社員が辞める本当の理由は何か
社員の定着率を高めるためのヒント

紹介している記事に表れている事象の多くは「 組織設計の問題」であることが多いです。
当事務所では、
・意思決定の整理
・管理職の役割設計
・業務の標準化
・AIによる再現化 
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残業削減・有給取得率向上で人材が集まる企業に 

宮崎・えびの電子工業の働き方改革事例

 

休ませることが、なぜ生産性と採用力を高めるのか

 

  宮崎県のえびの電子工業は、二代目社長のもとで積極的な働き方改革に取り組んでいる。同社は残業時間の削減と有給休暇取得率の向上に取り組み、しっかりと休むことで生産性を高める方針を掲げている。こうした取り組みが評価され、各種表彰を通じて企業としての知名度が向上し、人材が集まりやすくなる好循環が生まれているという。

出典:日経ビジネス(2026年7月14日、中沢康彦)


 中小企業では「残業削減や有給取得推進は生産性を下げる」という不安から着手をためらう経営者が少なくありません。しかし本事例が示すとおり、休養を確保する組織ほど社員の集中力や定着意欲が高まり、結果として生産性・採用力の両方に好影響を与えるケースは珍しくありません。特に地方の中小企業にとって「働きやすい会社」という評判は、限られた採用市場で人材を惹きつける数少ない差別化要素になります。表彰や外部評価を積極的に活用し、社外への発信につなげている点も見落とせません。一方で、有給取得率や残業時間の改善目標を掲げるだけでは効果は出ません。就業規則の見直し、36協定の運用管理、年次有給休暇の計画的付与制度など、制度面の整備を伴って初めて数値は動きます。感覚的な取り組みではなく、労務管理の仕組みとして設計することが中小企業には不可欠です。

【企業の対応アクション】
・自社の残業時間と有給取得率の現状を数値で把握する
・年次有給休暇の計画的付与制度の導入を検討する
・36協定の運用実態を点検し、実労働時間との乖離がないか確認する
・働きやすさに関する取り組みを採用広報や自社サイトで発信する
・管理職向けに、休暇取得を前提とした業務配分の見直しを行う

シフト制勤務者の有給休暇、算定方法に新ルール 厚労省が留意事項を改正

 
 「うちの社員の所定労働日数は何日ですか」
に即答できない経営者ほど、年休トラブルの火種を抱えています。

 

  厚生労働省は、シフト制で働く労働者の雇用管理に関する「留意事項」を改正しました。年次有給休暇の付与日数は本来、所定労働日数に応じて決まりますが、シフト制の職場では所定労働日数があらかじめ定められていないケースが多く、算定方法が曖昧になりがちでした。今回の改正に

より、過去の勤務実績を基に年次有給休暇の付与日数を算出する方法が認められることになりました。実際の出勤実態に即した、より柔軟な年休管理が可能になります。

出典:労働新聞社


 シフト制を採用する飲食・小売・サービス業では、そもそも「自社の社員の所定労働日数は何日か」に即答できない経営者が少なくありません。この曖昧さこそが、年休トラブルの温床になりやすい点です。算定基準が不明確なまま年休を付与していると、退職時の未消化年休精算や、労基署の調査で指摘を受けた際に、根拠を説明できないリスクがあります。今回の改正は、シフト制の実態に即した算定方法を国が正式に認めたという点で、経営者にとっては「実績ベースの管理でよい」という後ろ盾を得られる機会といえます。ただし、実績を基に算定するには、日々の勤務実績を正確に記録・集計する仕組みが前提になります。勤怠管理があいまいなままでは、この新しいルールを活用することはできません。

  【企業の対応アクション】

 ・自社のシフト制社員について、所定労働日数が就業規則・雇用契約書に明記されているか
 確認する
・勤怠記録(シフト表・実績データ)を年休算定に使える形で保存集計できているか点検する
・年休付与日数の算定ルール(所定労働日数方式か実績方式か)を就業規則に明文化する
・退職時の年休精算トラブルを防ぐため、算定根拠を書面で残す運用に見直す
・パート・アルバイトを含む全シフト制社員に、新しい算定方法の内容を周知する

子の不登校、部下から言い出せない企業の「知らないリスク」

 
 相談できない社員の4人に1人が離職を選ぶ現実、御社は気づいていますか

 

  サイボウズ ソーシャルデザインラボは2026年6月、働く親1,000人と人事担当者500人を対象に、子どもの不登校・行き渋りが就労に与える影響を調査しました。調査によると、子の不登校に直面した親のうち33%が「どこにも相談できなかった」と回答しました。相談先の内訳は職場の上司が18.4%、人事・労務部門はわずか10.2%にとどまっています。一方、人事担当者の53.4%は「従業員の不登校対応の実態を把握していない」と回答しました。親が最も求めている対応は「使える制度の積極的な周知」で53.6%に上りましたが、実際に積極的に周知していると答えた企業は19.4%のみでした。さらに、不登校対応をきっかけに離職・転職・時短勤務などの行動を取った親は4人に1人(24.8%)に達していますが、人事担当者の43.8%はこれを離職リスクとして十分に認識していないことが分かりました。相談をためらう理由としては「相談しても変わらない」(29.6%)、「言い出せない雰囲気」(22%)が上位に挙がっています。

出典:HRプロ

の調査が示す最大の問題は、企業側の「相談しやすい職場だと思っている」という自己評価(45.8%)と、実際に社員が相談できていない実態との乖離です。中小企業では育児・介護休業法の改正内容は把握していても、「不登校」という個別の家庭事情まで制度の適用場面として想定していないケースが少なくありません。しかし実際には、始業時刻の調整やテレワーク、時間単位の休暇制度など、既存の両立支援制度がそのまま使える場面は多くあります。経営者が見落としやすいのは、社員が声を上げない限り経営側からは事情が全く見えないという点です。優秀な中堅社員が突然の退職を申し出た背景に、実は数か月前からの家庭の事情があった、というケースは珍しくありません。制度を整備するだけでなく、上司から部下へ「使っていいんですよ」と一言伝える運用面の工夫が、定着率を左右する分かれ目になります。

    【企業の対応アクション】
   ・育児・介護休業法上の両立支援制度(時差出勤、時間単位休暇、テレワーク等)を、
  不登校・行き渋りにも使える制度として管理職向けに再周知する
 ・管理職研修で「相談を受けた際の初期対応」を具体的に示し、個人の判断に委ねない
  仕組みを作る
 ・年1回の面談等で家庭状況を尋ねる項目を設け、相談のきっかけを企業側から作る
 ・相談窓口を人事だけでなく外部相談窓口(EAP等)にも広げ、言い出しやすい経路を複数
  用意する
 ・管理職の実態把握度を定期的に確認し、現場と経営陣の認識ギャップを可視化する

「50人未満だから対象外」はもう通用しない ストレスチェック完全義務化へ

 
 2028年、すべての中小企業がストレスチェックの実施義務を負います

 

  厚生労働省は、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について、実施義務の対象範囲を見直す方針を示しています。これまで従業員50人以上の事業場には実施が義務付けられていましたが、50人未満の事業場は努力義務にとどまっていました。2028年4月からは、50人未満の小規模事業場についても実施が完全に義務化されます。対象となる事業場は、制度導入の方針決定や実施体制の整備、社内ルールの作成、実務担当者の選任などの準備を行った上で、最初のストレスチェックを2029年3月31日までに完了させる必要があります。実施後は、高ストレスと判定された労働者への医師による面接指導や、その意見に基づく業務調整、集団分析結果を踏まえた職場環境の改善など、検査後の対応まで求められます。外部機関への委託は可能ですが、実施主体としての責任は事業者にあるとされています。

  出典:データ・マックス

 今回の見直しにより、これまで努力義務にとどまっていた50人未満の事業場も、実施義務の対象になります。日本の中小企業の多くはこの規模に該当するため、影響を受ける企業は非常に多いと考えられます。経営者が見落としやすいのは、ストレスチェックを実施すれば足りると考えてしまう点です。実際には、高ストレスと判定された従業員への面接指導や、その後の業務調整、職場環境の改善までが一連の義務として求められています。準備が整わないまま義務化の時期を迎えると、担当者が決まっていない、対応フローがないといった混乱が現場で起きやすくなります。従業員側も、突然始まった制度に不安を感じることがあります。実務としては、早い段階から外部の産業保健スタッフや実施機関との連携を検討し、社内の実施体制とルールを整えておくことが望ましいといえます。単なる法令対応にとどめず、メンタル不調による休職や離職を防ぎ、社員の定着率を高める機会として活用する視点が重要です。

    【企業の対応アクション】
   ・自社の従業員数を確認し、2028年4月の義務化対象になるか把握する
  ・ストレスチェックの実施体制(担当者・実施機関・スケジュール)を検討する
  ・外部の産業医やEAPサービスなど委託先候補の情報収集を始める
・高ストレス者への面接指導・業務調整の社内フローを事前に整備する
  ・就業規則や関連規程にストレスチェック関連の項目が必要か確認する

  ・2029年3月31日までの初回実施完了に向けて準備スケジュールを立てる

正社員の手当廃止「減額1%未満」は適法か 
済生会事件に学ぶ制度変更の落とし穴

 
その手当廃止、社員は「改悪」と受け止めていませんか

 

  社会福祉法人恩賜財団済生会(山口県済生会総合病院)は、パート有期法の改正を契機に、正規職員のみに支給していた扶養手当・住宅手当を廃止し、正規・非正規共通で支給する子ども手当等を新設しました。これに対し正職員9名が、手当廃止は不利益変更にあたり無効であるとして、差額賃金の支払い等を求めて提訴しました。一審の山口地方裁判所(令和5年5月24日判決)は請求を棄却し、控訴審の広島高等裁判所(令和5年12月22日判決)も一審の判断を維持しました。手当廃止にあたり過半数代表者の同意は得られていましたが、労働組合の同意はありませんでした。また、廃止による減額幅は年収ベースで1%未満にとどまっていました。

   出典:労働新聞社

 本判決は、正社員の手当を廃止して非正規と共通の手当に再配分するという、同一労働同一賃金対応として注目される内容ですが、適法と判断された最大の要因は減額幅が年収の1%未満と極めて小さかった点にあります。減額幅が大きければ結論が逆転する可能性は十分にあり、本判決を「正社員の手当を削って非正規に回せば適法」という一般論として受け止めるのは危険です。実際の合理性判断は、減額幅の小ささに加え、代替となる新手当の設計、労使交渉の経緯、手当の性質・趣旨などを総合的に考慮して行われます。特に見落とされがちなのが手続き面です。済生会は全国規模の法人であり、職員代表との協議や代替措置の設計など、丁寧な手続きを踏んだと推察されます。労使協議の体制が薄い中小企業が同様の手法を安易に導入すると、手続きの不備を理由に「合理性なし」と判断されるリスクが高まります。また、法的に適法であることと、正社員が納得することは別問題です。減額幅が小さくても、正社員側には「既得権を奪われた」という心理的反発が生じやすく、納得感を欠いた変更は基幹人材である正社員の士気低下や離職につながりかねません。なお、同一労働同一賃金の改正ガイドラインは本年4月28日に公布済みで、本年10月1日に施行されます。改正後は、労使交渉の経緯や説明義務の履行状況、労働者の意向を考慮したかが「その他の事情」として重視され、一方的な決定は不合理性を基礎づける要素になり得るとされています。本判決自体に新ガイドラインが直接適用されたわけではありませんが、施行後は同種の制度変更において、より丁寧な説明と協議のプロセスが求められる方向にあると考えられます。

    【企業の対応アクション】
  ・手当を新設・廃止する前に、対象手当ごとの減額幅を年収比で試算し、影響を数値で把握
  する
   ・正社員の手当を廃止する場合は、代替となる新手当や移行措置とセットで設計する
   ・労働組合がない場合も、過半数代表者だけでなく対象者全員への説明会を実施し、個別の
  質問に丁寧に対応する
   ・減額幅・変更理由・代替措置の内容を書面で明示し、パート有期法14条の説明義務を履行
  する

無期転換社員の待遇格差、高裁が初めて「違法」と認定

 
「無期転換したから大丈夫」は危険な思い込みです。
待遇格差が放置された職場から、社員は静かに去っていきます。

 

 2025年9月、仙台高裁は場外馬券売り場で約20年勤務する無期契約社員の女性が起こした訴訟で、正社員との一部の待遇差を「違法」と認定しました。現行の「パートタイム・有期雇用労働法」は有期雇用社員と正社員の不合理な待遇差を禁じていますが、無期転換後の社員と正社員の格差を直接禁じる規定は存在しません。高裁はこの「法 3条2項(均衡考慮の原則)を根拠に、無期転換者への不合理な待遇差も違法になりうると判断しました。違法と認定された期間は2020年4月( 中小企業適用開始)以降です。賠償額は一審の約586万円から約193万円に減額されましたが、法律に明記されていない領域で違法性が認められた高裁レベルの先例として注目されます。
出典:Yahoo!ニュース

 今回の判決が中小企業に示すのは、「無期転換=処遇問題の解決」という思い込みの危うさです。多くの企業では、無期転換後も賃金テーブルや手当の設計を変えないまま運用しているケースが転換前の延長線上で処遇が据え置かれ だけでなく、社員の離職を招く構造的な問題 がら待遇に差がある職場では、社員の不満は表面化しにくい形で蓄積されます。「どうせ報われない」という感覚が生まれれば、社員は声を上げずに静かに去っていきます。
「正社員と無期転換社員の業務内容に、どんな違いがあるか」「その違いを待遇差の根拠として説明できるか」——この問いに答えられない企業は、処遇設計の点検が急務です。

【企業の対応アクション】
・無期転換社員の業務内容・責任・異動範囲を書面で整理し、正社員との違いを明確にする
・基本給・賞与・各種手当の差に「合理的な理由」を説明できるか、就業規則・賃金規程を確       
 認する
・「有期雇用の延長線上」の賃金テーブルのままになっていないか、現行の処遇設計を見直す 
・社員が不満を表明しやすい仕組み( 離職前のサインを拾う)

厚労省が10社の事例を公表

多様な働き方の導入が採用力と定着率を同時に改善する

 
「選んでもらえる会社」になるために 
働き方の柔軟化は今すぐ着手すべき経営課題です

 

 厚生労働省は、職務内容・勤務地・労働時間など多様な働き方を実践する企業10社の事例を公表しました。情報通信業のペンシル(福岡県)では、働き方改革推進企業の認定を受けたことでメディア露出が増加し、採用活動における優位性が生まれたことが紹介されています。今回の事例には、テレワークの活用、短時間勤務制度、職種・勤務地を限定した雇用区分の設定など、社員に多様な選択肢を提供することで働きやすい職場環境を整備した取り組みが含まれています。いずれも中小企業が参考にできる実践的な内容です。

  出典:ツギノジダイ(朝日新聞社)

 

 この事例公表が示すのは、「働き方の柔軟化」がもはや大企業だけの取り組みではなく、中小企業においても採用・定着の両面に直結する経営戦略であるという点です。
  特に注目すべきは、制度を整備するだけでなく「働き方改革推進企業」として認定を受けることで外部への発信力を得た事例です。中小企業は採用においてブランド力で大企業に劣ることが多いですが、こうした認定制度の活用はその弱点を補う現実的な手段になります。
 経営者が見落としやすいのは、「制度の整備」と「運用の定着」は別物という点です。短時間勤務やテレワーク制度を就業規則に盛り込んでも、現場の管理職が「申請しにくい雰囲気」を作っていれば制度は機能しません。制度と職場文化の両輪が揃って初めて、採用・定着への効果が出ます。
 まず自社の働き方の実態を棚卸しし、どの制度が社員のニーズに合うかを確認することが現実的な第一歩です。

【企業の対応アクション】
・就業規則にテレワーク・短時間勤務・フレックスタイム制度が整備されているか確認する
  ・社員アンケート等で「どんな働き方ができれば続けたいか」をヒアリングする
 ・管理職向けに「柔軟な働き方を妨げない」マネジメントの社内共有を行う

26年卒新入社員の勤続意欲65.4%が過去最高に、

その裏にある定着の分かれ道

 
「今すぐ辞めたい」世代ではない。
新人の定着意欲は上がっている今こそ、受け皿づくりが問われています。

 

 ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が2026年3月24日から5月6日にかけて実施した調査の結果が公表されました。
  2026年度卒の新入社員3,849人を対象に勤続意欲を尋ねたところ、

  「今の会社で働き続けたい」と回答した割合は65.4%にのぼりました。この数値は、同調査が継続されてきた12年間の中で最も高い水準です。終身雇用や年功序列が前提でなくなった環境の中で、Z世代を中心とする新入社員のキャリア観が変化していることが調査の背景として指摘されています。

  出典:Manegy

 「今の若手はすぐ辞める」という前提で対策を考えている経営者は少なくありませんが、この調査結果はその前提を見直す材料になります。新入社員側の定着意欲はむしろ高まっているという事実です。つまり離職は「本人の意志の弱さ」ではなく、入社後に会社側が用意した環境とのズレで起きている可能性が高いのです。中小企業が見落としやすいのは、意欲の高い新人ほど「成長実感が持てない」「相談先がない」状態に敏感だという点です。
 意欲があるからこそ、放置されると失望が早く訪れます。現場では、配属直後の1on1が形だけになっていたり、育成担当が日常業務に追われて新人対応が後回しになっていたりするケースがよく見られます。実務対応としては、入社後3か月・6か月の節目で本人の意欲と現実のギャップを確認する仕組みを持つことが有効です。評価面談とは別枠で、不安や違和感を早期に拾う場を設計してください。

【企業の対応アクション】
・入社後3か月・6か月時点で意欲確認の面談を設定する
 ・配属先の育成担当に新人対応の時間を業務として明確に割り当てる
  ・評価面談とは別に、不安や違和感を吸い上げる1on1の場を設ける
  ・新人の成長実感を可視化する仕組み(小さな達成の記録等)を導入する

「給与」より「働きやすさ」——離職理由の首位が初めて変わった

 

 賃上げしても辞める時代が来た。離職理由の"1位"が変わったいま、

社長が見直すべきことがある。

 

 日本の離職理由に異変が起きています。これまで「給与・待遇への不が

首位を占めてきた退職理由のランキングで、2026年の調査により働き方の改善(実質的な働きやすさ)」が33%で初めてトップに浮上しました。

 働き方改革関連法の施行から数年が経過し、残業規制や有給取得率の義務化が広がるなか、働き手の意識は「制度が整っているか」ではなく「実際に働きやすいか」へとシフトしていることが、今回の調査で浮き彫りになりました。

 「給与を上げてほしい」から「ちゃんと休ませてほしい、無理な働き方を

させないでほしい」へ—社員が会社に求めるものが変わってきています。

 

  出典:Yahoo!ニュース(2026615日)

 

 「給与を上げれば辞めない」という前提が、いま崩れつつあります。中小企業では賃上げへの対応を優先してきた経営者も多いと思いますが、今回のデータは「賃金だけでは社員は定着しない」ことを示す重要なサインです。特に見落とされやすいのは、「うちは残業が少ないから大丈夫」という思い込みです。制度として残業を減らしていても、現場では「仕事量は変わらないのに人が減った」「休みづらい雰囲気がある」「上司が昔の感覚で仕事を振ってくる」という状況が続いていないでしょうか。
 働きやすさとは、数字(残業時間・有給取得率)ではなく、社員が日々「ここで働き続けたい」と感じられる職場の空気感のことです。経営者がその空気に気づけるかどうかが、定着率を大きく左右します。制度を整えることと、実際に社員が「働きやすい」と感じることの間にはギャップが生まれやすく、そのギャップを埋める仕組み——たとえば定期的な1on1や、現場の声を経営に届けるルートの整備——が、中小企業にこそ求められています。

【企業の対応アクション】
・社員に「今の職場で働きにくいと感じる場面はあるか」を個別に聞く機会を設ける
・有給取得率・残業時間だけでなく、「実感としての働きやすさ」を把握する簡単なアンケー
 トを実施する
・月1回・15分でよいので、上司と部下が1対1で話せる場(1on1)を仕組みとして導入する
・「休みづらい雰囲気」「言いにくいことが言えない空気」が職場にないか、管理職に確認する
・退職者が出た際は、退職理由を「給与」だけでなく「働き方・職場環境」の観点で丁寧に聞 
 き取る    

「納得できないなら辞めろ」——その言葉が、会社を静かに壊している

 

 善意の経営者ほど気づかない、"支配の言葉"の落とし穴

 

  「嫌なら辞めてもいい」「納得できないなら辞めろ」——こうした言葉を口にする経営者の多くは、悪意から言っているわけではない。むしろ「本気で 信念を持って働いてほしい」という熱意から出た言葉であることが多い。しかし日本の人事部のコラムでは、この"善意の言葉"が従業員に与える影響を鋭く指摘している。経営者が「選択の自由を示している」つもりの言葉 が、受け取る側には「辞めろと言われた」という圧力として届く。この乖離こそが、静かな離職を生む温床となる。
 コ
ラムでは、善意が「支配」に転じる瞬間のメカニズムを「背景読解力の欠如」という概念で説明する。社員の行動や態度の"背景"を読めない経営者は、表面上の反応だけを見て「やる気がない」「覚悟がない」と判断し、結果的に圧力の言葉を重ねてしまう。

 

  出典:日本の人事部

  中小企業では、経営者の発言が組織文化に直結します。大企業のように人事部や管理職がクッション役を担うことが少ない分、経営者の一言の重さが従業員に直接、そして強く伝わります。「嫌なら辞めてもいい」という言葉の問題は、法律的な問題ではなく、心理的安全性の破壊にあります。この言葉を聞いた従業員は「ここでは意見を言うべきではない」と学習します。その結果、問題や不満を口にせず、ある日突然退職届を出す「サイレント離職」が起きやすくなります。経営者は「自分は脅しているつもりはない」と感じるかもしれません。しかし、権力を持つ側の言葉は、意図に関わらず強制力を帯びます。受け取り手の感じ方が、現実の組織に影響を与えます。
 背景読解力とは、社員が「なぜそういう態度を取っているのか」を想像する力のことです。やる気がないように見える社員が、実は業務の指示が不明瞭で困っているだけかもしれません。この視点が欠けると、問題の原因を「社員の意識の低さ」に帰属させ続け、離職の連鎖が止まりません。    

「採用できない」は成長の証でもある。東京都調査が示す

  人手不足の実態と、中小企業が取るべき次の一手

 

 従業員が増えるほど採用が難しくなります。この事実をデータで確認し、対策の優先順位を見直してください。

 

 東京都は令和8年6月、「東京の中小企業の現状―サービス産業編―」を公表しました。この調査によると、サービス業全体で「人員が不足」または「やや不足」と回答した企業の割合は35.3%でした。特筆すべきは企業規模による差の大きさです。従業員3〜5人規模では32.6%にとどまりますが、6〜9人規模で50.6%、10〜29人規模で65.4%、そして30人以上規模では73.8%と、規模が大きくなるにつれて人手不足感が段階的に高まっています。業種別では建物サービス業が57.5%で最も高い水準でした。成長に伴い採用の難しさが増すという、多くの経営者が肌で感じてきた現象が、公式データとして裏付けられた形です。

 

  出典:労働新聞(令和8年6月8日 第3548号)

 このデータが示す最も重要な点は、「人が採れないのは会社が成長しているからでもある」という事実です。小規模なうちはオーナーの人脈や紹介採用で何とかまかなえていたものが、  10人・20人と規模が大きくなった時点で突然、採用の仕組みが整っていないことに気づくケースが多くあります。経営者が見落としがちなのは、採用活動を強化する前に解決すべき問題があるということです。「求人媒体を増やせば採れる」と考える方は多いのですが、実際は「誰にどんな魅力を伝えればよいかが整理されていない」「入社後に辞める社員が多く、採用し続けなければならない状態が続いている」という構造的な問題を抱えているケースがほとんどです。
 人手不足への対応は採用活動だけでは限界があります。既存の社員が辞めない職場環境を整えることが、採用コストを最も効率よく削減する方法です。採用活動と定着支援は車の両輪です。また、即戦力となる若手の採用が難しい場合は、今年4月に基準額が引き上げられた在職老齢年金制度の改正を追い風にしたシニア再雇用や、外国人材の活用も有力な選択肢です。採用対象を広げる経営判断を、早めに検討してください。

【企業の対応アクション】
・ ・自社の人員充足状況を部署・業務ごとに数値で把握する
  ・求人票・採用媒体・選考フローを直近1年で見直す
  ・直近1年の離職率を確認し、退職者の離職原因を整理する
  ・シニア再雇用・外国人雇用の活用可否を経営判断として検討する
  ・繁閑対応として派遣・業務委託・勤務シフトの活用を見直す

ハラスメントはなくならないのか?

被害者の4人に1人が相談できず、3人に1人が泣き寝入り

 

 全労連の調査では、直近3年間で職場のハラスメントを受けた人が21.8%にのぼり、満足のいく解決に至ったケースは13.9%にとどまりました。ハラスメント対策の有無だけでなく、「相談しやすさ」や「解決でき

る職場風土」が従業員の定着を左右する時代になっています。

 

【記事の要約】
 
全国労働組合総連合(全労連)が実施した職場のハラスメント実態調査によると、直近3年間でハラスメントを受けた人は21.8%、見聞きした人まで含めると6割を超えました。最も多かったのはパワーハラスメン

トで、全体の85.2%を占めています。また、ハラスメントについて「相談せず我慢した」と回答した人が24.9%に達し、満足のいく解決がなされたケースは13.9%にとどまりました。さらに、解決方法として最も多

かったのは「被害者が泣き寝入りした」で37.3%となっており、職場の相談体制や解決機能の弱さが浮き彫りとなっています。被害者が求める対策としては「相談しやすい相談窓口の設置」「就業規則への禁止規定

と罰則の明記」「ハラスメントの法的禁止」が上位に挙げられました。

全労連の調査結果の紹介記事です

 中小企業経営者の中には、「うちの会社にはハラスントはない」と考えている方も少なくありません。しかし実際には、ハラスメントが発生しているかどうかよりも、「相談できるか」「会社が本気で対応してくれるか」の方が従業員にとっては重要です。
 今回の調査で注目すべきは、被害者の4人に1人が相談できずに我慢していること、そして解決したと感じている人が1割程度しかいないことです。つまり、制度や相談窓口が存在していても、従業員から信頼されていなければ機能していないのと同じだということです。
 特に人材不足が深刻な中小企業では、ハラスメントが原因で退職した社員の穴埋めは容易ではありません。採用コストや教育コストを考えると、ハラスメント防止はコンプライアンス対策ではなく「定着率向上策」として取り組むべき経営課題になっています。
  管理職への教育、相談窓口の周知、迅速な初動対応を徹底し、「困ったら相談できる会社」であることを社員に伝え続けることが、結果として離職防止につながります。

【企業の対応アクション】
・就業規則にハラスメント禁止規定と懲戒規定が整備されているか確認する
・相談窓口の担当者と相談方法を全社員へ再周知する
・管理職向けハラスメント研修を年1回以上実施する
・相談があった際の調査手順と対応フローを明文化する
・労働安全衛生委員会等でハラスメント事案を定期的に検討する
・退職者面談でハラスメントの有無を確認する仕組みを導入する
・「相談したことで不利益な取扱いをしない」ことを明確に宣言する

 

27卒学生の8割が初任給を重視 
採用競争は「給与」と「働き方」の時代へ

 

 2027年卒学生の約8割が企業選択で初任給を重視しています。一方で、長時間労働の是正や有給休暇取得など働き方への関心も高く、給与だけでは

採用競争に勝てない時代になっています。

 

【ニュースの要約】
 
HR総研と就活会議が実施した2027年卒学生向け調査によると、企業選択において初任給額を重視する学生は文系85%、理系79%に達しました。新卒採用市場では初任給競争が激化しており、学生の関心も高まっています。

 

 希望する初任給額は大学群によって差が見られましたが、上位大学層では30万円以上を希望する学生も多く、半数が30万円以上を希望する大学群もありました。

 

 一方で、働き方に関する関心も高く、「長時間労働の是正」「有給休暇の取得促進」「フレックスタイム制度」が文理共通で上位を占めました。給

与だけではなく、働きやすさや時間の使い方を重視する傾向が鮮明になっています。

 

 また、就職活動の開始時期はさらに早期化しており、学部3年生5月以前に活動を開始した学生は文系56%、理系60%に達しました。

 

 さらに、インターンシップ選考で不合格となった企業については、文系58%、理系71%が本選考へ応募しなかった経験があると回答しています。イ

ンターンシップ段階での不合格が、その後の応募意欲低下につながる実態も明らかになりました。

 

HR Proの記事です

 中小企業の採用現場では「初任給を上げなければ学生が集まらない」と考えがちですが、今回の調査から見える本質は少し異なります。確かに初任給は重要です。しかし学生が同時に重視しているのは「長時間労働がないこと」「休暇が取りやすいこと」「柔軟な働き方ができること」です。給与だけを上げても、職場環境が伴わなければ採用競争力は高まりません。
 特に中小企業では大企業との給与競争は限界があります。そのため、働きやすさや成長機会、社内の人間関係など、大企業には真似しにくい魅力を明確に打ち出すことが重要になります。
 また、就活の早期化が進んでいるため、採用活動を3月以降に本格化する従来型のスケジュールでは母集団形成が難しくなっています。インターンシップや会社説明会などを通じて、早い段階から学生との接点を持つことが必要です。
 さらに、インターンシップ選考で不合格となった学生の多くが本選考に応募しなくなる実態も見逃せません。選考型インターンシップだけではなく、幅広い学生と接点を持てる会社説明会やオープンカンパニーの活用も重要になるでしょう。
 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】

・初任給だけでなく働き方の魅力を求人票へ明記する

・残業時間や有給取得率を見える化する

・若手社員の成長事例を採用広報で発信する

・インターンシップ以外の接点も用意する

・採用活動開始時期を前倒しで検討する

・内定前後のフォロー体制を整備する

 

“働きやすい会社”なのに満たされない

「ワークライフバランス疲れ」が始まった

 

 dodaの調査では、働き方改革の浸透を実感する人が5割を超える一方、自由時間が増えたと感じる人は約2割に留まった。

また、時間が増えても幸福度が上がらない人が3割超存在し、「疲れて何もできない」という新たな問題が浮き彫りとなっている。

 

【ニュースの要約】
 dodaは全国の20代〜60代の就業者1,962名を対象に、「はたらき方と生活充実度」に関する調査を実施した。調査では、ワークライフバランスが社会全体で重視されていると感じる人は51.7%となり、働き方改革の浸透を実感する人は半数を超えた一方で、「自由時間が増えた」と感じる人は22.2%に留まった。

 さらに、自由時間が増えた人のうち35.0%は「幸福度に変化がない、または下がった」と回答しており、「時間が増えれば満足度も高まる」という従来の前提が崩れ始めている実態が示された。

 また、約6割が「趣味・学び・好きなことに使う時間を増やしたい」と考えている一方、実際に日々の充実度を高めるために行っていることは、「十分な睡眠・休息をとる」が最多となった。「何もしないでぼんやり過ごす」も上位に入っており、多くの人が“やりたいこと”に向かう余力そのものを失っている状況がうかがえる。

 理想的な働き方を阻害する要因としては、「経済的余裕がない」「体力・気力がなく疲れている」が上位となったほか、「翌日の仕事や家事を気にして休日の楽しみをセーブする」が55.2%に達しており、休日であっても心理的に仕事から解放されていない人が半数を超えている。

 こうした結果を受け、dodaは従来の「ワークライフバランス」をさらに進化させ、「やるべきこと」と「やりたいこと」の調和を重視する新概念「ワーク〈ライク〉バランス」を提唱している。

 

dodaの記事です

 今回の調査で重要なのは、「働きやすくなったのに、満たされていない人が増えている」という点です。これまでの働き方改革は、残業削減・休日確保・有休取得・リモート化など、“時間を増やす”方向で進められてきました。しかし現在は「時間ができても疲れて動けない」「休んでも回復しない」「何をしたいのか分からない」という状態が増え始めています。
 つまり問題は、“労働時間”だけではなく「仕事の納得感」「成長実感」「意味実感」に移ってきています。特に中小企業では、・性的な人手不足・管理職不足・役割過多・曖昧な評価によって、社員が常に“気を張り続ける状態”になりやすく、結果として「休んでも疲れが抜けない組織」が生まれています。
 今後の定着対策は、「休ませる」だけでは不十分です。社員が・、にやりがいを感じるのか・どんな成長を望むのか・何を大切に働きたいのかまで含めて設計できる会社ほど、定着率は高まっていきます。

 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】

 

・「残業削減」だけでなく“仕事の意味”を対話する

・管理職に「承認・成長支援」の役割を持たせる

・業務過多社員を放置せず、負荷状況を可視化する

・休日でも仕事不安が残る業務設計を見直す

・社員が「やりたいこと」を話せる1on1を実施する

・“疲弊している優秀社員”を見逃さない

 

家事・育児の“見えない労働”が女性のキャリアを止める

「両立支援」だけでは定着しない時代へ

 

 第一生命経済研究所の調査では、子どもの誕生前にキャリアプランを持っていた人でも、出産・育児後にそのプランを変更・喪失した人が男女ともに半数にのぼりました。特に女性は、配偶者との家事・育児分担への満足度が、キャリア形成意識に大きく影響している実態が明らかになっています。

 

 第一生命経済研究所は、2025年3月に実施した調査をもとに、家事・育児・キャリア形成の関係性について分析しました。

 記事では、家庭内で行われる家事・育児を、「見えない労働(シャドウワーク)」

として位置づけています。調査では、

 ・子ども誕生前にキャリアプランを持っていた人でも

 ・誕生後にキャリアプランを変更・喪失した人が男女ともに半数

にのぼりました。また、
 ・家事・育児分担に満足している女性ほど

 ・5年後のキャリアプランを描けている割合が高い
という結果も示されています。

特に女性は、

 ・配偶者との家事分担満足度

 ・育児分担満足度

によって、キャリア形成意識に大きな差が生じていました。

一方で、男性側には「どちらともいえない」「分担感覚が曖昧」という回答が多く、

夫婦間で認識ギャップが存在する実態も見えています。

記事では、

 ・男性育休

 ・家事育児スキル習得

 ・家事代行等の外部化

なども提言されています。

【調査の要約】

・出産・育児でキャリアプランを失う人が男女ともに半数
・女性は家事・育児分担満足度とキャリア意識が強く連動
・「分担の平等」より「納得感」が重要
・男性側は分担状況を曖昧に認識している傾向
・家事育児は“見えない労働”として女性へ偏りやすい
・男性育休取得だけでは解決しない
・家事育児スキル不足が女性負担増につながるケースもある
・職場側の性別役割意識も課題

TBS CROSSSIMGの記事です

 このテーマは、単なる「育児支援」の話ではありません。本質は“キャリア形成支援”です。
中小企業でも、女性社員が育たない・管理職候補が辞める・出産後にキャリア意欲が低下するという悩みは非常に増えています。しかし実際には、会社制度だけで解決できない問題も多くあります。
 
特に今回の記事で重要なのは「家庭内負担」が、キャリア形成へ直接影響している点です。つまり企業側が、制度を整備しても・育休制度を作っても・短時間勤務を導入しても、家庭内で負担が偏ったままだと、キャリア継続は難しくなるということです。また、企業側にも無意識の固定観念があります。例えば・女性時短は自然・男性時短は珍しい・男性はフルタイム前提という空気は、まだ根強く残っています。これが、男性の家庭参加を阻害し、結果的に女性側へ負担集中を生んでいます。
 
今後は、「女性支援」だけでは不十分です。 
 ・男性育休
 ・男性時短
 ・家庭責任共有
まで含めた組織設計が必要になります。特に人手不足時代は“辞めさせない組織”が重要です。そのためには、「制度」だけではなく、“家庭と仕事を両立しながらキャリア形成できる空気”を作れるかが重要になります。

 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】

・男性育休取得時の業務設計を見直す

・男性の時短勤務を否定しない

・管理職へ固定観念研修を行う

・「女性支援」だけで終わらせない

・育児社員のキャリア面談を実施する

・家事育児負担による離職兆候を把握する

・短時間勤務者の評価制度を見直す

 

・育休復帰後のキャリア形成支援を行う

若手は「飲み会が嫌」なのではない

“孤立したくない”が本音だった

 

 東京商工会議所が実施した2026年度新入社員調査では、多くの新入社員が「業務外コミュニケーション」を求めている実態が明らかになりました。

特に、87.1%が何らかの社外コミュニケーションを希望しており、「同僚とのランチ」「オフィシャルな懇親会」「同僚との飲み会」が上位を占めています。

また、企業側でも約8割が内定後に交流イベントや研修を実施しており、採用後の関係構築を重視している傾向が見られました。

一方で、若手人材は単なる親睦ではなく、「安心して関われる環境」や「心理的な接続」を求めている可能性が示唆されています。

【調査
の要約】

・87.1%が業務外コミュニケーションを求めている
・「同僚とのランチ」が最多
・企業の約8割が入社前イベントを実施
・交流施策がオンボーディングの重要要素に
・若手は孤立回避を重視している傾向

東京商工会議所の記事です

 この調査は非常に重要です。なぜなら、「若手は飲み会を嫌がる」という固定観念を崩しているからです。結果を見ると、ランチ、懇親会、飲み会を望む声が非常に多い。つまり若手は
人間関係を拒絶しているわけではないのです。
 若手が避けたいのは強制感、気遣いだけの場、上下関係だけの飲み会です。逆に、・心できる、自然に相談できる、孤立しない、こうした場は求めています。
 企業は、採用、研修に注力します。しかし実際に定着を左右するのは、「この会社でやっていけそうか」という感覚です。つまり重要なのは、能力教育より“接続設計”です。
 若手離職の多くは、仕事が難しいではなく、聞けない、馴染めない、孤立するから始まります。この状態になると、小さな失敗が「自分は向いていない」に変換されます。


「コミュニケーションは福利厚生ではない!」ここを誤解している企業が多いです。懇親会やランチは単なる福利厚生ではありません。本質は、相談導線、信頼形成、情報共有です。つまり組織運営インフラです。
 最近の若手は、全体飲み会、大人数イベントよりも、少人数、日常接点を好む傾向があります。つまり「イベント」ではなく、「日常の空気設計」が重要です。 

 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
・入社後90日間の接続設計を作る

・少人数ランチ制度の導入
・相談しやすい先輩導線を整備
・管理職に“雑談設計”を求める
・形式的懇親会を減らし日常接点を増やす
・オンボーディングを業務教育だけで終わらせない

新卒給与だけ上げる会社が、中堅社員を失う

採用強化の裏で進む「納得感の崩壊」

 

 Job総研では302人の社会人男女を対象に、勤務先での新卒給与の引き上げ有無やそれに対する印象・転職意欲への影響、また、新卒の給与が既存社員よりも高くても納得できる条件、新卒の給与引き上げに対する必要性や賛否などを調査した「2026年 新卒の給与に関する意識調査」を実施しました。
 
本調査では、新卒採用競争を背景に初任給引き上げが進む一方で、既存社員との給与逆転が社員の不満や転職意欲につながっている実態が明らかになりました。

 新卒の給与引き上げそのものについては、約8割が「必要」と考えており、人材確保や物価高への対応として一定の理解が示されています。しかし、新卒の方が既存社員より高給になる場合には、約9割が不公平を感じると回答しており、必要性と納得感の間に大きなギャップがあります。

 特に、給与逆転は既存社員のやる気や転職意欲に大きく影響しており、8割以上がやる気に影響すると回答し、7割以上が転職を検討するとしています。不公平感の理由としては、経験年数や貢献度の違い、自分たちの給与が上がらないことが挙げられており、既存社員の処遇や評価への納得感が重要な論点となっています。

【ニュースの要約】

・新卒給与引き上げは半数の職場で実施
・新卒給与引き上げ自体には約8割が必要と回答
・一方で給与逆転には約9割が不公平感
・8割以上がやる気に影響すると回答
・7割以上が転職を検討する可能性
・納得条件の最多は「既存社員の給与も上がること」
・中堅層ほど慎重な見方が強い

Job総研の記事です

 このテーマは、新卒採用の問題ではなく、既存社員の納得感をどう守るかという人事制度の問題です。採用競争が激しくなる中で、新卒給与を上げる判断自体は避けられない企業も多いです。しかし、新卒だけを引き上げると、既存社員からは「自分たちは大事にされていない」と受け止められやすくなります。採用強化のための施策が、定着率低下の原因になる可能性があります。
 
社員が強く不満を感じるのは、単に新卒の給与が高いからではありません。
 ・
経験年数が違う。
 ・
責任が違う。
 ・
教育する側の負担がある。
 ・
会社への貢献度が違う。
こうした実感があるにもかかわらず、処遇差の理由が説明されないことが問題です。賃金制度には、金額だけでなく「説明可能性」が必要です。
 
今回の調査で重要なのは、中堅層ほど慎重な見方をしている点です。中堅社員は、実務の中心であり、新卒を育てる側でもあります。この層の納得感が崩れると、育成力も現場運営力も低下します。結果として、採用できても育たない組織になります。
 
初任給引き上げを行う場合は、既存社員の賃金テーブル、評価制度、昇給ルールと一体で見直す必要があります。場当たり的に初任給だけを上げると、賃金制度全体の整合性が崩れます。重要なのは、誰に、なぜ、どのような基準で賃金を支払うのかを明確にすることです。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】

・初任給引き上げ前に既存社員との賃金バランスを確認する。

・中堅社員の給与水準と役割に見合った処遇を再点検する。

・賃金テーブルや昇給ルールを見直す。

・新卒給与引き上げの理由を既存社員にも説明する。

・教育担当者や中堅層の貢献を評価に反映する。

・採用施策と定着施策を分けずに一体で設計する。

若手が辞める本当の理由は「条件」ではない

“働く意味”が設計されていない会社から人は離れる

 

 本記事では、新卒3年以内の離職率が3割を超える現状を踏まえ、若年層の定着には従来の「給与や労働条件」だけでは不十分であり、「仕事の意味」や「納得感」といった要素が重要であると指摘しています。

 特に若年層は、仕事を通じた社会貢献や自分の役割への納得感を重視する傾向があり、単なる待遇改善では離職防止につながらない可能性があります。また、サステナビリティや企業のパーパスも、形式的な施策ではなく、日常業務と結びついて初めて定着に寄与するとされています。 

 さらに、若手の定着には「支援されている感覚」「仕事の意味」「参加感」「上司の一貫性」など、職場環境全体の質が影響しており、企業にはこれらを踏まえた組織設計が求められています。

【ニュースの要約】

・新卒3年以内の離職率は3割超
・離職理由は給与・労働条件だけでは説明できない
・若手は「仕事の意味」「社会貢献」を重視
・サステナビリティは“施策”ではなく“体験”が重要
・定着の鍵は支援感・参加感・納得感
・離職防止は待遇ではなく組織設計の問題

TBSNEWSDIGの記事です

 このテーマは非常に重要です。「若手が辞める理由の誤認」を記しています。
 
現場でよくある誤解は「給与を上げれば辞めない」です。実際には
 ・
給与が低い → 不満の“きっかけ”
 ・
辞める決定打 → 納得感の欠如です。
つまり、条件は“理由の表面”に過ぎません。
 
今の若手は、意味があるか、成長につながるか、会社の言っていることに一貫性があるか
で判断しています。これは「頑張れるかどうか」ではなく「納得できるかどうか」です。
 
多くの企業が、パーパス、社会貢献、SDGsを掲げますが、現場とつながっていない、評価と連動していない場合、若手はすぐに違和感を持ちます。このズレが「この会社は信用できない」につながります。
 
若手が見ているのは
・会社の言っていること
・上司の行動
・評価制度 が一致しているかです。ここがズレると、不信感、諦め、離職に直結します。
 離職は個人の問題ではなく、評価制度、マネジメント、組織文化の構造問題です。ここを変えない限り、採用しても辞め続けます。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
・評価基準を言語化し、社員に明示する。
・昇給、賞与、等級との関係を整理する。
・評価結果は必ず面談でフィードバックする。
・管理職ごとの評価のばらつきを点検する。
・「何を頑張れば評価されるのか」がわかる運用に見直す。

評価基準が曖昧な会社ほど人が辞める。

納得度と意欲を壊す「人事評価のブラックボックス」の正体。
 

 Professional Studio株式会社(本社:東京都中央区、代表:市川龍太郎)は、組織における評価制度の運用状況と社員心理への影響を把握するため、正社員数10名~100名未満の企業に所属する20歳~59歳の正社員267名を対象に調査を実施しました。本調査では、中小企業において人事評価の基準や運用が十分に共有されておらず、その不透明さが社員のストレスや意欲低下に直結している実態が明らかになりました。
 
直近1年間で、給与や賞与の決定について何の説明もなかった、または金額だけ伝えられて評価の説明がなかった社員は半数を超えており、面談まで行われたケースは4分の1程度にとどまっています。また、自社の評価基準を明確に理解している社員は4人に1人程度で、多くの社員が「評価のルールが曖昧」または「存在しない」と感じています。
 
その結果、評価基準が曖昧な環境では約8割が何らかのストレスを感じており、「何を頑張れば評価されるのかわからない」「やる気が下がる」「上司の好き嫌いで決まっていると感じる」といった不満が多く見られました。さらに、評価基準を理解している層では評価への納得度が8割を超える一方、ルールがないと感じる層では2割未満に落ち込んでおり、評価制度の透明性が社員の納得感と定着意欲を大きく左右していることが示されています。

【ニュースの要約】

・人事評価について半数以上が十分な説明を受けていません。
・面談まで実施されている割合は約4分の1にとどまっています。
・評価基準を明確に理解している社員は25.3%です。
・評価基準が曖昧な環境では約8割がストレスを感じています。
・主な不満は、やる気の低下、努力の方向がわからないこと、
 評価の恣意性への疑念です。

評価基準を理解している層は納得度が高く、ルールがない層では大幅に
 低下しています。


Professional Studio株式会社の記事です

 この調査は、中小企業でよく起きている問題を非常に端的に示しています。
 社員は「低い評価」そのものより「わからない評価」に不満を持ちます。評価結果が厳しくても、基準と理由が明確であれば一定の納得は得られます。一方で、何を見られ、どう判断され、なぜその結論になったのかが見えない場合、不満は強くなります。不透明な評価は、能力不足の指摘よりも強く信頼を傷つけることがあります。
 また、
評価制度の問題は、制度の有無ではなく運用の質にあります。中小企業では、評価制度のひな形自体は存在していても、実際には、評価基準が共有されていない、面談が行われていない、管理職ごとに運用がばらついているという状態が少なくありません。この状態では、制度があっても社員には「ブラックボックス」としてしか認識されません。
 
社員が評価基準を理解していない職場では、
 ・何を優先すべきかわからない。
 ・努力の方向性が定まらない。
 ・頑張っても報われないと感じる。
という状態が起こります。その結果、意欲が下がり、育成も進まず、離職にもつながりやすくなります。

 小規模組織では、社長や上司の印象で評価が決まってしまうことがあります。しかし、組織が成長するほど、このやり方は限界を迎えます。評価制度の整備は、単なる人事施策ではなく、組織拡大に耐えるための経営基盤整備です。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
・評価基準を言語化し、社員に明示する。
・昇給、賞与、等級との関係を整理する。
・評価結果は必ず面談でフィードバックする。
・管理職ごとの評価のばらつきを点検する。
・「何を頑張れば評価されるのか」がわかる運用に見直す。

「退職代行」が示す組織の限界
3割の企業が対応拒否する時代のリスクとは

 本調査では、退職代行サービスの利用が一定数存在する中で、企業側の対応姿勢が変化している実態が明らかになった。
 退職代行を利用した退職は全体の8.7%に達しており、特に大企業では2割を超える水準となっている。一方で、弁護士や労働組合以外の退職代行業者からの連絡については、約3割の企業が「非弁行為の可能性」を理由に取り合わないと回答している。また、退職代行を通じて有給休暇や退職日、未払い賃金などに関する交渉が行われるケースもあり、3割の企業が非弁行為に該当する可能性のある通知を受けた経験があるとされている。
 さらに、採用面においても退職代行の利用歴が影響しており、約半数の企業が「採用に慎重になる」と回答している。重要なテーマになると指摘されている。

【ニュースの要約】
・退職代行利用による退職は全体で8.7%
・大企業では利用率が2割超と高水準
・約3割の企業が退職代行業者の連絡を拒否
・非弁行為の可能性がある通知を3割が経験
・退職代行利用歴は採用判断に影響
・企業の対応は厳格化傾向にある

東京商工リサーチの記事です

・若手社員の突然退職が発生している企業
・退職時トラブルが増えている企業
・管理職のマネジメントにばらつきがある企業
・採用後の定着に課題を抱えている企業
に、特に参考にしていただきたい記事です。

 この記事のテーマは単なるトレンドではなく、組織の状態を映す重要な指標です。
 退職代行が使われる背景には
・直接言えない組織風土
・上司との関係不全・心理的安全性の欠如 が存在していることがあります。つまり、自社の組織の問題として捉える必要があります。

 企業が取り合わない理由は、非弁行為リスク、不適切な交渉の回避、法的責任の回避です。
対応を誤ると紛争化するため、防御的な姿勢が強まっています。退職代行の利用歴は、組織適応力への懸念、トラブルリスクの評価として見られる傾向があり、採用市場にも影響を及ぼしています。
 重要なのは
 ・円滑に退職できる仕組み
 ・適切な対話機会
 ・退職プロセスの透明性
です。ここが整っていない企業ほど、退職代行が使われやすくなります。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
・退職時の社内フローを明確化する
・上司による引き止め・対応ルールを整備する
・退職理由の分析を定期的に実施する
・心理的安全性のある職場づくりを進める
・退職トラブル時の対応基準を策定する

「採用より定着が難しい」時代へ 
企業の8割が直面する“辞めない組織”の本質

 本レポートでは、企業の人材課題が「採用」から「定着・活用」へと大きくシフトしている実態が明らかになった。人事担当者の約5割が「人材の定着」に強い課題を感じており、「新規人材の確保」を大きく上回る結果となった。また、若手育成以上に「シニア人材の活用」が進まないことも重要な課題として浮き彫りとなっている。企業は賃上げや教育投資といった定着施策を進めており、賃上げ実施率は約8割、教育投資も8割超と高水準に達しているが、その一方で企業規模による投資格差も拡大している。さらに、今後は「ビッグ・ステイ(転職せず同一企業に留まる傾向)」の到来が予測されており、単なる囲い込みではなく「成長を伴う定着」が重要なテーマになると指摘されている。

【ニュースの要約】

・企業の課題は「採用」より「定着」にシフト
・人材定着の課題感は約50%で最多
・シニア人材の活用が進まない問題が顕在化
・賃上げ実施は約8割だが水準に差がある
・教育投資は増加するも企業規模で格差
・「ビッグステイ」到来により定着戦略が重要に
・今後は「成長を伴う定着」が鍵
マイナビキャリアリサーチ記事です

・採用しても定着しない企業
・賃上げをしているが離職が止まらない企業
・シニア人材の活用に課題がある企業に

特に参考にしていただきたい記事です。

 多くの企業が直面しているのは、人が来ない問題ではなく「 残らない問題」です。
賃上げ実施率が8割でも 定着が課題であるという事実は重要です。つまり、 処遇だけでは限界が来ているのです。本質は「活用できていない」ことにあります。特に重要なのは、シニア人材が活かせない、教育投資が成果に繋がらないという指摘です。 これは「人材の使い方(配置・役割設計)」の問題です。
 
社員が辞めない時代は「戦力が蓄積する(メリット)」「停滞する人材も固定化する(リスク)があります。 重要なのは“成長する前提の定着”を設計することです。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
・若手の離職理由を「条件」以外で分析する

・離職理由を「構造」で分析する(配置・評価・育成)
・賃上げ以外の定着要因(成長・役割)を設計する
・シニア人材の役割再定義を行う
・教育投資と評価制度を連動させる
・「成長している人材が評価される仕組み」に変更する

「給料では辞めない」時代へ   若手離職の本当の理由は“働く意味の欠如

 本記事では、若年層の離職は給与や労働時間といった条件面だけでは説明できず、「働く意味」や「納得感」といった要素が大きく影響していると指摘している。 
 新卒3年以内の離職率は3割を超える状況が続いており、採用市場の縮小が見込まれる中、企業にとっては採用だけでなく定着の重要性が高まっている。
 その中で、若年層は単に働きやすさだけでなく、仕事の社会的意義や、自分が組織に受け入れられているという感覚、会社や上司の一貫性などを重視しており、これらが「辞めない理由」を形成する要因となる。
 さらに、サステナビリティや社会貢献活動も、単なる制度ではなく、従業員にとって「意味のある仕事」として実感されることで、定着率向上につながる可能性があるとされている。

【ニュースの要約】

・新卒3年以内の離職率は約3割超で推移
・離職理由は給与・労働条件だけでは説明できない
・「働く意味」「納得感」「組織との一体感」が重要
・若年層は社会貢献意識を重視する傾向がある
・サステナビリティ施策は“受け止められ方”が重要
・ウェルビーイングと意味づけの両立が定着率を左右

ニッセイ基礎研究所の記事です

 ・若手社員の離職が続いている企業
 ・採用しても3年以内に辞めてしまう企業
 ・理念やパーパスが現場に浸透していない企業
 ・人事制度はあるが納得感が低い企業​

に特に参考にしていただきたい記事です。
 離職は「条件」ではなく「関係性」で起きると捉えらます。給与・労働時間はあくまで一要素であり実際の離職は

 ・上司との関係
 ・組織の一貫性
 ・自分の存在意義
で決まります

 若年層は
 ・なぜこの仕事をやるのか
 ・社会にどう貢献しているのか
 ・自分はどう評価されているのか
 を非常に重視します。ここが曖昧な会社は、条件を上げても辞めます。

 サスティナブルな取り組みをする会社もありますが、
 ・形だけの社会貢献
 ・現場に負担だけ増える施策
 ・意図が伝わらない取り組み
等の場合「やらされ感」が強まり、逆に離職要因になります。

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
□若手の離職理由を「条件」以外で分析する
上司のマネジメント一貫性をチェックする
仕事の目的・社会的意義を言語化する
サステナビリティ施策を現場と接続する
「納得できる評価制度」に見直す

ベンチャーでも離職が止まらない理由|中小企業は「残業30時間ライン」を見直すべき
ベンチャー企業の労働環境は改善しています
それでも離職が起きるのは「キャリア意識と労働時間」のズレです。


 ベンチャー・中小企業向けのHR総合支援サービスを行うProfessional Studio株式会社( https://professional-studio.co.jp/ )(本社:東京都中央区、代表:市川龍太郎)は、ベンチャー企業の仕事環境と社員の意識を明らかにするため、主要都府県に在住する20歳~59歳の正社員5,694名を対象に、企業タイプごとの比較調査を行いました。従来の「激務」というイメージとは異なり、現在では長時間労働は抑制され、柔軟な働き方が広がっていることが明らかになりました。実際に、月60時間以上の残業は1割未満にとどまり、日系上場企業と同水準となっています。また、約4割の社員がハイブリッドワークを実践しており、働き方の柔軟性は外資系企業並みの水準に達しています。

 

 一方で、ベンチャー企業の社員はキャリア意識が非常に高く、外部との接点(転職活動等)を持つ割合は日系上場企業の約1.5倍に達しています。さらに、残業時間が月30時間を超えると転職活動率が急増し、60時間を超えると約3割が具体的な行動に移るなど、労働時間が離職行動に直結している実態も確認されています。
 
このことから、現在の人材は単に働きやすさだけでなく、自身の成長や市場価値を基準に企業を評価しており、労働時間の設計とキャリア環境の整備が定着の鍵となっています。

 

【ニュースの要約】

・ベンチャー企業の長時間労働は抑制されている
・月60時間以上の残業は5.9%と低水準
・約4割がハイブリッドワークを実施
・働き方の柔軟性は外資系企業並み
・転職活動率は日系上場企業の約1.5倍
・キャリア意識が高い人材が多い
・残業30時間超で転職活動率が大きく上昇
・残業60時間超で約3割が転職行動

Professional Studio株式会社の記事です

 この記事は定着率に影響する社員の「評価基準の変化」について参照いただけます。
従来は「残業が少ない」「働きやすい」これだけで十分でした。しかし最近は「その会社に居続ける価値があるか」で判断されています。
 特に重要なのが「残業30時間ライン」です。このラインを超えた瞬間「この会社は違う」と判断され始めます。さらに「キャリア意識の高い人材ほど、即行動する」ため、環境が良くても離職は防げません。つまり「働きやすさ」だけではなく「成長と納得」の設計が必要です。 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
□ 残業時間30時間を基準に管理しているか
□ 業務量の適正配分を見直しているか
□ 成長機会を設計しているか
□ キャリアパスを明確にしているか
□ 管理職が説明できる状態か

新人が1ヶ月で辞める理由|中小企業は「上司の聴く力」を見直すべき
配属1ヶ月で新人の意欲が急低下する原因は「コミュニケーション不足」です。

問題は新人ではなく、上司の関わり方にあります。

 株式会社スーペリアの調査によると、入社後わずか1ヶ月で新人の意欲が大きく低下する職場が存在し、その主な原因が「上司の聴く力の欠如」であることが明らかになりました。ビジネスコーチ100名への調査では、約45%が「上司が話を聴けていないこと」を最大の要因として挙げ、次いで「放置・無関心(30%)」が続いています。
 
また、新人の意欲低下は本人の資質や教育制度ではなく、上司の関わり方に大きく依存していることも示されています。さらに、管理職の55%が新人のSOSサインに「ほとんど気づけていない」とされており、問題は深刻です。新人は明確に言葉で限界を訴えることは少なく、態度や行動に変化として現れるものの、それが見過ごされることで、離職やメンタル不調につながるリスクが高まります。
 
こうした状況から、配属初期における上司の関わり方、特に「聴く姿勢」と心理的安全性の確保が、新人定着の重要な要素であると指摘されています。

 

【ニュースの要約】
・新人の意欲は配属1ヶ月で二極化する
・意欲低下の最大要因は「上司の聴く力の欠如(45%)」
・次いで「放置・無関心(30%)」が要因
・新人の資質や教育制度は主因ではない
・管理職の55%が新人のSOSに気づけていない
・「半分程度気づけている」が45%
・完全に気づけているとの回答は0%
・新人は言葉ではなく行動・態度でSOSを出す
・心理的安全性の欠如が意欲低下に影響

株式会社スーペリアの記事です

・新人が早期に戦力化しない
・配属後1ヶ月で意欲が低下する
・離職や休職のリスクが高まる
・管理職のマネジメント不全が表面化する
傾向を感じたことがある企業に特に参照いただきたい記事です。

 この記事のポイントは「上司の関わり方」です。「教えている」「声をかけている」という認識が上司にはありますが、しかし新人側は「話を聞いてもらえていない」「放置されている」と感じていることも多い様です。このズレが「意欲低下の正体」と捉えるべきです。
 さらに重要なのは「新人は自分から限界を言わない」という点です。つまり「気づけない上司」は必ず手遅れになってしまうのです。指導する際には「関心を向けて聴くこと」に注力必要があります。個々人のスキルに頼るのではなく、マネジメントする側が自然に共有している文化にすることを目指しましょう。

 

【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
□ 新人と週1回の対話時間を確保する
□ 業務の話だけでなく状態を聞く
□ 「どう思っているか」を必ず聞く
□ 小さな変化を共有する仕組みを作る
□ 管理職に傾聴の研修を実施する
□ 配属1ヶ月のフォロー体制を設計する

若手社員の仕事観はどう変わったか|中小企業は「納得できる働き方設計」が必要
若手社員の価値観は大きく変化しています。
定着の鍵は「待遇」ではなく「納得感」に移っています。

 マイナビの調査によると、若手社員の仕事観やキャリア意識は従来と比べて大きく変化しており、企業に対して求める要素も変わってきています。特に、給与や安定性だけでなく、「働きやすさ」や「納得できる働き方」を重視する傾向が強まっています。
 
また、企業に対する期待としては、成長機会の提供や、適切な評価・フィードバック、良好な人間関係などが挙げられており、単なる条件面だけでなく、職場環境や関係性が定着に大きく影響していることが明らかになっています。
 
こうした背景から、企業には従来の制度中心の人事管理ではなく、若手社員の価値観に対応した働き方や組織運営の見直しが求められています。


【ニュースの要約】
・若手社員の仕事観に変化が見られる
・給与や安定性だけでなく働きやすさが重視されている
・納得感のある働き方が重要視されている
・成長機会の提供が求められている
・評価やフィードバックへの関心が高い
・人間関係の良さが定着に影響している
・職場環境が離職・定着に直結している
・企業に対する期待が多様化している

マイナビCareerResearchLabの記事です

 

・若手の離職が多い企業
・採用がうまくいかない企業
・評価制度が機能していない企業
に特に参照いただきたい記事です。
 この記事のポイントは「待遇」ではなく「納得できる構造」です。多くの企業は、給与や福利厚生で他社との採用競争に勝とうとします。しかし若手は「なぜこの評価なのか」「どうすれば成長できるのか」を見ています。つまり「説明できる会社」かどうかが重要です。 
 現場では「評価基準が曖昧」「フィードバックがない」「成長の道筋が見えない」という状態が多く、これが「なんとなく不満」を生みます。そして「静かに辞める」という流れになります。人は条件で入社し、納得できないと辞めます。

【今すぐやるべき対応例(チェックリスト)】
□ 評価基準を言語化する
□ フィードバックの頻度を増やす
□ 成長ステップを明確にする
□ 管理職に説明責任を持たせる
□ 定期的に社員の声を拾う
□ 働き方の選択肢を整備する

 

若手社員が上司よりAIに相談する理由|中小企業は相談できる職場設計を見直すべき

20代若手社員の約4人に1人が、キャリアの相談相手として直属の上司より生成AIを信頼しているという調査結果が示されました。背景には、社内の相談体制が機能していないことや、若手の「ゆる転職」行動の常態化があります。

 レバレジーズ株式会社が運営する、既卒や第二新卒をはじめとする若手特化の就職・転職支援サービス「ハタラクティブ」は、20代の若手社員595名を対象に、キャリア観に関する実態調査を実施しました。
 調査によると、約半数の若手社員が転職サイトやエージェントに登録しており、約3人に1人は定期的に求人や転職情報を確認しています。特に求人確認のピークは「月曜の朝」であり、若手の間で外部の選択肢を日常的に確認する行動が一般化していることが示されました。
 
た、約半数がAIにキャリア相談をした経験があり、AI相談経験者の約4人に1人は転職を決意したとされています。さらに、約4人に1人が「キャリアの相談相手は上司より生成AI」と回答しており、その背景として、約8割が「社内の相談体制が機能していない」と感じている実態が示されています。
 今回の調査は、若手社員の定着において、賃金や待遇だけでなく「相談できる環境」そのものが重要な経営課題になっていることを示しています。

【ニュースの要約】
 
・調査対象は20代の若手社員595名である。
 
・約半数が転職サイトやエージェントに登録中である。
 
・約3人に1人が定期的に求人や転職情報をチェックしている。
 
・定期的に情報を確認する理由としては、「現職に強い不満がある」よりも
  「今すぐではないが、より良い条件があれば検討したい」が上位である。
 
・転職情報をチェックするタイミングは、全時間帯で「月曜日」が最多であり
  特に朝の確認が多い。
 
・若手社員の約半数がAIにキャリア相談をした経験がある。
 
・AI相談経験者の約4人に1人が転職を決意している。
 
・約4人に1人が、直属の上司より生成AIを信頼している。
 
・約8割が、社内の相談体制が機能していないと感じている。
 
・AIが選ばれる理由として「否定されないこと」が挙げられている。

レバレジーズ株式会社の記事です

 

・若手採用を行っている企業
・20代社員の定着率に課題がある企業
管理職教育が十分でない企業
・1on1や相談制度を導入していても形骸化している企業
に特に参照いただきたい記事です。

 AIについての記事として捉えるのではなく、社内の相談体制についての記事として捉える、「社内で相談しても前に進まないと若手が感じている」ことを伝えていると捉えるべきです。 
 コミュニケーションを強化するために、上司に相談できる体制をつくることに注力し、その具体的な手段としての1on1や面談制度を整備している企業は多いと思います。
 若手側が求めているのは、制度の有無ではなく、否定されずに話せること、途中で評価されずに整理できること、将来の選択肢を安心して言葉にできることであると調査結果は示しています。今回、AIが選ばれた理由に「否定されないこと」が挙がっているのは象徴的です。
 現場では、上司は「アドバイスしているつもり」、若手は「正解を押し付けられている」と受け止めていることが少なくありません。このズレを放置すると、相談制度はあっても使われず、管理職は部下の本音を把握できず、離職は突然起きたように見えます。つまり問題は、若手の我慢不足でもAI依存でもなく、相談が機能する組織設計になっていないことです。
 一方で「否定されないこと」を重視すぎるのは良くない傾向だと個人的には思います。大切なのは、心理的安全性を構築することであり

 「意見は否定された」けれども「それは自分のためになるアドバイスだった」と若手側が受けとめる状況を作ることです。そして、これは当然、個人の資質によるものではなく、会社の仕組みとして構築すべきことです。

【今すぐやるべき対応例(チェックリスト)】
 □ 若手社員に「今、誰にキャリア相談しているか」を匿名で確認する
 □ 1on1の実施有無ではなく、相談後に支援につながっているかを点検する
 □ 管理職に「助言」より「傾聴」を重視した面談研修を行う
 □ 「否定しない」「結論を急がない」相談ルールを明文化する
 □ 若手がキャリア不安を言語化できる場を月1回以上設ける
 □ 退職者ヒアリングで「相談できたか」を必須項目にする

 若手を中心にメンタル不調が急増しています。

原因は個人ではなく、上司との関係性と職場環境にあります。

 近年、メンタルヘルス不調を訴える労働者が増加しており、うつ病などの気分障害やストレス関連障害の外来患者数は、2002年と比較して2倍以上に増加しています。特に20代から50代の現役世代で増加傾向が顕著となっています。
 メンタル不調の主な原因としては、「上司とのトラブル」や「パワーハラスメント」が多く、職場における人間関係やマネジメントの在り方が大きく影響していることが明らかになっています。若手社員においては、こうした人間関係の問題や業務への不適応がメンタル不調につながり、そのまま離職に至るケースも多く見られます。
 
また、メンタル不調により休職・退職するケースだけでなく、強いストレスを感じている労働者は全体の約7割に上るなど、潜在的なリスクも高い状況にあります。
 
このような状況を踏まえ、企業ではストレスチェックや相談窓口の設置などの対策が進められていますが、根本的な解決には「心理的安全性の高い職場づくり」が重要であると指摘されています。
【ニュースの要約】
 ・メンタル不調の外来患者数は2002年比で約2倍以上に増加している
 ・現役世代(20代〜50代)で増加傾向が見られる
 ・精神障害の主な原因は「上司とのトラブル」「パワハラ」が上位
 ・若手の離職理由として「メンタル不調」が上位に入っている
 ・メンタル不調により休職・退職するケースが一定数存在する
 ・強いストレスを感じている労働者は約68%に上る
 ・ストレス要因は「仕事量」「責任」「人間関係」が中心
 ・20代では休職後に転職・離職する割合が高い
 ・企業ではストレスチェックやEAPなどの対策が進んでいる
 ・心理的安全性の低下が課題として指摘されている
 ・リモートワークの普及によりコミュニケーション不足が発生している
 ・上司が指導をためらう一方で、部下も発言しづらい状況が生まれている

ITmedia onlineの記事です

・若手の離職が多い企業
・管理職の育成が弱い企業
・コミュニケーションが不足している企業
に特に参考にしていただきたい記事です。
 「メンタルの問題」ではなく「関係性の設計不備」がポイントです。
 多くの企業では
 ・上司がどう関わるべきか不明確
 ・指導とハラスメントの線引きが曖昧
 ・コミュニケーションの仕組みがない
 という状態になっています。その結果
 「何も言えない上司」と「何も言えない部下」が同時に生まれます。
これは心理的安全性が低い組織構造です。本来、心理的安全性は
 ・1on1
 ・定期的な対話
 ・フィードバックのルール など「仕組み」で作るものです。「個人の資質」に任せているのも実状です。ここに問題があります。つまり
 「優しい上司を増やす」のではなく「安心して話せる構造を作る」ことが必要です

【今すぐやるべき対応】
□ 定期的な1on1面談を仕組み化する
□ 管理職向けの関係構築研修を実施する
□ フィードバックのルールを明確にする
□ 心理的安全性の定義を社内で共有する
□ ハラスメントの判断基準を言語化する
□ 部下の変化に気づくチェックリストを導入する

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