが、一定数が法定時間内相当へ寄っている。その
一方で、経営者・店長本人は「200時間以上」が60.8%と突出。シフト穴埋め
や管理業務がオーナーに集中している構図が示唆される。
・減らしたい業務は「清掃・雑務(51.7%)」が最多で、「売上・経費の集計/分
析(31.5%)」「シフト作成・勤怠管理(26.2%)」「在庫管理・発注(23.8%)」
が続く。
・シフト・勤怠はExcel/紙が中心で、専用ITツール利用は14.0%にとどまる。発
注・在庫も紙が多い。事務作業はアイドルタイムだけでなく帰宅後・休日、
深夜にも及び、“隠れた長時間労働”がある。
・IT/DXの重要性は認識されるが、最大障壁は「導入コストが高い(51.0%)」。
効率化できれば「販促・集客」「サービス向上」「経営戦略」など“攻め”に時
間を回したい意向が示された。
飲食店リサーチの記事です。
小規模飲食店の実態が示されている調査結果です。従業員の労働時間適正化への努力がわかる一方で、それがオーナー経営者の犠牲により実現されていることが示されています。実現に向けたハードルはいくつもあるのでしょうが、清掃や雑務、数値管理、シフト勤怠管理、発注在庫といったオーナーが減らしたい仕事を標準化して、外部やツールやAIに任せることが改善の第一歩になると思います。まずは、小さなことから始めるのがポイントです。
越境は「スキル獲得」ではない
——人は環境に開かれた“受信体”、人事は「摩擦の場」を設計せよ
AIが定型知を代替するほど、人間の価値は身体性・他者性・予測不能な創造へ寄る。越境は個人の変容を生み、その変容を組織へ還流させる“生態系設計”こそ人事の仕事になる。
越境の再定義:
「越境学習=スキルを持ち帰る」では薄い。ホームとアウェイを往還する循環
の中で、本人の“アンテナ(受信範囲)”が変わり、自己が拡張することに本質
がある。
AI時代の人間価値:
AIが論理・定型タスクを担うほど、人間は多感覚・関係性・偶発性に根ざし
た創造性が相対的に重要になる。
人事の役割転換:
制度で人を「耕す」のではなく、自律的な成長が起きる環境を設計する(生
態系発想)。さらに帰還後に起きる違和感・葛藤を価値に変えるため、“摩擦
の場”を意図的に設計する必要がある。
日本の人事部のHPの記事です。
どちらかといえば大企業の人事担当者向けの記事ですので、中小企業経営者には馴染みのない世界という印象を持たれるかもしれません。越境研修というのは大企業での研修として、最近話題になっているものです。この研修について、越境を“研修でスキルを取りに行く施策”として設計すると、効果測定が資格・知識に寄って形骸化します。と示しています。
「越境学習は、自己が拡張することに本質がある」「制度で人を耕すのでなく、自律的な成長が起きる安協を設計する」という視点は、中小企業にとっても大切な視点だと思います。
余談ですが、こうした目的のために、中小企業ではまず経営者自身が”越境体験”をすることが大切だと思いました。
生成AI時代、大学生の「仕事への不安」と成長意識
ニッセイ基礎研究所の調査は、就職率は高いものの、大学生と若年社会人が生成AI時代の仕事と能力形成に対する不安を抱えている実態を明らかにした。
主要な不安項目
若年層は「生成AIが仕事を奪うのではないか」「AIの利用が自分自身の能力形
成を阻害するのではないか」という不安を感じている。生成AIによる作業効
率化は進む一方で、思考力や視野の広がりが弱まるのではないかという懸念
が強い。
学びと成長への影響
学生本人からは、「AIの利用によって自ら取り組んだ実感が薄れる」「情報が
偏る可能性がある」といった声があり、自分の成長につながる経験が減少す
るリスクへの不安が指摘されている。
企業側への示唆
生成AIが日常的なツールとなる世代が増える中で、企業はAIとの協働を前提
とした能力育成方針やプロセスを明確化し、若年層の「将来不安」を成長意
識に転換する取組みが求められるとされている。
ニッセイ基礎研究所のHPの記事です。
AIという単語をニュースで見ない日がない位に、AIが浸透してきていると感じます。当然、労働環境にも浸透してきているの現状に対して、Z世代・若年層が抱える「仕事への不安」は、単なる将来予測の問題ではなく、能力形成・キャリア観の変化を示唆していると言えると思います。(具体的にどの様な不安を感じているかについては記事本文をご確認下さい)
生成AIによって日々の業務が効率化される一方で、AI活用が「自分の成長につながる経験」をどう担保するかが、若手人材のエンゲージメントや離職リスクにも影響します。
そして「AIとの協働を前提にする」という視点で社内の仕組みや、仕事の割り当て、社員の育成方針を明確にすることが企業には求められています。この視点での取組みをしている企業はまだまだ少数だと感じます。この分野にいち早く取り組むことが、自社の持続的な成長に直結するのだと思います。
仕事の「因数分解」が労働市場を変える
――AIとスキマバイトが生む新しい担い手
AIとスキマバイトの普及により、仕事は「職務」ではなく「タスク」単位に分解されつつある。業務を細分化し最適な担い手に割り振ることで、人手不足を補い、企業経営の俊敏性を高める動きが加速している。企業はこれまで「正社員が一連で担う仕事」を前提としてきたが、AIの進化とスキマバイト(スポットワーク)の拡大により、仕事を細かいタスクに分解し、外部人材やAIに委ねる流れが強まっている。地図会社では、専門業者が担っていた情報収集の一部を一般ユーザーに開放し、タスクを切り分けることでコストとスピードを両立させている。スキマバイト事業者は、飲食・農業などの業務を細分化し、「誰に向くタスクか」を明示することで、女性・高齢者など新たな労働力を呼び込んでいる。AIもまた、仕事をタスク単位に分解することで導入が進み、人間とAIの役割分担を前提とした業務設計が不可欠になっている。
一方で、単なる「使い捨て労働」になれば、働き手のモチベーションや職場の求心力は失われる。仕事の切り出し方次第で、人材育成やキャリア形成につながるかどうかが分かれる。
日本経済新聞の記事です。
非常に興味深い内容でした。仕事の因数分解をして小さなタスクに分割すれば、今までの役割分担を前提とした組織や人材は必要ではなくなり、様々な働き方を希望する人たちにになっていただくことができると捉えました。
記事に記載されていた通り、今の人手不足を解決することにも繋がると思います。記事にある様な業務設計をできている企業だけしか成長できない世の中になるのだろうとも感じました。この変化は中小企業にとっても大きなチャンスだと思います。
私たちは、「感情労働」をヒューマノイドに譲るべきかもしれない
現代労働には、単なる作業ではなく「感情労働」や「認知負荷」が組み込まれており、それが働き手の精神に深刻な負担を与えている。
感情労働とは
社会学者A.R.ホックシールドが提唱した概念で、労働者が組織や利用者の期待に沿うために自身の感情を制御・演技する行為を指す。例として、客室乗務員や接客業での「笑顔」「安心感の創出」などが挙げられる。こうした感情的な制御は内面と外面の乖離を生み、感情的不協和として心の摩耗につながる。
体力労働・知的労働と異なり、感情労働は「見えない労働」であるため、低賃金・高負荷のまま固定化されやすい。これが労働者の尊厳やメンタルヘルスに負荷を与えていると指摘される。
ヒューマノイド(ロボット)の可能性
著者は人間型・人間に近いAI(ヒューマノイド)が、内面の感情を持たずに感情労働を担える点に注目する。ヒューマノイドは「内面と外面の乖離」がなく、理不尽な顧客対応や高ストレスな業務を安定的に行える可能性があるとする。
人間性の回復
感情労働の一部を機械に担わせることで、人間は「終わりのない演技」から解放され、創造的な意思決定や人間同士の本質的な対話、家族との時間といったより価値ある活動に注力できるようになる可能性がある、と論じている。
森山和道氏のnoteに掲載されている記事です。
昨日に引き続いて「感情労働」の話です。昨日の記事の問題提起の解決策の一つが示されていると感じました。実はこの記事のタイトルを見て、最初に生じた疑問は”「感情」をAIが扱えるのか?”という疑問でした。詳細は記事をご確認いただければと思いますが、この疑問にもスッキリと答えています。
ヒューマノイドが、過酷な感情労働や認知的負荷の高い作業(監視、データ処
理、単純反復作業)を「奪って」くれたとき、初めて人間は、人間ならではの
領域にリソースを割くことができます。
という意見には大賛成です。AIの進化スピードは凄まじいものがありますので、記事に記されている様なヒューマノイドも、近い将来には身近なものになっているのだと思います。その様な未来からバックキャスティングして、今のうちから準備するのは大切だと思います。その第一歩として、自社の従業員が担っている業務の中に”現在の搾取”とも表現できる「感情労働」の要素が潜んでいないかを明らかにし、対策を打つことをお薦めします。
目に見えない仕事の重荷
―― 現代の職場で見落とされる「感情・美的・認知」労働
現代の職場では、成果として評価されにくい「目に見えない労働」が増加している。感情を管理する働き方、外見を整える努力、家庭や職場を回すための認知的負荷は、業務に不可欠でありながら正当に評価されにくく、燃え尽きや不平等を生む要因になっている。
① 感情労働
組織の期待に沿う形で、自身の感情をコントロールし、他者に特定の感情を
生じさせる労働。客室乗務員の「安心感を与える笑顔」や、債権回収担当者
の「威圧・不安を与える対応」などが典型例。業務に不可欠だが、精神的負
荷が大きく、評価されにくい。
② 美的労働
組織が求める「見た目」「雰囲気」「スタイル」に合わせて、外見や振る舞い
を整える労働。特に小売・飲食などサービス業で顕著。一定のルックスを求
めることは、差別や排除につながるリスクも含む。
③ 認知労働(メンタルロード)
家庭や生活、職場を円滑に回すための「考え続ける仕事」。予定管理、段取
り、先回りした判断などが該当し、作業そのものよりも「忘れずに考え続け
ること」が負荷となる。特に女性に偏りやすく、ジェンダー不平等を再生産
しやすい。
これら3つの労働は、組織にとって不可視であるがゆえに、評価・報酬・配慮の
対象から漏れやすい。結果として、燃え尽き、疎外感、ストレス、不平等が職場内外で拡大する可能性がある。記事は、現代の仕事を理解するうえで、この「見えない労働」の存在と影響を再評価する必要性を提起している。
Forbes JAPAN のHPに掲載されている記事です。
Forbes JAPANのHPに掲載されていました。外国の方が作成した記事ですが、もちろん日本の職場にもあてはまる内容です成果として数値化されにく「目に見えない労働」が確実に増えているという指摘は、なるほど、と感じました。感情をコントロールし続けること、組織が求める外見や振る舞いに合わせること、仕事や家庭を回すために考え続けること――これらが業務に必要なのは確かですが、これらを評価する仕組みはできていない企業の方が多いと思います。
こうした見えない負荷が積み重なると、燃え尽きやストレス、離職につながりやすくなります。働き方改革で労働時間は改善しても、「感情」「期待」「暗黙の役割」まで含めた負担設計が見直されなければ、職場の疲弊は解消されないという記事の指摘を真摯に捉えて、中小企業経営者は自社の現状を捉え直し、改善のためのアクションを起こすべきだと思います。
今後のパワハラ防止指針に規定予定の「自爆営業」「カミングアウト」
2022年4月から義務化されたパワーハラスメント防止措置の指針が今後改訂され、従業員に自社商品購入を強要する「自爆営業」や、性自認・性的指向に関する情報開示の強要・禁止(カミングアウト)などが明確にパワハラとして規定される見通しとなっている。
「自爆営業」とは:自社商品・サービスについて、従業員に一方的に購入・契約を強要する行為で、極端なノルマ達成圧力の下で発生することが多く、パワハラの典型的な問題行為として指針上に明確に規定される予定です。
「カミングアウト」とは:性自認や性的指向など個人情報について、本人の自由意志とは無関係に開示を求めたり禁止したりする行為。これもパワハラ防止指針に明記される方向です。
パワハラ行為の放置は、従業員の心身の健康悪化、生産性低下、離職・人材流出、企業イメージの悪化、安全配慮義務違反や不法行為責任といった法的リスクにつながる可能性があります。
勤怠打刻ファーストのHPに掲載されている記事です。
パワハラ防止措置を企業は取らなければなりませんが、それに「自爆営業」や「カミングアウト」を明確なパワハラ類型とし規定する方向性が示されました。「自爆営業」は、従業員に自社商品等の購入・契約を強制する行為であり、労働上の優越的関係を背景に心理的負荷を生む可能性があります。また、性自認・性的指向に関する情報開示(カミングアウト)を本人の自由意思と無関係に強要・禁止する行為も、パワハラとして位置づけられる見込みです。
自社のパワハラ対策が十分な内容になっているかを、あらためて点検することをお薦めします。
雇用形態別・企業規模別にみる直近10年間の労働移動の実態
第一生命経済研究所が、直近10年間(2014〜2023年)の労働移動(転職・離職・就職転換等)の実態を分析したレポートを発表した。分析は年齢別、雇用形態別(正規・非正規等)、企業規模別の三つの視点で行われている。
転職者数と転職希望者の動き
・全体として転職者数は微増傾向にあり、20代・30代を中心に転職意向が高い
セグメントが存在することが示されている。雇用情勢の変化とリンクしなが
ら、求職者がより良い労働条件を求めて移動しやすい傾向が見られる。
雇用形態別の違い
・正規雇用と比較して、非正規雇用は労働移動の割合が高く、転職する頻度や
移動先の条件も異なっている。非正規労働者は多様な働き方を模索しやすい
一方で、正規雇用と比べて安定性や待遇面が課題となるケースがある。
全体の傾向
・日本の労働市場では、多様な雇用形態とともに、労働者のニーズや価値観の
変化が労働移動の背景にあると見られる。ただし、労働移動自体が著しく加
速しているわけではなく、雇用安定の前提の上で柔軟な移動が進んでいるとい
う構造が浮かび上がっている。
株式会社第一生命経済研究所のHPに掲載されている記事です。
昨日に引き続いて近年の傾向についての記事です。ここ10年の労働移動の実態が雇用形態別・企業規模別に整理されています。全体としては離職に関しては急変は確認されません。企業規模別で捉えると、規模の大きな企業への転職が増加している様です。中小企業の採用が難しくなっていることを示すデータですね。中小企業が本気で人を採りたいならば、記事にもあった様に、個人に寄り添った施策の充実が必須だと思います。
日本の「離職理由」はどう変化したのか
―― データが示す“納得感”時代のリテンション・マネジメント
パーソル総合研究所の調査分析によると、若者の離職率そのものは増えていない一方で、離職理由は「長時間労働」から「成果や評価への納得感の欠如」へと大きくシフトしている。制度改善だけでは防げない、育成とマネジメントの質が企業の定着力を左右する時代に入った。
ニュースの要約
・厚生労働省の「雇用動向調査」などのマクロデータを見ると、日本全体の離職率は長期
的に横ばい〜微減傾向であり、「若者が急に辞めやすくなった」という事実は確認でき
ない。早期離職についても、コロナ禍後は大卒・高卒ともに落ち着いており、「今どき
の若者はすぐ辞める」という言説はデータと乖離している。
・一方で、パーソル総合研究所の定量調査(2019年と2025年の比較)では、離職につな
がる不満の中身が大きく変化していることが明らかになった。
・「サービス残業が多い」「労働時間が長い」「育成が不十分」といった就業負荷に関する
不満は減少する一方で「求められる成果が重すぎる」「評価に納得できない」「上司の
指示や考えに腹落ちしない」といった成果・評価・納得感に関する不満が上昇。
・背景には、若手層を中心とした成長志向・成果志向の低下と、上司側の育成・任せ方の
弱体化がある。企業が求める成果水準は下がっていないため、「成果圧力」と「個人の
仕事観」のギャップが拡大し、静かな離職リスクを生んでいる。
・これからのリテンション・マネジメントでは、働き方改革の延長ではなく、育て方・関
係性・納得感を中心に据えたマネジメントの再設計が必要だと提言している。
日本の人事部に掲載されている記事です。
非常に興味深く、且つ的確な分析がなされていると感じた記事でした。働き方改革が進み、就業負荷を低減させる取り組みが進んでいる中での離職理由の説明が解説されています。
(就業負荷を低減させる取り組みは進んでいるのが当然ということですので、取り組みがまだ進んでいない企業には、一層の取り組み強化が求められています。)
「上司側の育成・任せ方の弱体化がある」という記述も、まさにその通りと感じることが多いです。記事で指摘している様に、「成長マネジメント」の強化に取り組むべきですし、この取り組みは企業規模に関わらず必要なので、中小企業にとってもチャンスと捉えられると思います。
フリーランス・業務委託管理の実態調査
―― 契約管理は未整備、法令対応・ガバナンスに不安
働き方の多様化に伴い、フリーランスや業務委託を活用する企業が増加する中、適切な管理や法令対応の実務課題を把握するために、SmartHRが実態調査を実施した。発注企業の約6割がExcel/スプレッドシートでフリーランス・業務委託を管理し、契約内容の曖昧さやガバナンス不安、フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)への対応遅れが顕在化している。
主な調査結果
管理方法の現状
・約57%の企業が Excel/Googleスプレッドシート中心の管理方法を採用している。
・専用システム利用は13%にとどまる。
業務委託管理で感じる課題
・発注内容や金額定義の曖昧さ(36%)
・ガバナンスの弱さ(32%)
・請求処理の手間(32%)などが上位に。
発注時のルール運用
・多くの管理部門・事業部門が「都度確認」に頼っており、“うっかり違反” への不安が
70%近くにのぼる。
フリーランス新法への対応状況
・管理部門40%、事業部門49% が「未対応/認識無し」と回答。
・法令周知・教育も約半数が不十分と認識している。
教育・周知の実施状況
・契約書・発注書のテンプレ化(27%)、勉強会(23%)など一部実施例はあるが、
自動チェックシステム はわずか12%。
フリーランス新法への対応が進んでいない実態が明らかになりました。施行から一定期間が経過しているにもかかわらず、管理部門・事業部門の双方で「未対応」「認識がない」とする企業が多かった様です。制度を知らないまま従来通りの発注・管理を続けているケースも多いとは思いますが、改善が急務と思います。
フリーランスは働き方の多様化の中の一つです。働き方の多様化が一層進むためにも、この問題への取り組みが急務だと感じました。
リコーが語る「出社」の再定義
―― AI時代に問われる“集まる意味”と創造的な働き方
ITmediaonlineに掲載されている記事です。
コロナ禍以降続く「出社 vs リモート」の議論に対し、リコーは単なる場所の
二項対立ではなく、人が集まる意味そのものを問い直す視点を提示。AI活用や創造的コミュニケーションの再設計を通じて、出社価値を見直す取り組みが注目されている。
多くの職場では、依然として形式的な会議や事務作業にリソースが奪われ、対面で集まることで生まれるはずの創造的な議論や共創の余白が失われている現状があると指摘されている。
リコーは、AIを活用した創造的な議論の実装などを通じて、集まる価値を組織としてどう再構築するかに挑んでいる。これは単にオフィスワークの場所を決める以上の、働き方全体の再設計につながるアプローチである。
昨日に引き続き「出社価値」に関する記事です。コロナ禍以降「出社かリモートか」という点に悩み、意思決定を余儀なくされた中小企業経営者も多いと思います。この記事が示しているのは、その視点がすでに本質からずれ始めているという点です。問うべきは働く“場所”ではなく、人が集まることで何を生み出すのか、その価値をどう設計するのかという視点という主張には”なるほど”と感心しました。
テレワークという手段がある中で、なぜ、出社させるのか?を突き詰めましょうという問いだとも言えます。出社は本来、創造的な対話や意思決定、共創を生み出すための手段であり、目的ではないはずです。しかしながら、中小企業の多くでは、出社という一手段の目的は何かという点の思考が深まっていない様に感じます。この目的を実現させるに、出社とリモートを併存させるだけでなく、業務プロセスや会議の設計、評価の考え方まで含めて見直す必要があります。そして、特に注目すべきは、本記事でも紹介されている、AIやデジタルツールを活用するという点です。AIをファシリテーターとして活用するというのは新しい発想です。
これからの働き方改革では、出社orテレワークという点ではなく、出社時の効果を最大化するための取り組みを実施することが必要だと感じました。
オフィスワーカー意識調査2025―― 働きがい・出社価値・職場関係の再定義
オルタナティブブログに掲載されている記事です。
イトーキ中央研究所が全国のオフィスワーカー約5,300人を対象に実施した
「オフィスワーカーの意識調査2025」で、働きがいや出社価値、モチベーションの源泉が世代ごとに異なり、単一の制度・報酬だけでは説明できない実態が浮き彫りになった。人間関係や職場環境の質が働きたい意欲と深く結びついていることが示されている。
主な調査結果:
出社価値の変化
理想として「出社中心」の働き方を支持する声が増える一方で、実態では約4割が「時々出社したくない」と回答。出社そのものではなく、出社の意味や体験の質が問われていることが示された。
働きがいの源泉の世代差
20代:人間関係を重視
30代:裁量や自己決定感
50代:成果や仕事の意義
世代によって働きたいと感じる要因が明確に異なり、画一的なエンゲージメント施策ではカバーしきれない点が浮き彫りになった。
働きたくなくなる要因
世代を問わず共通する最大要因は人間関係のストレス。柔軟な働き方制度以前に、職場の関係性の質が働く意欲の根幹にあると示された。
生産性と職場環境の関係
支援施策や職場環境を「実感している」層は生産性の自己評価が高く、環境整備はモチベーションと成果に直結する経営レバーであることが示唆された。
勤続意欲の構造
20〜30代は柔軟な働き方を重視する一方で、40〜50代は信頼できる上司・仲間・仕事の意義を重視。帰属意識は「給与・待遇」「人間関係」「働く環境」の3要素の組み合わせで形成されることが明らかとなった。
今回の調査結果から見えてくるのは、出社かリモートかという単純な二択では、もはや働き方や働きがいを説明できないという現実です。働く人が「働きたい」「続けたい」と感じるかどうかは、制度そのものよりも、職場での人間関係や環境の質に大きく左右されている様です。
個人的い最も興味をもったのは、働きがいの源泉が世代ごとに異なることです。働きたくなくなる要因として世代を問わず共通しているのが、人間関係のストレスであることも、当たり前のことかもしれませんが、こうした調査で示されると”やはり”と思いますね。制度設計と職場環境、そして人の関係性を切り離さずに捉え、働きがいと成果が循環する仕組みをどう作るかを考える必要があるのだと思います。
富士通が元派遣社員への無期転換妨害を高裁が問題視
―― 解決金支払いと謝罪で和解成立
Yahoo news に掲載されている記事です。
東京高等裁判所で、派遣社員の無期転換申込権行使妨害問題について争われた事件で、富士通側が原告に謝罪し解決金支払いに応じる形で和解が成立した。裁判所は妨害行為について「問題あり」と認定しました。
元派遣社員Aさんは、富士通グループの派遣として長年就労し、2018年4月に労働契約法18条に基づく無期転換申込権を取得しました。
その後、申込権の行使を阻むために派遣元が体制変更や転籍を促すなどの措置を取ったとされ、これが認められないべき妨害行為として訴訟に発展。1月16日の控訴審で、裁判所は妨害行為について「問題あり」と判断し、富士通側は謝罪と解決金の支払いに応じる形で和解が成立しました。
─ この事件は、いわゆる「2018年問題」と関連するケースの一つであり、無期転換申込権を巡る企業側の対応が争点となったものです。
派遣労働者が法律上の権利として有する無期転換申込権(労働契約法18条)に関して、企業側の対応が法的に問題ありと認められたものです。
中小企業経営者の中には「無期転換申込権」について認識していない方もいると思います。また、認識して社内ルールを作っている場合でも現場運用が曖昧になっているケースもあると思います。今回の判例を契機に、就業規則や人事制度(転籍・無期転換申込手続き)について社内プロセスを確認すると共に、説明がしっかりなされているかを再点検いただくのが良いと思います。
AIを「雇う」時代へ
―― 人事に求められる新しい仕事「AIマネジメント」
HRzineのHPに掲載されている記事です。
本記事は、生成AI活用が進む中で、日本企業の人事部門が陥りやすい2つの落とし穴を指摘しています。
人事が陥りやすい2つの落とし穴
・AIを効率化ツールとしてしか捉えず、「業務代替」の議論で止まること
・AI活用を全員教育で解決しようとして、現場実装・定着に失敗すること
また、
AIは「特別な存在」ではなく、人と同様に以下のサイクルで管理すべきだと提唱します。
・採用:業務に合ったAIモデルを選ぶ
・オンボーディング:社内ルール・文脈を学習させる
・評価・配置:品質・速度・コスト・利用率で評価
・代謝:性能低下時は交代・停止(退職・引継ぎの発想)
これにより、PoC(概念実証)止まりから組織能力としてのAI活用へ移行できるとしています。
「生成AIは、もはや単なる業務効率化ツールではなく、人と並走する“働く仲間”として管理すべき存在になりつつある」という記載が興味深かったです。人事には、AIを“導入する”役割ではなく、“採用し、育て、評価し、入れ替える”という新しいマネジメント機能が求められているとの主旨でしたが、この発想は中小企業経営者が持つべき考え方だと思います。
26年春闘、焦点は「実質賃金」と「働き方改革」
―― 賃上げ持続性と勤務間インターバル・定年延長が争点に
日本経済新聞社のHPに掲載されている記事です。
2026年の春季労使交渉では、名目賃上げの継続に加え、物価高を上回る「実質賃金の向上」と、勤務間インターバルや定年延長など働き方改革の要求が前面に出ている。労組の有無や企業規模による賃上げ格差、生産性向上との両立が大きな課題となっている。
・2026年春闘で連合は全体 5%以上中小企業 6%以上の賃上げを目標に設定狙い
は 実質賃金を年1%上昇させる軌道を定着させること
・2025年春闘では賃上げ率5.25%と高水準だったが、物価高により実質賃金は
11カ月連続マイナス
・問題点として労働組合の有無で賃上げ率に差(25年は0.8pt差)
・労組組織率は 16% にとどまり、中小・小規模企業では極端に低い
・中小企業では業績改善を伴わない「防衛的賃上げ」が6割
労働分配率は7割前後と高止まり
・一方、大企業は労働分配率が40%未満。内部留保は過去最高の637兆円
・価格転嫁・生産性向上を通じて中小でも賃上げを“持続”させられるかが焦点
・労働時間短縮、職場環境整備が主要な交渉テーマに
・特に注目されるのが、勤務間インターバル制度。欧州では11時間インター
バルが義務化。日本では努力義務にとどまり、導入率は 6.9%。政府は28年ま
でに 15%以上 を目標とするが78.7%の企業は「導入予定なし」
・労働時間規制緩和を求める産業界の声と、「時間を増やしたくない」労働者
意識との乖離が鮮明
・併せて定年廃止・定年延長、シニアの処遇改善も要求項目に
・高齢者雇用は量的拡大が進む一方、賃金低下・非正規化が課題
2026年春季労使交渉では、賃上げ率の高さそのものよりも、実質賃金を継続的に引き上げられるかが最大の焦点となっています。名目賃上げだけでは生活向上の実感につながらず、賃金・物価・働き方を一体で捉える視点が、企業にも求められる局面に入っています。一方で、労働組合のない中小企業では、春闘の賃上げ機運が自然に波及しにくいのが実情です。そのため、交渉の有無に頼らず、賃上げの考え方や評価基準を社内制度として明確化することが、人材定着や採用力に大きな差を生みます。
「全労連アンケート:働きたい労働者はごく少数
―― 大多数が労働時間の短縮・ワークライフバランス重視
全労連のHPに掲載されている記事です。
労連が組合員1,267人を対象に実施した働き方アンケートで、労働時間を「増やしたい」と答えた人はわずか11%。約6割が「労働時間を減らしたい」と回答し、時間外労働短縮、休日増加、仕事と生活の両立が強く求められている。政府や財界が言う「働きたい改革」の根拠となる調査結果とは異なる実態が浮かび上がった。回答者は正規87%、非正規13%の労働者1,267人で、調査は2025年11〜12月に行われました。
主な結果:
労働時間の希望
・減らしたい:57%/現状のまま:32%/増やしたい:11%
「増やしたい」理由
・78%が「収入が苦しいから」と回答(スキルアップや顧客ニーズは各7%)
労働時間を減らしたい理由
・「自分の時間を大切にしたい」43%/「健康維持」21%/「家族との時間を
確保したい」も高割合
所定労働時間短縮希望
・1〜2時間の短縮希望が多数
休日
・週2日の休日を希望する労働者が56%、週3日希望も39%と高い割合
実態としての残業
・0時間残業は12%のみ。多くは10〜30時間超の残業あり
「月80時間超残業」層でも許容と回答する傾向あり
「退職健康法」「週4日勤務」「通勤時間と家の広さ」
── 労働と健康をめぐる最新研究4選
ITMediaNEWSに掲載されている記事です。
この記事は、労働と健康の関係に関する複数の研究テーマを紹介するリサーチまとめです。具体的には、次のようなポイントが挙げられています。
・退職による健康影響:長年就労した後の退職が、身体的・精神的な健康に良
い影響を与える可能性を示す国際的な追跡研究が紹介された。
・週4日勤務の効果:週4日勤務制度が従業員の健康にどのような影響を与える
か、肯定的効果の可能性を示す研究が取り上げられている。
・通勤時間の影響:通勤時間と生活満足度・健康状態の関係を分析した研究が
取り上げられ、長時間通勤が健康に与える負担について言及された。
・住環境との関係:仕事と家の広さ・住環境が健康や生活満足度に影響すると
いう視点も含まれている。
これらは労働時間や働き方が心身の健康と深く結びついていることを示唆する内容です。
とても興味深い記事です。働き方と健康の関係に関する様々なテーマで研究がなされていること自体に驚きました。それぞれの研究で示されている結論は”なるほど”と思うものでした。
「週4日勤務」以外は経営者として直接的に対応することがしにくいテーマではありますが、
これらのテーマが心身の健康に影響を与える要因であるという事実を認めた上で、社員個人の状況を把握することは有効だと思います。
「つながらない権利」が労働基準法で明文化へ
―― 休日・時間外の業務連絡は“無視”でOKの可能性
NBC長崎放送のWebに掲載されている記事です。
本記事は、労働基準法の大規模な見直しについて報じたものです。1987年以来約40年ぶりとなる改正で、スマホやメールなどによる休暇中の“見えない拘束”を法的に否認できるようにする方向で議論が進んでいます。これは「つながらない権利」として広く注目を集めています。改正の背景には、従来の昭和期の「管理型労働」モデルが、テレワークや多様な働き方が広がる現代の実態と乖離しているという認識があり、
・休暇中のデジタル連絡を拒否できる
・長時間労働の見えない拘束を防ぐ
・自律的に休息を確保する権利の保護
といった観点から法律のアップデートが進められていることが報じられています。
今年は労働基準法の改正が予定されており、関連するニュースが多いです。本記事もその一つです。”つながらない権利”についても書かれていますが、個人的にそれ以上に参考にしていただけると思うのは、昭和モデルからの脱却―2026年改正が導く「5つの大転換」という整理です。
・「時間管理」から「健康管理」へ
・「工場の論理」から「自律の論理」へ
・「隠れ労働」の凶器を「解放」へ
・「画一的」から「多様性」の保障へ
・「密室労働」から「透明性の競争」へ
詳細は記事を確認いただければと思いますが、これらの視点は自社の課題解決に参考になる視点と思います。
ブルーカラー賃上げに広がる格差
―― タクシー4割増、板金は減少 スキル可視化が分ける明暗
日本経済新聞の記事です。
本記事は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに、ブルーカラー(現業職)における賃金上昇の格差を分析しています。
賃金動向の実態
・2024年の所定内給与を2020年と比較
タクシー運転手:40%増
建設躯体工事従事者(とび・鉄筋工等):18%増
警備員:3%増
板金従事者:1%減
全体平均(事務職含む)は 7%増
・格差が生まれる背景
タクシー業界ではインバウンド回復による需要増、歩合制による成果反映、
労働時間規制(勤務間インターバル)を守りつつ高収入が可能。
一方、製造業・建設業の一部では
スキルが賃金に十分反映されない、経験や技能の市場価値が「見えない」
・問題の核心:スキルの可視化不足
全国建設労働組合総連合は「技能の市場価値が見えず、適正賃金を交渉でき
ない」と指摘、建設キャリアアップシステム(CCUS)は導入されたが、経験
年数・資格中心で、技能の細分化や賃金との直結は限定的。欧米(英国・ド
イツ・米国)では、職業資格が細かく定義、スキル評価が賃金に直結、企業
をまたいで通用する評価制度が存在
記事は、「長く働く」よりも「スキルが評価され、将来像(夢)を描けるかどうか」が人材確保と賃金上昇の分かれ目になると指摘しています。
今年は”ブルーカラー”という言葉を目にする機会が増える年になると思います。アメリカではAIにより職を奪われるホワイトカラーよりからブルーカラーに転職し高収入を得ているというニュースも目にしました。”タクシー運転手と他業種の賃金格差”の要因には別の要素もあるとは思いますが、記事の記載も重要な視点だと思います。
ブルーカラーの賃上げ格差は、業界の好不況だけでなく、スキルが賃金に結びつく仕組みの有無によって生まれています。タクシー業界のように“成果が見える”職種は賃金が伸び、可視化が遅れる職種では人材流出が止まりません。」「日本では技能や経験が“社内でしか通用しない評価”にとどまりがちです。スキルを等級化・見える化し、賃金テーブルと連動させることで、長く働くほど報われる仕組みを作ることが可能です。
働きたい改革を実効性あるものにするには、“残業できる制度”ではなく、“努力や技能が見える制度”が不可欠です。現場職ほど、将来像が描けるかどうかが人材定着の分かれ目になると思います。
中堅社員の半数以上がキャリア志向「未定/志向なし」
非定型業務や異動経験がキャリア形成に影響
PRTIMESのWEB掲載の| ALL DIFFERENT株式会社のプレスリリースです。
ALL DIFFERENT株式会社とその研究機関が、ミドルキャリア(社会人5年以上15年未満・管理職未満)の800人を対象にキャリア意識調査を実施しました。
・「キャリア未定」「キャリア志向なし」の回答が合算で過半数に達し、はっき
りとしたキャリアビジョンを描けない中堅社員が多いことが明らかになった。
・男女差では、男性の方が「専門職志向」「管理職志向」が高く、女性は「志向なし」の割合が高い傾向。
・非定型業務機会や部門間連携の経験がある中堅社員は、キャリア志向(専門職・管理職)を持つ割合が高く、経験の有無がキャリア形成に影響しているとみられる。
・約4割の中堅社員が、この会社で働き続けることへの不安を感じていると回答しており、キャリア自律支援の必要性が示唆された。
今回の調査では、中堅社員の過半数がキャリア志向を明確に持っていない実態が浮き彫りになりました。単に人を配置するだけでなく、多様な業務経験の機会提供や部署間連携などのキャリア設計支援が、企業の人材育成戦略として不可欠であることが示されています。
キャリア未定・志向なし層が多い背景には、非定型業務や部門横断的な経験が不足していることが影響している可能性があります。OJTの設計、部署異動計画、プロジェクト参画機会の提供など、キャリア自律を促す支援が組織の競争力向上に直結します。
こう捉えると、組織力を高め、企業の魅力を高めるためにやれることはたくさんあるのだと思います。小さな取り組みでも良いので、具体的なアクションが大切と感じます。
人手不足倒産、年間427件で過去最多 建設・物流・小規模企業で顕著 PRTIMESのWEB掲載の帝国データバンクのプレスリリースです。
株式会社帝国データバンクが発表した「人手不足倒産の動向調査」によると、2025年に発生した人手不足倒産件数は 427件 と、前年度比で約25%増加し、初めて年間400件を超える過去最多となりました。
・内訳:建設業が113件で初の100件超、物流業も52件と過去最多水準。
・小規模企業への影響:全体の77%が従業員10人未満の企業で発生しており、
人手1人の離職・採用難が倒産リスクに直結している。
・経営課題としての認識:帝国データバンクの別調査では、企業の約44%が
人手不足を重要な懸念材料として挙げている。
政策との関連
税制改正大綱で配偶者控除の非課税枠(いわゆる「年収の壁」)が引き上げられることで、非正規労働者の「働き控え」緩和への期待が示されている一方、賃上げが追いつかない小規模企業では「賃上げ難型」の倒産リスクが高いことも指摘されています。
人手不足倒産が過去最多の件数になったという憂慮すべき事実の記事です。特に、
従業員数10人未満の企業が多い、人手不足倒産件数は当面の間高水準で続くと予想、という記載が個人的に気になりました。
従業員数10人未満の企業の経営者は危機感を持つべきだと思います。今、求人活動をしても人が採れない可能性が高いということに対してです。
新規採用のニーズが発生しなければ、当然、求人活動は実施しません。求人活動をしなければ採用環境の厳しさに直面することもありません。以前、求人活動をした際には良い人が採用できたかもしれませんが、その時とは世の中が大きく変わっている!ということを理解していただきたいです。人が辞めた後に、慌てて求人活動をして、その際にこのことに気づくのでは遅いのです。
事業を運営するには人が必要です。人が辞めてしまい、代わりの人を採用できない!というリスクが大きくなっていることを認識いただき、自社に合わせたリスクへの備えを優先順位の高い取り組みとして実施すべきと考えます。
「働いて働いて」は賃金増につながるのか
―― 高市政権の“働きたい改革”で本当に問われる課題 『日本経済新聞』に掲載されていた記事です。
本記事は、高市首相が掲げる「働きたい人が、より長く働き、賃金を増やせる社会」を目指す労働改革構想について、その実効性を多角的に検証しています。安倍政権下の「働き方改革」(2018年法整備)では、
・時間外労働の上限規制(原則:月45時間・年360時間)
・同一労働同一賃金の推進
が柱とされ、「長時間労働の是正」が最優先課題でした。
これに対し、高市政権の構想は、残業規制の緩和を含む「働きたい改革」と位置づけられています。しかし、記事は次の 3つの構造問題 を指摘します。
① 人口減少と労働力構造の変化
生産年齢人口は減少を続け、高齢者・女性・外国人の就労が増加
非正規・短時間就労者が多く、残業規制緩和の恩恵は限定的
厚労省調査では「残業を増やしたい」人は約1割にとどまる
② 物価高と「働き損」問題
実質賃金は長期低下傾向
年収の壁(106万円・130万円等)により、働き控えが発生
社会保険適用拡大と負担増への不安が根強い
③ 生産性の低さと成果が報われない賃金構造
日本は長時間労働者の割合がG7で最も高い
それにもかかわらず、労働生産性はOECD下位
時間ではなく成果で評価する「職務給・成果給」への転換が進んでいない
記事後半では、「第3の時間 デンマークで学んだ、短く働き、人生を豊かに変える時間術」の筆者、井上陽子さんに話を聞いた内容をまとめています。
高市政権の意向(記事では働きたい改革と表現されていますが)が、今後の働き方に影響を与えるのは間違いないと思います。本記事では”働きたい改革”を評価する前提として捉えておくべき視点をわかりやすく整理しています。そしてこの視点は、今後、考えられる具体的な動きに対して、中小企業経営者が、自社でどの様に対応するかを考察する際にも考慮すべき視点だと思います。是非、自社の状況と照らし合わせて記事を確認いただければと思います。
働く男女55%が「残業意欲なし」 一方、20代は前向き傾向も
副業・兼業への関心は6割超 『マイナビニュース』に掲載されていた記事です。
ロイヤリティマーケティングが2025年11月末に実施したオンライン調査(20~50代の働く男女1,000名対象)によれば、現状の働き方や意欲について以下の傾向が見られた。
・現在の働き方は「出社中心」が80.3%と最多で、「ハイブリッド勤務」「リモ
ート中心」は少数派。
・理想の働き方では30代~50代で「出社中心で安定」が最多だが、柔軟な働き
方や複業型も一定割合で支持され、多様なニーズが存在。
・残業意欲については、約55%が「まったくしたくない/あまりしたくない」
と回答。30~50代でその傾向が強い。
・20代は相対的に残業肯定派が多く、「仕事のやりがい・楽しさ」を残業理由に
挙げる傾向も見られる。
・「働き方改革の進展を実感する」と答えたのは43.4%にとどまった。
・副業・兼業への関心は62.1%となり「やってみたい」「興味あり」が過半数。
・リスキリングに関しては「積極的に取り組む」9.0%、「興味あるが時間が取れ
ない」34.2%で、合わせて約43%の関心層が存在。
働き方と意欲に関する調査結果として、いくつもの気になるテーマについての調査結果が示されています。調査結果のグラフ記載もありますので、記事本文をご確認いただき、考察を深めていただければと思います。「働き方や働くことについての考え方の多様化が本当に進んでいるんだなあ」という印象を強く持ちました。優秀な人材を採用し、自社で活躍してもらうためには、中小企業もこの変化に対応しなければなりませんし、対応することで期待できることは大きいと思います。
一方で、現実的な対応を考える時には、多様な働き方の中でも、自社で実現したいことに一点集中して、他社と差別化が図れるまでに制度や環境を整えることが必要だと思います。多様な働き方の全ての受け皿に中小企業がなるのは現実的ではないと思いますので。
組織改革には「語れる管理職」が必要だ
―― 制度だけでは組織が変わらない理由
日経リスキル(NIKKEI OFFICE PASS presents しあわせ働き方研究所 #03)に掲載されていた記事です。
本記事は、日本経済新聞社が主催するウェビナー「しあわせ働き方研究所」第3回(2025年12月22日開催)の内容を紹介したものです。ゲストは、KPMGコンサルティング プリンシパルの 油布顕史氏。25年以上にわたり人事・組織変革を支援してきた立場から、「ウェルビーイングな組織」に必要な管理職像が語られました。記事の中心メッセージは次の通りです。
・フレックス、リモートワーク、休暇制度など制度を整えるだけでは、働き方は変わらない。ウェルビーイングとは
①心身の健康
②成長実感と仕事のやりがい
③組織への貢献実感
の3要素がそろった状態。
・正解が見えにくい時代においては、管理職が自分の仕事観・価値観を「自分の言葉で語る」ことが重要。管理職が自己開示し、対話が活発になることで心理的安全性が高まり、組織は学習し続ける好循環に入る
・「役職で人を動かす時代は終わった。
これからは価値観で共感を生み、人を動かすマネジメントが求められている」
〖東京商工会議所調査〗働き方改革で2割の企業が「事業運営に支障」、
宿泊・飲食業は55.6%
エールプラス(産業保健新聞)に掲載されていた記事です。
本記事は、東京商工会議所が2025年12月に公表した「働き方改革に関する緊急アンケート調査」の結果を紹介しています。
調査対象は東京都内の中小企業1,079社。全体では約2割の企業が時間外労働上限規制対応で「事業運営に支障あり」と回答しましたが、宿泊・飲食業(55.6%)、運輸業(54.7%)、建設業(42.2%)などでは数値が高く、業種ごとの対応の難しさが浮き彫りになっています。
主な課題としては、「全社的な人手不足(60.6%)」が最大要因となり、法令遵守だけでは現場での時間管理が難しい現実が示されています。加えて「隠れ残業」など労働時間の実態把握の困難さから、衛生管理の面でもリスクが高まる可能性が指摘されています。
今年は40年の一度の労働基準法の改正が行われるというニュースが多くでています。その内容は本欄でも随時取り上げて参りますが、今日の記事は前回の労働基準法改正が企業に与えている影響についての東京商工会議所のアンケート結果を解説したものです。
事業運営に支障ありと回答した企業が2割あり、いくつかの業種では更に数値が高いというのは理解できる数字です。記事にも記載されている通り「人手不足」の深刻さを示している例だと思います。(記事には東京商工会議所の調査結果へのリンクもあるのでご参照下さい)
労基法の更なる改正が予定されていますが、法律の規制を問題視するのではなく、本当に自社でやるべきことを出来ているのかを真剣に考える年にしていただきたいです。人手不足は解消されませんし、今、人がいない企業では、今と同じことをしているだけでは人は来ません。
抜本的な活動が必要ですし、それには時間がかかりますが、まだ間に合うはずです。
記事の最後のコメントが印象に残りましたし、私も同感ですので抜粋します。
今の働き方改革が「時間の数字」だけを追うフェーズから、いかに「持続可能な環境」を作るかというフェーズに移ったことを教えてくれています。(中略)今回の調査結果を、ぜひ社内で「今の体制で本当にみんなを守れているか?」を話し合うきっかけにしてみてください。
人事は「管理」から「解放」へ。
従業員のキャリア自律を促し「全員戦力化」を実現するには
NTTファシリティーズがお届けするメールマガジン『えふ・マガ』に掲載されていた記事です。
学習院大学・守島基博教授による「全員戦力化」の人材戦略についての解説です。少子化・労働市場逼迫により、従来の「命令・評価」の人事管理は限界に達しているとし、主体性を持つ「キャリア自律」の重要性を説いています。
特に、「キャリア自律」を機械的な制度導入だけでなく、従業員が自由に選択・挑戦できる環境作り、企業文化の変革と合わせて進めるべき点を強調します。また、単なるジョブ型雇用導入ではなく、文化改革やパーパス(企業の存在意義)の共有が組織力向上の鍵であると述べています。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年第一弾のNEWS解説は「全員戦力化」という興味深い言葉に魅かれて記載しました。
記事の内容はどちらかと言えば大企業の組織をイメージして書かれているという印象を受けるかもしれませんが、守島教授が伝えたいことは中小企業にも当てはまります。むしろ中小企業の方が「全員戦力化」を図りやすい面もあると思います。
中小企業経営者が記事の最後に記載されていたこと(以下に抜粋します)を、ほんとうに理解し、自社で実践することが大切だと思いました。
最後に、企業の皆さん、とりわけ経営層をはじめとしたマネジメントの方々にお伝えしたい
のは「働く人たちを自律した存在として認めてほしい」ということです。全員戦力化にせよ
キャリア自律にせよ、従業員一人ひとりの主体性を認め、信頼して一定の裁量や権限を
与えることから始まります。
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