NEWS解説

中小企業経営者に参考にしていただけそうな
ニュースを解説いたします

2026年1月11日

中堅社員の半数以上がキャリア志向「未定/志向なし」
                                                 非定型業務や異動経験がキャリア形成に影響

PRTIMESのWEB掲載の| ALL DIFFERENT株式会社のプレスリリースです。

ALL DIFFERENT株式会社とその研究機関が、ミドルキャリア(社会人5年以上15年未満・管理職未満)の800人を対象にキャリア意識調査を実施しました。
「キャリア未定」「キャリア志向なし」の回答が合算で過半数に達し、はっき
りとしたキャリアビジョンを描けない中堅社員が多いことが明らかになった。
男女差では、男性の方が「専門職志向」「管理職志向」が高く、女性は「志向なし」の割合が高い傾向。
非定型業務機会や部門間連携の経験がある中堅社員は、キャリア志向(専門職・管理職)を持つ割合が高く、経験の有無がキャリア形成に影響しているとみられる。
約4割の中堅社員が、この会社で働き続けることへの不安を感じていると回答しており、キャリア自律支援の必要性が示唆された。

 今回の調査では、中堅社員の過半数がキャリア志向を明確に持っていない実態が浮き彫りになりました。単に人を配置するだけでなく、多様な業務経験の機会提供や部署間連携などのキャリア設計支援が、企業の人材育成戦略として不可欠であることが示されています。
 
キャリア未定・志向なし層が多い背景には、非定型業務や部門横断的な経験が不足していることが影響している可能性があります。OJTの設計、部署異動計画、プロジェクト参画機会の提供など、キャリア自律を促す支援が組織の競争力向上に直結します。
 こう捉えると、組織力を高め、企業の魅力を高めるためにやれることはたくさんあるのだと思います。小さな取り組みでも良いので、具体的なアクションが大切と感じます。

 

2026年1月10日

人手不足倒産、年間427件で過去最多 建設・物流・小規模企業で顕著             PRTIMESのWEB掲載の帝国データバンクのプレスリリースです。

 株式会社帝国データバンクが発表した「人手不足倒産の動向調査」によると、2025年に発生した人手不足倒産件数は 427件 と、前年度比で約25%増加し、初めて年間400件を超える過去最多となりました。
・内訳:建設業が113件で初の100件超、物流業も52件と過去最多水準。
・小規模企業への影響:全体の77%が従業員10人未満の企業で発生しており、
           人手1人の離職・採用難が倒産リスクに直結している。
・経営課題としての認識:帝国データバンクの別調査では、企業の約44%が
            人手不足を重要な懸念材料として挙げている。
政策との関連
 
税制改正大綱で配偶者控除の非課税枠(いわゆる「年収の壁」)が引き上げられることで、非正規労働者の「働き控え」緩和への期待が示されている一方、賃上げが追いつかない小規模企業では「賃上げ難型」の倒産リスクが高いことも指摘されています。

 人手不足倒産が過去最多の件数になったという憂慮すべき事実の記事です。特に、
従業員数10人未満の企業が多い、人手不足倒産件数は当面の間高水準で続くと予想、という記載が個人的に気になりました。
 従業員数10人未満の企業の経営者は危機感を持つべきだと思います。今、求人活動をしても人が採れない可能性が高いということに対してです。
 新規採用のニーズが発生しなければ、当然、求人活動は実施しません。求人活動をしなければ採用環境の厳しさに直面することもありません。以前、求人活動をした際には良い人が採用できたかもしれませんが、その時とは世の中が大きく変わっている!ということを理解していただきたいです。人が辞めた後に、慌てて求人活動をして、その際にこのことに気づくのでは遅いのです。
 事業を運営するには人が必要です。人が辞めてしまい、代わりの人を採用できない!というリスクが大きくなっていることを認識いただき、自社に合わせたリスクへの備えを優先順位の高い取り組みとして実施すべきと考えます。

2026年1月9日

「働いて働いて」は賃金増につながるのか
                                       
―― 高市政権の“働きたい改革”で本当に問われる課題             日本経済新聞に掲載されていた記事です。

 本記事は、高市首相が掲げる「働きたい人が、より長く働き、賃金を増やせる社会」を目指す労働改革構想について、その実効性を多角的に検証しています。安倍政権下の「働き方改革」(2018年法整備)では、
時間外労働の上限規制(原則:月45時間・年360時間)
同一労働同一賃金の推進
が柱とされ、「長時間労働の是正」が最優先課題でした。
 
これに対し、高市政権の構想は、残業規制の緩和を含む「働きたい改革」と位置づけられています。しかし、記事は次の 3つの構造問題 を指摘します。
① 人口減少と労働力構造の変化
 
生産年齢人口は減少を続け、高齢者・女性・外国人の就労が増加
 非正規・短時間就労者が多く、残業規制緩和の恩恵は限定的
 
厚労省調査では「残業を増やしたい」人は約1割にとどまる
② 物価高と「働き損」問題
 
実質賃金は長期低下傾向
 
年収の壁(106万円・130万円等)により、働き控えが発生
 
社会保険適用拡大と負担増への不安が根強い
③ 生産性の低さと成果が報われない賃金構造
 
日本は長時間労働者の割合がG7で最も高い
 
それにもかかわらず、労働生産性はOECD下位
 
時間ではなく成果で評価する「職務給・成果給」への転換が進んでいない

記事後半では、「第3の時間 デンマークで学んだ、短く働き、人生を豊かに変える時間術」の筆者、井上陽子さんに話を聞いた内容をまとめています。

 高市政権の意向(記事では働きたい改革と表現されていますが)が、今後の働き方に影響を与えるのは間違いないと思います。本記事では”働きたい改革”を評価する前提として捉えておくべき視点をわかりやすく整理しています。そしてこの視点は、今後、考えられる具体的な動きに対して、中小企業経営者が、自社でどの様に対応するかを考察する際にも考慮すべき視点だと思います。是非、自社の状況と照らし合わせて記事を確認いただければと思います。

2026年1月8日

働く男女55%が「残業意欲なし」 一方、20代は前向き傾向も
                         副業・兼業への関心は6割超 『マイナビニュース』に掲載されていた記事です。

ロイヤリティマーケティングが2025年11月末に実施したオンライン調査(20~50代の働く男女1,000名対象)によれば、現状の働き方や意欲について以下の傾向が見られた。
・現在
の働き方は「出社中心」が80.3%と最多で、「ハイブリッド勤務」「リモ
 ート中心」は少数派。
理想の働き方では30代~50代で「出社中心で安定」が最多だが、柔軟な働き
 方や複業型も一定割合で支持され、多様なニーズが存在。
残業意欲については、約55%が「まったくしたくない/あまりしたくない」
 と回答。30~50代でその傾向が強い。
・2
0代は相対的に残業肯定派が多く、「仕事のやりがい・楽しさ」を残業理由に
 挙げる傾向も見られる。
「働き方改革の進展を実感する」と答えたのは43.4%にとどまった。
副業・兼業への関心は62.1%となり「やってみたい」「興味あり」が過半数。
リスキリングに関しては「積極的に取り組む」9.0%、「興味あるが時間が取れ
 ない」34.2%で、合わせて約43%の関心層が存在。

 働き方と意欲に関する調査結果として、いくつもの気になるテーマについての調査結果が示されています。調査結果のグラフ記載もありますので、記事本文をご確認いただき、考察を深めていただければと思います。「働き方や働くことについての考え方の多様化が本当に進んでいるんだなあ」という印象を強く持ちました。優秀な人材を採用し、自社で活躍してもらうためには、中小企業もこの変化に対応しなければなりませんし、対応することで期待できることは大きいと思います。
 一方で、現実的な対応を考える時には、多様な働き方の中でも、自社で実現したいことに一点集中して、他社と差別化が図れるまでに制度や環境を整えることが必要だと思います。多様な働き方の全ての受け皿に中小企業がなるのは現実的ではないと思いますので。

2026年1月7日

組織改革には「語れる管理職」が必要だ

                                                             ―― 制度だけでは組織が変わらない理由

日経リスキル(NIKKEI OFFICE PASS presents しあわせ働き方研究所 #03)に掲載されていた記事です

 本記事は、日本経済新聞社が主催するウェビナー「しあわせ働き方研究所」第3回(2025年12月22日開催)の内容を紹介したものです。ゲストは、KPMGコンサルティング プリンシパルの 油布顕史氏。25年以上にわたり人事・組織変革を支援してきた立場から、「ウェルビーイングな組織」に必要な管理職像が語られました。記事の中心メッセージは次の通りです。
・フレックス、リモートワーク、休暇制度など制度を整えるだけでは、働き方は変わらない。ウェルビーイングとは
 ①心身の健康
 ②成長実感と仕事のやりがい
 ③組織への貢献実感
 の3要素がそろった状態。
・正解が見えにくい時代においては、管理職が自分の仕事観・価値観を「自分の言葉で語る」ことが重要。管理職が自己開示し、対話が活発になることで心理的安全性が高まり、組織は学習し続ける好循環に入る
・「役職で人を動かす時代は終わった。
 これからは価値観で共感を生み、人を動かすマネジメントが求められている」

 今日は1月7日本格的に2026年がスタートしています。そんな中、面白い記事を見つけました。
 制度を導入しても意図した組織改革が進まない状況に陥る組織は少なくありません。本記事は、その解が管理職のあり方だと述べています。詳細は是非、記事本文でご確認いただきたいですが、今年は、いや今年も今年こそかもしれませんが、組織の中の人に着目した活動をそれぞれの企業で実施いただきたいと思いました。

 

2026年1月6日

〖東京商工会議所調査〗働き方改革で2割の企業が「事業運営に支障」、
                                                                                         宿泊・飲食業は55.6%
 

エールプラス(産業保健新聞)に掲載されていた記事です

 本記事は、東京商工会議所が2025年12月に公表した「働き方改革に関する緊急アンケート調査」の結果を紹介しています。
 
調査対象は東京都内の中小企業1,079社。全体では約2割の企業が時間外労働上限規制対応で「事業運営に支障あり」と回答しましたが、宿泊・飲食業(55.6%)、運輸業(54.7%)、建設業(42.2%)などでは数値が高く、業種ごとの対応の難しさが浮き彫りになっています。
 主な課題としては、「全社的な人手不足(60.6%)」が最大要因となり、法令遵守だけでは現場での時間管理が難しい現実が示されています。加えて「隠れ残業」など労働時間の実態把握の困難さから、衛生管理の面でもリスクが高まる可能性が指摘されています。

 今年は40年の一度の労働基準法の改正が行われるというニュースが多くでています。その内容は本欄でも随時取り上げて参りますが、今日の記事は前回の労働基準法改正が企業に与えている影響についての東京商工会議所のアンケート結果を解説したものです。
 事業運営に支障ありと回答した企業が2割あり、いくつかの業種では更に数値が高いというのは理解できる数字です。記事にも記載されている通り「人手不足」の深刻さを示している例だと思います。(記事には東京商工会議所の調査結果へのリンクもあるのでご参照下さい)

 労基法の更なる改正が予定されていますが、法律の規制を問題視するのではなく、本当に自社でやるべきことを出来ているのかを真剣に考える年にしていただきたいです。人手不足は解消されませんし、今、人がいない企業では、今と同じことをしているだけでは人は来ません。 
抜本的な活動が必要ですし、それには時間がかかりますが、まだ間に合うはずです。

 記事の最後のコメントが印象に残りましたし、私も同感ですので抜粋します。

 今の働き方改革が「時間の数字」だけを追うフェーズから、いかに「持続可能な環境」を作るかというフェーズに移ったことを教えてくれています。(中略)今回の調査結果を、ぜひ社内で「今の体制で本当にみんなを守れているか?」を話し合うきっかけにしてみてください。

 

2026年1月5日

人事は「管理」から「解放」へ。
        従業員のキャリア自律を促し「全員戦力化」を実現するには
 

 NTTファシリティーズがお届けするメールマガジン『えふ・マガ』に掲載されていた記事です。

学習院大学・守島基博教授による「全員戦力化」の人材戦略についての解説です。少子化・労働市場逼迫により、従来の「命令・評価」の人事管理は限界に達しているとし、主体性を持つ「キャリア自律」の重要性を説いています。
特に、「キャリア自律」を機械的な制度導入だけでなく、従業員が自由に選択・挑戦できる環境作り、企業文化の変革と合わせて進めるべき点を強調します。また、単なるジョブ型雇用導入ではなく、文化改革やパーパス(企業の存在意義)の共有が組織力向上の鍵であると述べています。

 

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 新年第一弾のNEWS解説は「全員戦力化」という興味深い言葉に魅かれて記載しました。
 記事の内容はどちらかと言えば大企業の組織をイメージして書かれているという印象を受けるかもしれませんが、守島教授が伝えたいことは中小企業にも当てはまります。むしろ中小企業の方が「全員戦力化」を図りやすい面もあると思います。
 中小企業経営者が記事の最後に記載されていたこと(以下に抜粋します)を、ほんとうに理解し、自社で実践することが大切だと思いました。

 最後に、企業の皆さん、とりわけ経営層をはじめとしたマネジメントの方々にお伝えしたい
 のは「働く人たちを自律した存在として認めてほしい」ということです。全員戦力化にせよ
 キャリア自律にせよ、従業員一人ひとりの主体性を認め、信頼して一定の裁量や権限を  
 与えることから始まります。

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岡本 雅行

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中小企業の労務管理と人手不足解消をサポートする三軒茶屋の社会保険労務士