人手不足の本当の理由は何か
社員のスキルを最大限引き出すためのヒント

紹介している記事に表れている事象の多くは「 組織設計の問題」であることが多いです。
当事務所では、
・意思決定の整理
・管理職の役割設計
・業務の標準化
・AIによる再現化 
を通じて、組織が自走する仕組みを構築します


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2035年に人手不足384万人へ、
高齢社員の活用が中小企業の生き残りを左右する

新卒獲得競争に消耗する前に、今いる高齢社員の活用を
経営課題として直視すべき時が来ています

  少子化により若年層人口は今後も減り続け、団塊ジュニア世代と比べてZ世代の出生数は約4割減、2024年の出生数は68万人まで落ち込んでいます。労働政策研究・研修機構の推計では、就業者数は2022年の6724万人から2040年には5768万人まで減少する見通しです。パーソル総合研究所と中央大学の共同推計では、2035年の労働力不足は384万人に達すると予測されています。東京商工リサーチの調査では、人手不足を一因とする倒産のうち求人難によるものが、2022年度の29件から2025年度には139件へと急増しました。一方で女性と65歳以上の高齢者の就業者数は増加を続けており、65歳以上の就業者数は2023年時点で914万人と20年連続で増加しています。就業を希望する高齢者のニーズを満たせれば、男女合わせて218万人分の労働力増加が見込めるとされています。

出典:東洋経済オンライン「高齢社員を引き留める企業の《切実な事情》」(山崎俊輔氏)

 

 昨日に引き続き高齢社員の活用についての記事です。中小企業の経営者ほど「新卒採用で若手を確保する」ことに意識が向きがちですが、大企業と同じ土俵で初任給を競っても長続きしません。初任給だけ引き上げても、既存社員の昇給が伴わなければ社内の不公平感を招き、かえって定着率を下げる要因になります。見落とされがちなのは、既に自社で働いている60代社員の継続雇用や、経験者採用としての高齢人材活用が、採用コストを抑えながら人手不足を補う現実的な解決策になるという点です。65歳を超えた社員に対する再雇用契約や勤務条件の設計、同一労働同一賃金への対応などは、労務管理上の整備が追いついていない企業が少なくありません。高年齢者雇用安定法に基づく70歳までの就業機会確保は努力義務にとどまりますが、人手不足が深刻化する中では、制度整備の先送りが採用力の差として表面化してきます。

【企業の対応アクション】
・65歳以降の継続雇用制度の有無と条件を点検する
・再雇用後の賃金・待遇と業務内容の整合性を確認する
・高齢社員向けの短時間勤務や柔軟な勤務形態を検討する
・新卒偏重の採用計画を見直し経験者採用の比重を高める
・既存社員の昇給制度を点検し初任給との逆転現象を防ぐ

シニアの「再雇用」が主流に 
年金支給開始年齢引き上げで進む高齢者雇用の実態

「65歳まで雇えばいい」で止まっていませんか 再雇用制度の落とし穴

  少子高齢化による労働力不足と、公的年金の支給開始年齢の段階的な引き上げを背景に、定年後も同じ企業で働き続ける「再雇用」制度が広がっている。法律では、企業は65歳までの雇用確保のために、定年の引き上げ(31.0%)、再雇用制度の導入(65.1%)、定年廃止(3.9%)のいずれかを実施する義務がある。3社に2社が再雇用制度を選択しており、主流の対応となっている。就業実態としては、60~64歳の就業率が2025年時点で74.9%に達しており、10年前の62.2%から大きく上昇した。多くのシニア層が働き続けることが一般的になっている。
出典:Yahoo!ニュース

 

 「65歳まで雇用を確保すればよい」という理解だけで再雇用制度を運用している企業は少なくありませんが、実務上の落とし穴はその先にあります。まず、再雇用後の賃金は定年前より下がるケースが大半ですが、業務内容がほとんど変わらないまま賃金だけを大きく下げると、同一労働同一賃金の観点から不合理な待遇差と判断されるリスクがあります。実際に、再雇用後の賃金格差が争われた裁判例も複数出ています。また、再雇用は原則1年更新の有期契約に切り替わることが多く、更新の都度、業務内容や労働条件を書面で明確にしていない企業ほど、後々のトラブルに発展しやすい傾向があります。さらに、高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業確保は努力義務となっています。65歳までの対応で満足してしまい、70歳雇用への準備が手つかずという企業は、経営者自身が気づかないうちに人材確保で後れを取ることになりかねません。中小企業にとって、再雇用は単なる法令対応ではなく、熟練人材の技術・ノウハウを次世代に引き継ぐための貴重な機会でもあります。制度設計を見直すことは、人手不足への実践的な対策にも直結します。

【企業の対応アクション】
・再雇用後の賃金水準と業務内容の整合性を点検する
・再雇用契約書に業務内容と労働条件を明記し更新時に見直す
・同一労働同一賃金の観点から待遇差の理由を説明できるよう整理する
・70歳までの就業確保に向けた制度(継続雇用・業務委託等)を検討する
・再雇用者の技術継承・後進育成の役割を制度に組み込む

 

「歩合給だから残業代はいらない」その誤解が招いた数百万円の代償

月100時間残業でも手取り35万円 運送業に潜む賃金計算の落とし穴

 

  九州の運送会社に勤務するトラック運転手が、月100時間前後の時間外労働をしていたにもかかわらず、手取りは約35万円にとどまっていました。運転手は未払いの割増賃金があるとして労働審判を申し立て、会社側は数百万円の解決金の支払いを命じられました。会社側と運転手の双方には、歩合給であるため残業代を支払う必要はないという認識がありました。しかし歩合給であっても、時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金の支払い義務は使用者に課されています。トラック運転手の人手不足が続く中、待遇改善は業界全体の課題となっています。
出典:『日本の人事部』

 

 今回の事例で見落としてはならないのは、歩合給・出来高給であっても割増賃金の支払い義務がなくなるわけではないという点です。運送業をはじめ、営業職や配送業など歩合給を採用する中小企業は少なくありませんが、「基本給に含まれている」「歩合給だから対象外」といった誤解が根強く残っています。実際には、歩合給部分についても実労働時間に応じた割増賃金の算定が必要であり、計算方法は固定給とは異なる仕組みになっています。この複雑さこそが、経営者・従業員双方の誤解を生みやすい原因といえます。未払いが発覚すれば、遡って数年分の請求を受けるリスクがあるほか、労働審判や訴訟に発展すれば企業の信用にも影響します。人手不足が深刻な業種ほど、適正な賃金計算は人材確保・定着の土台になります。歩合給を採用している企業は、この機会に賃金規程と実際の運用を照らし合わせて点検することをお勧めします。
【企業の対応アクション】
・歩合給・出来高給の従業員について、時間外・休日・深夜労働の実態を記録・把握
 しているか確認する
・歩合給部分に対する割増賃金の計算方法が労働基準法に沿っているか、賃金規程を
 専門家と点検する
・運転日報やタコグラフ、勤怠システムなど客観的な記録から実労働時間を把握できる
 体制を整える
・固定給と歩合給が混在する給与体系の場合、双方の割増賃金の算定方法を就業規則・
 賃金規程に明記する
・従業員に賃金の算定根拠を分かりやすく説明し、認識のズレを事前に防ぐ

 

転職市場で「35歳限界説」崩壊 中高年採用が人手不足解消の鍵に

若手前提の採用基準のままでは、応募すら来ない時代になっています

 

  ニッセイ基礎研究所の分析によると、転職者に占める45歳以上の割合は2013年の3割から2025年には4割まで増加しました。かつて言われていた「35歳転職限界説」は後退し、男性は40代後半まで、女性も40代後半まで転職者の4割を超える水準となっています。転職者が集中する産業は、医療・福祉や宿泊業・飲食サービス業など、人手不足が深刻な対人サービス分野です。加えて情報通信業や学術研究、専門・技術サービス業でも転職が活発化しており、DX化に伴う専門人材需要の高まりが背景にあるとみられます。企業側は中途採用への依存度を高めており、専門性や経験を持つ人材の獲得競争が強まっています。
出典:『日本の人事部』

 

 多くの中小企業が今も「若手中心の採用」を前提に求人票や面接基準を組み立てていますが、この調査は市場の実態がすでにそこから離れていることを示しています。経営者が見落としがちなのは、応募が来ないのを「知名度不足」や「賃金の低さ」だけに原因を求め、実は求人要件そのものが市場とずれている可能性を検討していない点です。中高年人材は即戦力性が高い一方、現場では「年下上司の下で働けるか」「新しいツールに適応できるか」といった懸念から採用をためらうケースが見られます。しかし実際には、業務経験の厚みが早期戦力化につながる例も多く、受け入れ側のマネジメント設計次第で定着率は大きく変わります。採用基準の年齢的な思い込みを外し、職務内容と求める経験を具体的に言語化することが、人手不足解消の近道になります。

【企業の対応アクション】

・求人票の年齢を前提とした表現を見直し、職務内容と必要経験を明記する

・面接評価基準から年齢による無意識の減点要素を排除する

・中高年採用者向けの受け入れ研修とオンボーディング体制を整備する

・年下上司が中高年部下をマネジメントする際の1on1運用ルールを設ける

・中途採用者の早期戦力化を評価する人事評価制度に見直す

 

賃上げ企業7割超の時代に、高齢者の労災事故はなぜ増えているのか              

 賃上げだけでは、人も現場も守れません

  ツナググループホールディングスが発表した2026年6月の採用市場レポートによると、中小企業の71.4%が賃上げを実施済みまたは実施予定であり、実質賃金は4ヶ月連続でプラスとなっている。ただし企業規模による賃上げ格差は拡大している。同レポートでは、60歳以上の労働災害が全体の31.3%を占めていることも明らかになり、高齢者の安全管理と業務設計が課題として指摘された。また、ITフリーランス市場が1.2兆円規模に成長し、障害者雇用の求職件数も過去最高を記録するなど、人材活用の多様化が進んでいる。同レポートは、残業指導の運用見直しが検討される中小企業には柔軟な働き方と労務管理の両立が求められるとまとめている。

   出典:ツナググループホールディングス「2026年6月 採用市場レポート」

 

 多くの経営者は「賃上げすれば人材が集まり、定着する」と考えがちですが、今回のデータはその手前にある落とし穴を示しています。賃上げの原資を確保できても、現場の年齢構成や業務設計を見直さなければ、むしろ労災リスクが高まるという事実です。60歳以上の労災が3割を超える背景には、高齢の従業員に若手と同じ作業量・作業スピードを求め続けている現場が少なくないことが挙げられます。中小企業では人手不足を理由に、年齢に応じた配置転換や作業内容の見直しが後回しにされがちですが、労災が発生すれば、賃上げ効果を上回るコスト(労災補償・書類送検リスク・企業イメージの低下)を招きかねません。また、障害者雇用やITフリーランスなど雇用形態の多様化が進む中、就業規則や安全配慮義務の対象範囲を旧来の正社員基準のままにしている企業も見受けられます。賃上げという「入口」の施策だけでなく、既存社員の安全と定着という「出口」の設計まで含めて、人事制度全体を点検することが求められています。

【企業の対応アクション】
・60歳以上の従業員が担当する作業内容・作業量を棚卸しし、必要に応じて配置転換や作業分
 担の見直しを行う
・高年齢労働者向けの安全衛生教育・健康診断の実施状況を確認し、不足があれば追加実施を 
 検討する
・障害者雇用やフリーランス活用を進める場合は、就業規則・安全配慮義務の対象範囲を最新
 の雇用形態に合わせて見直す
・賃上げを実施・予定している場合は、原資確保だけでなく、現場の負荷分散や業務設計の見
 直しをセットで検討する
・残業指導の運用見直しを踏まえ、柔軟な働き方(時短勤務・シフト制等)と労 務管理の両
 立ルールを整備する

「週3日にしてほしい」の真相
 就業調整・70歳の壁・L字カーブが人手不足を深刻にするしくみ
                                     

 「週3日にしてほしい」のひと言の裏には、制度が合理的にそう選ばせた
 理由があります。

  働く意欲はあるのに就業時間を意図的に抑える「就業調整」は、日本の労働市場における構造的な問題です。年収が一定の壁を超えると社会保険料の負担が発生して手取りが実質的に減るため、働き手は壁を超えないよう自衛的に労働時間を管理します。政府は、就業調整の解消を含む柔軟な労働環境の整備によって2兆円を超える経済効果が生まれるという試算を示しています。
 
高齢者の就労にブレーキをかけてきた要因の一つが在職老齢年金制度です。賃金と年金の合計が一定額を超えると年金が減額されるため、高齢者が意図的に就労を抑える「70歳の壁」が生じてきました。2026年4月には支給停止の基準額が月65万円に引き上げられる予定で、高齢者が以前より働きやすい環境が整いつつあります。女性の就労に関しては「L字カーブ」という現象が指摘されています。内閣府の2024年調査によれば、25〜29歳で60%台だった女性の正規雇用率が35〜39歳では40%台に低下します。出産・育児を機に正規雇用からパートタイムへ移行する女性が多く、この流れが女性労働力の活用を妨げています。

   出典:産経新聞(2026年6月28日)

 

 この記事が中小企業の経営者に示している最も重要なメッセージは、大手企業の賃金神話が揺らいでいるという事実です。かつて大手に行けば一生安泰という感覚が当然とされていた時代に比べ、今の求職者は企業規模よりも、この職場でいくら稼げるか、給与が上がっていく見通しがあるかを重視する傾向が強まっています。

中小企業にとって、これは攻めに転じるチャンスでもあります。大手の賃金水準が一部で下落しているとすれば、中小企業が意識的に処遇設計を整備することで、大手と遜色ない職場として採用競争力を高める余地が生まれます。

しかし現実には、多くの中小企業はとにかく今の水準を維持するという守りの姿勢にとどまっています。賃金テーブルが何年も前のままで、業績に連動した昇給の仕組みもなく、社員がいつ上がるかわからないと感じている職場では、モチベーションの維持が難しくなります。

うちは大手より給与が低いから仕方ないという前提を一度疑ってみることが必要です。処遇の問題は単なる金額の問題ではなく、評価されている実感があるか、将来の見通しが持てるかという感覚と直結しています。賃金体系の透明性と、昇給のロードマップを社員に示せるかどうかが、定着率を左右する核心的な要素です。

 

【企業の対応アクション】
・自社の平均賃金を業種別・規模別の統計(国税庁・厚生労働省公表データ)と照合し、現在
   の処遇水準を客観的に確認する
・賃金テーブルを見直し、どの条件を満たせばいくらになるかを社員が自分で計算できる透明 
 な制度に整備する
・昇給ロードマップを採用面接・入社時の説明で明示し、将来の見通しが持てる職場として差
 別化する
・定期的な個別面談(年1〜2回)で処遇に対する社員の認識を確認し、黙って転職を防ぐ仕組みをつくるこの記事の本質は、外国人雇用の是非ではなく「人件費をどう捉えるか」という経営判断にあります。池田社長は「人件費は投資です。コストだと考えるから、できるだけ削るという発想になってしまう」と述べていますが、これは外国人雇用に限らず、すべての採用・育成投資に通じる考え方です。

  中小企業の経営者が見落としやすいのは、「資格取得支援」や「育成費用」を単なる出費として処理してしまう点です。資金を貸与して資格取得を支援する仕組みは、社員にとっては「会社が自分の将来に投資してくれている」という実感につながり、定着率の向上に直結します
 一方で現場では、資金貸与制度を導入する際の労働基準法上の取り扱い(賃金からの相殺・前借りの制限など)や、特定技能者の受け入れ体制整備(就労資格の確認、支援計画の作成)を誤ると、後から労務トラブルに発展するリスクがあります。外国人雇用を検討する企業は、制度設計の段階から専門家に相談することが望ましいといえます。

  【企業の対応アクション】

 ・人材育成・資格取得支援にかかる費用を「コスト」ではなく「投資」として位置づけ直す 
・資金貸与制度を導入する場合は、賃金からの相殺方法や前借り扱いについて労働基準法上の 
 整理を行う
・特定技能者を受け入れる場合は、就労資格の確認と支援計画の作成を事前に整備する
  ・日本人社員の待遇改善(初任給・昇給ルール)も同時に進め、外国人・日本人双方の納得
 感を確保する
  ・外国人雇用に関する社内方針を明文化し、SNS等での炎上リスクにも備えた説明責任を準
 備する

「大手でも給与は下がっている」
                                      企業規模別賃金格差の実態と中小企業の処遇戦略

 「大手に行けば安心」という時代は終わりつつあります。
   
問題は、その変化を採用・定着に活かせているかどうかです。

  NewsPicsで公開された分析記事によると、日本の企業規模別の平均給与を比較すると、大手企業においても特定の年齢層や業種で給与が下落していることが明らかになっています。国税庁の民間給与実態統計調査などのデータに基づいた分析では、男性労働者の年齢階級別推移においても、かつて安定した高賃金の代名詞であった大企業でさえ、構造的な変化が起きていることが示されています。従来、大企業と中小企業の賃金格差は労働市場の定説でしたが、業種・職種・年齢によっては、その差が縮小しつつある層も存在します。一方で、企業規模による待遇差の全体的な構造は依然として残っており、中小企業が人材獲得競争で不利な立場に置かれている現実は変わっていません。

出典:NewsPicks

 

 この記事が中小企業の経営者に示している最も重要なメッセージは、大手企業の賃金神話が揺らいでいるという事実です。かつて大手に行けば一生安泰という感覚が当然とされていた時代に比べ、今の求職者は企業規模よりも、この職場でいくら稼げるか、給与が上がっていく見通しがあるかを重視する傾向が強まっています。

中小企業にとって、これは攻めに転じるチャンスでもあります。大手の賃金水準が一部で下落しているとすれば、中小企業が意識的に処遇設計を整備することで、大手と遜色ない職場として採用競争力を高める余地が生まれます。

しかし現実には、多くの中小企業はとにかく今の水準を維持するという守りの姿勢にとどまっています。賃金テーブルが何年も前のままで、業績に連動した昇給の仕組みもなく、社員がいつ上がるかわからないと感じている職場では、モチベーションの維持が難しくなります。

うちは大手より給与が低いから仕方ないという前提を一度疑ってみることが必要です。処遇の問題は単なる金額の問題ではなく、評価されている実感があるか、将来の見通しが持てるかという感覚と直結しています。賃金体系の透明性と、昇給のロードマップを社員に示せるかどうかが、定着率を左右する核心的な要素です。

 

【企業の対応アクション】
・自社の平均賃金を業種別・規模別の統計(国税庁・厚生労働省公表データ)と照合し、現在
   の処遇水準を客観的に確認する
・賃金テーブルを見直し、どの条件を満たせばいくらになるかを社員が自分で計算できる透明 
 な制度に整備する
・昇給ロードマップを採用面接・入社時の説明で明示し、将来の見通しが持てる職場として差
 別化する
・定期的な個別面談(年1〜2回)で処遇に対する社員の認識を確認し、黙って転職を防ぐ仕組みをつくるこの記事の本質は、外国人雇用の是非ではなく「人件費をどう捉えるか」という経営判断にあります。池田社長は「人件費は投資です。コストだと考えるから、できるだけ削るという発想になってしまう」と述べていますが、これは外国人雇用に限らず、すべての採用・育成投資に通じる考え方です。

  中小企業の経営者が見落としやすいのは、「資格取得支援」や「育成費用」を単なる出費として処理してしまう点です。資金を貸与して資格取得を支援する仕組みは、社員にとっては「会社が自分の将来に投資してくれている」という実感につながり、定着率の向上に直結します
 一方で現場では、資金貸与制度を導入する際の労働基準法上の取り扱い(賃金からの相殺・前借りの制限など)や、特定技能者の受け入れ体制整備(就労資格の確認、支援計画の作成)を誤ると、後から労務トラブルに発展するリスクがあります。外国人雇用を検討する企業は、制度設計の段階から専門家に相談することが望ましいといえます。

  【企業の対応アクション】

 ・人材育成・資格取得支援にかかる費用を「コスト」ではなく「投資」として位置づけ直す 
・資金貸与制度を導入する場合は、賃金からの相殺方法や前借り扱いについて労働基準法上の 
 整理を行う
・特定技能者を受け入れる場合は、就労資格の確認と支援計画の作成を事前に整備する
  ・日本人社員の待遇改善(初任給・昇給ルール)も同時に進め、外国人・日本人双方の納得
 感を確保する
  ・外国人雇用に関する社内方針を明文化し、SNS等での炎上リスクにも備えた説明責任を準
 備する

「人件費はコストではなく投資」
 ゆで太郎に学ぶ、外国人雇用で失敗しない採用戦略

 「もっと日本人を雇え」と炎上しても外国人雇用をやめない理由は、
 人件費の捉え方にありました。

  そばチェーン業界トップの「ゆで太郎」が、外国人スタッフをほぼ全員に水準で雇用していることについて、SNS上で「もっと日本人を雇え」と批判を受けています。池田智昭社長は、人手不足のなか外国人を雇わなれば事業継続が難しいのが現実だと説明しています。同社は毎年約20店舗を新規出店し、24時間営業店舗も運営しているため、継続的な人員確保が必要な状況です。現在、約500人の外国人社員を雇用し、特定技能者の雇用条件は日本人社員と同等以上だと述べています。さらに、外国人社員が日本語を学び特定技能資格を取得するための資金100万円を会社が貸与し、正社員として働きながら給料から少しずつ返済してもらう制度を構築しています。同時に日本人採用も継続しており、今年は新卒23人が入社予定です。初任給は12年間で約57%上昇させ(21万円から33万円へ)、待遇改善を進めています。
 出典:PRESIDENT Online

 

 この記事の本質は、外国人雇用の是非ではなく「人件費をどう捉えるか」という経営判断にあります。池田社長は「人件費は投資です。コストだと考えるから、できるだけ削るという発想になってしまう」と述べていますが、これは外国人雇用に限らず、すべての採用・育成投資に通じる考え方です。
  中小企業の経営者が見落としやすいのは、「資格取得支援」や「育成費用」を単なる出費として処理してしまう点です。資金を貸与して資格取得を支援する仕組みは、社員にとっては「会社が自分の将来に投資してくれている」という実感につながり、定着率の向上に直結します
 一方で現場では、資金貸与制度を導入する際の労働基準法上の取り扱い(賃金からの相殺・前借りの制限など)や、特定技能者の受け入れ体制整備(就労資格の確認、支援計画の作成)を誤ると、後から労務トラブルに発展するリスクがあります。外国人雇用を検討する企業は、制度設計の段階から専門家に相談することが望ましいといえます。

  【企業の対応アクション】

 ・人材育成・資格取得支援にかかる費用を「コスト」ではなく「投資」として位置づけ直す 
・資金貸与制度を導入する場合は、賃金からの相殺方法や前借り扱いについて労働基準法上の 
 整理を行う
・特定技能者を受け入れる場合は、就労資格の確認と支援計画の作成を事前に整備する
  ・日本人社員の待遇改善(初任給・昇給ルール)も同時に進め、外国人・日本人双方の納得
 感を確保する
  ・外国人雇用に関する社内方針を明文化し、SNS等での炎上リスクにも備えた説明責任を準
 備する

  技能労働者の採用、半数以上が「ゼロ」という現実

 求人を出しても人が来ない時代、
 御社の採用戦略は本当に機能していますか。

  建設産業専門団体連合会が会員団体を対象に実施した調査によると、技能労働者の採用について「1人も採用できなかった」と回答した企業が54.2%にのぼりました。前年の41.1%から大幅に増加しています。一方「予定通り採用できた」は14.1%、「予定を下回ったが採用できた」は20.7%でした。週休2日制(4週8休)の導入率は18.9%(前年10.3%)で、公共工事主体企業では36.4%に対し、民間工事主体企業ではわずか12.5%と大きな差が見られました。導入が進まない理由として「適切な工期が確保できない」「元請企業が休ませてくれない」「日給労働者の収入減少」が挙げられています。また猛暑対策については38.9%が「明らかに強化された」と回答し、経口補水液の配布や休憩所の拡大などの取り組みが進んでいます。

  出典:日本工業経済新聞社

 

 今回の調査は建設業に限った話ですが、構造は他業種の中小企業にも共通します。採用できない原因を「人手不足」と一括りにしている間は、対策が打てません。今回のデータが示す通り、休日が確保できない・給与体系が時代に合っていないという「働き方の条件」自体が応募者から選ばれない理由になっています。経営者が見落としやすいのは、求人広告や紹介会社を強化するだけでは採用難は解決しないという点です。元請・取引先との関係で休日を確保できない構造は、実は社内の業務設計や契約条件を見直すことで改善できる余地があります。日給制から月給制への移行や、有給休暇の計画的付与など、待遇面の小さな改善が採用力に直結することが多くあります。採用は「条件勝負」になっているという前提に立ち、自社の働き方を点検することが先決です。

  【企業の対応アクション】
 ・自社の週休2日(4週8休)導入率を確認し未達の場合は工期や取引条件の見直しを検討する
・日給制の場合は月給制・固定給部分の導入を検討し、休日取得時の収入減少を緩和する
・求人媒体への出稿前に、休日数・賞与・昇給制度など待遇面を競合他社と比較する
・元請・取引先と工期交渉を行う際は、休日確保を前提条件として明示する
・熱中症対策(休憩所整備・水分補給体制)を整備し、離職防止と安全配慮義務の両面で対応する

 ストレスチェック、50人未満企業も義務化へ 
                 2028年4月施行で何が変わるのか

 「うちは小さい会社だから関係ない」が通用しなくなる日が、
 もう見えています

 

  2028年4月1日から、これまで努力義務だった従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されます。現行制度では従業員50人以上の企業に年1回の実施が義務付けられていましたが、外部機関の活用によってプライバシー保護が可能と判断されたことを受け、対象が小規模事業場にも拡大される形です。義務化後は、50人未満の企業も年1回以上のストレスチェックの実施に加え、労働基準監督署への報告が新たに必要になります。本制度はメンタルヘルス不調の未然防止を主な目的としており、高ストレスと判定された従業員には医師による面接指導の実施が推奨されます。施行までは約2年の準備期間が設けられています。

 出典:Manegy

 最低賃金の引き上げは、ここ数年「毎年起こる前提」で経営計画に組み込む必要がある変化になっています。今回の要請が示すように、引き上げ幅と発効タイミングは年々前倒しの傾向にあり、10月の改定を待ってから慌てて対応するという進め方では、人件費の急上昇に利益が追いつかなくなるリスクがあります。経営者が見落としやすいのは、最低賃金の引き上げが時給労働者だけの問題ではないという点です。最低賃金近くで働く従業員の賃金を上げると、その上にいる従業員との賃金バランスが崩れ、結果的に賃金テーブル全体の見直しが必要になるケースが多くあります。これを放置すると、経験年数の長い社員ほど「割に合わない」と感じやすくなり、定着率の悪化につながります。また、価格転嫁が進まない業種(飲食・介護・運輸など労働集約型の中小企業)ほど、人件費上昇の影響を直接受けやすいため、早期の準備が経営の分かれ道になります。業務改善助成金は生産性向上の投資に使える制度ですが、申請には準備期間が必要です。賃金引き上げの発効を待つのではなく、今のうちから自社の賃金テーブルと利益構造を点検しておくことが、慌てない経営につながります。

  【企業の対応アクション】
  ・自社の最低賃金近傍で働く従業員の人数と賃金水準を把握する
  ・最低賃金引き上げに伴う賃金テーブル全体のひずみ(逆転・圧縮)を点検する
  ・取引先との価格交渉・契約見直しの準備を始める
  ・業務改善助成金など生産性向上に使える制度の活用を検討する
  ・10月の改定発効を待たず、年内のスケジュールで対応方針を社内に共有する

 

連合が最低賃金の大幅引き上げを要請 中小企業は何を準備すべきか

 最低賃金は「いつか上がる話」ではなく「今年も上がる話」。
 価格転嫁と生産性向上の両輪が必須になっています。
 今いる人材を活かし切れているかが、経営の明暗を分ける。

 連合は2026年6月17日、厚生労働省に対して最低賃金行政等に関する要請を行いました。要請では、経済的自立を可能にし人たるに値する生活を営める。賃金水準とする必要があるとして、一般労働者の賃金中央値の60%といった国際基準を踏まえた大幅な引き上げを求めています。発効時期についても、10月1日または9月発効を含む早期実現を要請しています。一方で中小・零細企業への配慮として、労務費の上昇分を取引価格に適切に転嫁できる環境整備と、業務改善助成金の予算確保・手続き簡素化を求めました。これに対し政府側の長坂副大臣は、業務改善助成金の予算確保と周知徹底に努める考えを示し、地域間の最低賃金格差解消も課題として認識していると応じています。

 出典:連合ニュース

 最低賃金の引き上げは、ここ数年「毎年起こる前提」で経営計画に組み込む必要がある変化になっています。今回の要請が示すように、引き上げ幅と発効タイミングは年々前倒しの傾向にあり、10月の改定を待ってから慌てて対応するという進め方では、人件費の急上昇に利益が追いつかなくなるリスクがあります。経営者が見落としやすいのは、最低賃金の引き上げが時給労働者だけの問題ではないという点です。最低賃金近くで働く従業員の賃金を上げると、その上にいる従業員との賃金バランスが崩れ、結果的に賃金テーブル全体の見直しが必要になるケースが多くあります。これを放置すると、経験年数の長い社員ほど「割に合わない」と感じやすくなり、定着率の悪化につながります。また、価格転嫁が進まない業種(飲食・介護・運輸など労働集約型の中小企業)ほど、人件費上昇の影響を直接受けやすいため、早期の準備が経営の分かれ道になります。業務改善助成金は生産性向上の投資に使える制度ですが、申請には準備期間が必要です。賃金引き上げの発効を待つのではなく、今のうちから自社の賃金テーブルと利益構造を点検しておくことが、慌てない経営につながります。

  【企業の対応アクション】
  ・自社の最低賃金近傍で働く従業員の人数と賃金水準を把握する
  ・最低賃金引き上げに伴う賃金テーブル全体のひずみ(逆転・圧縮)を点検する
  ・取引先との価格交渉・契約見直しの準備を始める
  ・業務改善助成金など生産性向上に使える制度の活用を検討する
  ・10月の改定発効を待たず、年内のスケジュールで対応方針を社内に共有する

 

正社員不足が4年連続で半数超え 人手不足倒産も過去最多

「採用できない」だけが問題ではない。
 今いる人材を活かし切れているかが、経営の明暗を分ける。

 帝国データバンクが発表した調査によると、2026年4月時点で正社員の人手不足を感じている企業は50.6%に達し、2023年以降4年連続で半数を超えています。業種別では情報サービス業が66.7%で最も深刻で、DX需要の拡大による人材獲得競争の激化が背景にあります。
 
一方、非正社員不足は28.3%と前年より改善傾向にあり、正規・非正規の格差が広がっています。また、人手不足を主な原因とした倒産件数は441件で過去最多を更新しました。少子高齢化による労働人口の減少に加え、物流需要の増加が中小企業の事業継続に深刻な影響を与えています。採用活動に力を入れているにもかかわらず採用できないケースが増えており、事業を維持できなくなる企業が実際に出てきているという現実を示す数字です。

  出典:Manegy(帝国データバンク調査) 

 「求人を出しても来ない」という嘆きを、経営者から聞く機会が増えています。しかし今回のデータが示すのは、採用の問題だけでなく、すでに4年間にわたって人手不足が恒常化しているという構造的な問題です。特に注目すべきは、人手不足倒産が441件と過去最多を更新した点です。これは採用できなかった会社が廃業に追い込まれているということを意味します。
 中小企業にとって、この問題の本質は2つあります。一つは「採用競争力」です。大手企業と同じ土俵で戦っていては、採用コストも給与水準も太刀打ちできません。待遇だけでなく、会社の方針・働きやすさ・成長機会をどう伝えるかが問われています。もう一つは「在籍人材の最大活用」です。採用が難しい環境であればあるほど、今いる社員のスキルを引き出し、生産性を上げることが急務になります。仕事が属人化している・業務の標準化が進んでいない会社は、一人が抜けただけで業務が止まるリスクを常に抱えています。「採用できないから困っている」と言いながら、今いる社員の力を引き出せていない状態は、採用できたとしても解決しません。
【企業の対応アクション】
・求人票の内容を見直す(給与・休日だけでなく「この会社で働く意義」を言語化する)
・在籍社員の業務を棚卸しし、属人化している業務を特定する
・業務マニュアルとOJT計画を整備し、人が入れ替わっても機能する仕組みをつくる
・採用後の定着施策(入社後1ヶ月・3ヶ月の面談・目標設定)を設計する
・外国人雇用・シニア人材・副業人材など採用対象の幅を広げることを検討する

 40代後半でも転職で賃金アップが4割超――「35歳限界説」が崩れ始めた今、中小企業が見直すべき採用戦略
 
年齢で弾いている!その採用基準が、欲しい人材を遠ざけているかもしれません

 転職市場の最新データ分析によると、従来「転職で賃金アップできるのは35歳までとされてきた「35歳限界説」が崩れつつあることが明らかになりました。40代後半で転職した人の4割を超えが前職より賃金が上がっており、かつての「年齢の壁」が低くなっていることが数字に表れています。2025年の年間転職者数は約330万人。2019年のピーク(350万人)からコロナ禍にいったん減少した後、再び増加傾向が続いています。

 背景には、人手不足の深刻化と産業構造の変化があります。企業が即戦力・専門性の高い中途人材を積極的に求めるようになったことで、年齢よりも「何ができるか」が評価される採用が広がっています。男女別では女性の転職者数が男性を上回っており、出産・育児後のキャリア再構築を希望する女性層の転職活動が活発化していることも特徴です。
出典:Yahoo!ニュース

 「35歳以上は採らない」「40代は職場に馴染みにくい」――こうした思い込みを持つ中小企業経営者は少なくありません。しかし今回のデータは、40代後半の転職者でさえ賃金アップを実現している人が4割を超えていることを示しています。これが意味するのは、それだけ市場価値の高い中高年人材が活発に動いているという現実です。
  見落としてはならない点があります。賃金アップを実現した転職者は、「高く評価してくれる企業を選んだ」ということです。人手不足の中小企業が「安価な即戦力」として中高年を採用しようとしても、候補者側はすでに複数の選択肢を比較して動いています。処遇が見合わなければ、内定を出しても辞退されます。実務上で問題になりやすいのは賃金テーブルのミスマッチです。新卒採用・年功序列ベースで設計された賃金制度のまま中途採用者を受け入れると、前職より大幅に下がる処遇しか提示できないケースが生じます。結果として内定辞退や早期離職を招き、採用コストだけがかさんでいきます。
 中小企業が今取り組むべきは「年齢制限の撤廃」と、「キャリア採用者に対応できる賃金設計の整備」の2点です。採用ルールを変えるだけでなく、受け入れる側の制度が伴って初めて中高年採用は機能します。人手不足が構造的に続く今こそ、中高年・シニア採用を「緊急の代替手段」ではなく、「本気の経営戦略」として位置づける判断が求められています。

  【企業の対応アクション】

  ・求人票・採用要件から年齢上限を撤廃し、スキル・経験基準の選考に切り替える

  ・キャリア採用者向けの賃金テーブル(職能等級・役割等級)を整備し、前職賃金と比較可能な処遇を提示できるようにする

  ・自社の採用ページや求人票に「40代・50代活躍中」「キャリア採用歓迎」を明記し、対象層へのシグナルを発信する

  ・入社後のオンボーディング(慣れるための受け入れ支援)設計を見直し、中高年人材が早期に力を発揮できる環境を整える

  ・女性の再就職・キャリア再構築ニーズを取り込むため、短時間正社員や時差出勤など柔軟な勤務制度を整備する

「組織への帰属意識」は本当に必要か
                                             
“心理的距離”が高い社員ほど、自律的に成長する理由

 「会社への一体感を高めれば組織は強くなる」
 そう信じられてきた時代がありました。しかし今、過度な帰属意識や同調圧力が、逆に社員の主体性や成長を止めている可能性が指摘されています。 
 大正大学 地域創生学部の大橋重子准教授は、従来の「組織コミットメント」や「理念浸透、」とは異なる視点として、「個人と組織の心理的距離」という概念を提唱しました。
記事では、M&Aや組織再編が当たり前になったこと、多様な働き方・雇用形態が混在していること、若手世代の価値観が変化していることなどを背景に、「全員が同じ方向を向く組織モデル」は限界を迎えていると指摘しています。
 
そのうえで、社員が組織と適切な“心理的距離”を保ちながら働くことが、自己効力感、キャリア成熟度、仕事満足度の向上につながるという調査結果を紹介しています。
 
従来の組織論では、組織への愛着、忠誠心、一体感、理念浸透を高めることが望ましいとされてきました。しかし現在は、M&A、配置転換、多様な雇用形態、副業、キャリア自律などにより、「会社との関係性」は以前より流動的になっています。そのため、「全員が同じ熱量で会社にコミットする」という前提そのものが崩れ始めています。
 
記事では、社員の行動を以下の3つに整理しています。
 
① 組織に近づく
 
会社に同調するタイプ。ただし中には、「波風を立てたくない」「安全な立場を確保したい」という理由で、表面的に従順になっているケースもあると指摘されています。
 
② 組織から離れる
 
仕事と私生活を完全に切り分けるタイプ。飲み会には参加しない、業務外連絡を遮断する、必要最低限だけ関与するなどの特徴があります。ただし、必ずしも不真面目というわけではなく、「組織との距離感を限定したい」という価値観の問題だと説明されています。
 
③ 距離を置き保つ
 
今回、特に重要視されているのがこのタイプです。この層は、組織の目的を理解しようとする、自分のキャリアも考える、納得できない時は質問する、意見を論理的に伝えるという特徴があります。つまり、「従順ではないが、無責任でもない」という、自律型人材です。

 

式会社ライフ&ワークスは、20代〜40代の女性コンサルタント・システムエンジニア500名を対象に、「女性コンサル・SEの働き方実態調査」を実施しました。

 調査では、柔軟な働き方を希望する理由として、
・「心身の健康・ワークライフバランス」70.5%
・「趣味や自己研鑽の時間確保」45.8%
・「育児・子育て」29.1%
が上位となり、柔軟な働き方のニーズが“育児支援”だけではないことが明らかになりました。また、時短勤務利用者の47.1%が、
・プロジェクトマネージャー
・管理職
・経営参画 
などPM以上のキャリアを希望していることも判明しています。一方で、
・通常勤務者への罪悪感
・キャリアパス制限への不安
・周囲への遠慮
を感じる割合も高く、制度はあっても「使いづらい」現場課題が浮き彫りとなりました。

【ニュースの要約】

・柔軟な働き方の最大理由は「育児」ではなく「健康・ワークライフバランス」
・“時短勤務=キャリア志向が低い”とは言えない
・時短勤務利用者の約47%がPM以上を希望
・制度利用時の「罪悪感」「遠慮」が大きな障壁
・企業には制度整備だけでなく“風土改革”も求められる
・「働き方」と「評価」が連動して不利益にならない設計が重要

Dmenuの記事です

女性IT人材は「時短=キャリアダウン」を望んでいない
                                                              
柔軟な働き方の鍵は“制度”より“組織運用”

 株式会社ライフ&ワークスは、20代〜40代の女性コンサルタント・システムエンジニア500名を対象に、「女性コンサル・SEの働き方実態調査」を実施しました。
 調査では、柔軟な働き方を希望する理由として、
・「心身の健康・ワークライフバランス」70.5%
・「趣味や自己研鑽の時間確保」45.8%
・「育児・子育て」29.1%
が上位となり、柔軟な働き方のニーズが“育児支援”だけではないことが明らかになりました。また、時短勤務利用者の47.1%が、
・プロジェクトマネージャー
・管理職
・経営参画 
などPM以上のキャリアを希望していることも判明しています。一方で、
・通常勤務者への罪悪感
・キャリアパス制限への不安
・周囲への遠慮
を感じる割合も高く、制度はあっても「使いづらい」現場課題が浮き彫りとなりました。

【ニュースの要約】

・柔軟な働き方の最大理由は「育児」ではなく「健康・ワークライフバランス」
・“時短勤務=キャリア志向が低い”とは言えない
・時短勤務利用者の約47%がPM以上を希望
・制度利用時の「罪悪感」「遠慮」が大きな障壁
・企業には制度整備だけでなく“風土改革”も求められる
・「働き方」と「評価」が連動して不利益にならない設計が重要

Dmenuの記事です

 この調査で重要なのは、「制度があるか」ではなく、“制度を使った人が不利にならないか”です。中小企業でも、時短勤務制度、在宅勤務制度、柔軟シフトを導入する企業は増えています。しかし実際には、
・評価されにくい
・責任ある仕事を任せてもらえない
・昇進対象から外れる
・周囲に気を遣う
という状態になっているケースは少なくありません。
特にIT業界だけでなく、人手不足が深刻な中小企業全般で、
「辞められるくらいなら制度を用意する」という発想は増えています。ただ、本当に重要なのは、制度を“置くこと”ではなく、「その人が戦力として活躍し続けられる設計」です。
例えば、
・短時間でも成果を出せる役割設計
・評価基準の明確化
・業務の属人化解消
・情報共有の整備
・マネジメントの再設計
が伴わなければ、結局は現場負担だけが増え、「制度利用者 vs 現場」という対立構造が生まれます。逆に言えば、業務整理、役割分担、成果基準の明確化、ナレッジ共有が進んでいる会社ほど、柔軟な働き方と組織成果を両立しやすくなります。

 今後は、「長時間働ける人を評価する組織」ではなく、「限られた時間でも成果を出せる組織」へ転換できるかが、人材確保・定着の大きな分かれ目になるでしょう。

【今すぐやるべき対応】

・時短勤務者や在宅勤務者の評価基準を明確化する

・「勤務時間」ではなく「成果」で評価する仕組みを整備する

・柔軟な働き方利用者の昇進・キャリアパスを明示する

・業務の属人化を防ぐため、マニュアル・情報共有を整備する

・管理職に対して「柔軟な働き方マネジメント」の教育を行う

・制度利用時の“罪悪感”や“遠慮”が生まれない組織風土を見直す

・短時間勤務者でも責任ある仕事を担える役割設計を行う

・育児支援だけでなく「健康」「自己研鑽」も含めた柔軟な働き方を検討する

「学ばない社員」が過半数時代へ。“静かな退職”が進む組織で起きていること。

 パーソル総合研究所の「働く1万人の就業・成長定点調査 2026」によると、勤務先以外で学習や自己啓発を「何もしていない」と回答した正社員は53.6%となり、調査開始以降で最高を更新しました。
 また、学習行動の入り口ともされる「読書」をしている割合も低下傾向にあり、全年代で“学習離れ”が進行しています。
 
特に50代では、「何も学習していない」と回答した割合が男女ともに最も高く、男性61.3%、女性58.3%となりました。
 更に、管理職になりたいと考える正社員の割合は過去10年で最低水準となり、最低限の業務のみを行う「静かな退職(Quiet Quitting)」を選択する正社員の割合も過去最多となっています。

【ニュースの要約】

・自己啓発をしない正社員が過半数に達した。

・読書習慣も低下し、全年代で“学習離れ”が進行している。

・管理職志向が低下し、「責任を負いたくない」傾向が強まっている。

・“静かな退職”が増え、最低限だけ働く社員が増加している。

・背景には、「頑張っても報われない」という納得感不足がある。

・企業は“学べと言う”だけではなく、“学びたくなる組織”への転換が求められている。

日経womanの記事です

この調査は、単なる「勉強不足」の話ではありません。本質は、「努力しても意味があると思えない社員が増えている」。という点にあります。
 以前は、昇進、昇給、終身雇用、会社成長が、学ぶ動機になっていました。
 しかし現在は、「頑張っても給料が上がらない」「管理職になる方が損」「責任だけ増える」「将来が見えない」という感覚を持つ社員が増えています。
 その結果として、学ばない、挑戦しない、最低限だけ働く、という“静かな退職”が広がっています。これは本人の問題というより、組織側が成長実感を作れなくなっている”問題。とも言えます。特に中小企業では、評価基準が曖昧、育成設計がない、管理職育成不足、日々の業務に追われる、という状態が起きやすく、社員が「成長の意味」を見失いやすくなります。
 今後は、単に研修を増やすのではなく、「学ぶと仕事が変わる」、「成長すると任される」、「挑戦すると評価される」という“成長実感”を組織として設計できるかが重要になります。

【今すぐやるべき対応】

・評価制度と成長支援を連動させる。

・「何を学べば良いか」を明確化する。

・管理職の役割を“管理”から“育成”へ転換する。

・1on1でキャリア対話を行う。

・小さな成功体験を積ませる。

・AI活用など新しい挑戦機会を増やす。

・「頑張った人が報われる感覚」を再設計する。

AIで人がいらなくなるは本当か|中小企業は「育成機会の消失」に備えるべき

AIによる人員削減が注目される一方で、
真のリスクは「若手育成の機会消失」にあります。
未来の労働力が静かに空洞化する可能性が指摘されています

 AI導入を理由とした人員削減を掲げる企業が増える中で、その実態や効果に関する十分なデータが不足していることが問題視されています。いわゆる「AIウォッシング」と呼ばれる、従来のコスト削減をAIによる効率化と説明する動きも見られます。一方で、日本などアジアでは、AI導入が必ずしも雇用削減につながっておらず、むしろ人員を増やす企業も一定数存在しています。しかし、こうした表面的な議論の裏で、初級職や若手社員が担ってきた業務がAIに置き換えられることで、育成の機会が失われるという深刻な問題が指摘されています。
 
今後は、AIによる労働力補完と同時に、次世代人材の育成機会をどう確保するかが重要な課題となります。
ニュースの要約】
・AI導入を理由とした人員削減を掲げる企業が増えている
・AIが雇用に与える影響について十分なデータは存在していない
・「AIウォッシング」と呼ばれる動きが問題視されている
・日本ではAI導入後に人員を増やした企業も約3割存在する
・OECDは日本ではAIによる雇用喪失は限定的と指摘
・一方で初級職や若手業務のAI代替が進んでいる
・若手の育成機会が減少する可能性がある
・AIの誤出力(ハルシネーション)への人間の監督が必要
・熟練人材の経験がAIの判断を補完している
・若年層の雇用不安が社会問題化する可能性がある
・政府にはAI活用と雇用の関係の透明化が求められている

Bloombergの記事です

・AI導入を進めている企業
・若手採用を行っている企業
・OJT中心の育成をしている企業
に特に参考にしていただきたい記事です。

 

  「AIによる効率化」ではなく「育成機会の消失」をこの記事を伝えています。AIは「業務を効率化する」「作業を代替する」一方で「「経験する機会」を奪います。従来、
・若手は単純業務を通じて学び
・徐々に判断力を身につけていました
しかし、 その入り口がなくなっている、これが問題です。さらに、AIは万能ではなく「誤った出力「「現実と合わない判断」も多く存在します。それを見抜くには「経験」が必要です。つまり「育っていない人材はAIを使いこなせない」という逆転現象が起きます。これは
「 短期最適(効率化)と長期最適(育成)の衝突」です。短期最適によりすぎない様に注意が必要です。

 

【今すぐやるべき対応】
□ 若手の育成プロセスを見直す
□ AIに任せる業務と経験させる業務を分ける
□ 「考えさせる工程」を意図的に残す
□ AIの結果を検証する訓練を行う
□ 育成のための業務を設計する
□ 管理職に育成責任を持たせる

賃上げしても社員が辞める理由 中小企業は「給与の未来設計」を示すべき。

賃上げが進む中でも離職が止まらない原因は給与水準ではなく「将来の見通し」にある。

 インフレと人材不足が進む中、企業では初任給の引き上げやベースアップなど賃上げの動きが加速しています。しかし、その多くが若手層に集中していることから、中堅層の離職増加や育成の停滞といった新たな課題が顕在化しています。
 
また、従来は他社との給与比較が重視されてきましたが、従業員の就業意識に強く影響しているのは「将来の給与がどうなるか」という見通しであることが明らかになっています。特にインフレ環境下では、給与が据え置かれること自体が実質的な低下と受け取られ、離職リスクにつながる傾向があります。
 
このような背景から、企業には単なる賃上げではなく、給与の考え方や将来の方向性をどのように示すかという「報酬設計のあり方」が求められています。
 
【紹介記事の要約】
 
・賃上げは進んでいるが、若手層に集中している
 
・中堅層の離職増加や育成停滞が発生している
 
・従業員は他社比較ではなく「将来の給与」を重視している
 
・特に5年以内の給与見通しへの関心が高い
 
・給与が変わらない場合、下がる場合と同程度の離職リスクがある
 
・給与が上がらないと転職検討が増加する(特に若手層)
 
・「働く時間の柔軟性」や「給与決定の透明性」が定着に影響する
 
・給与の方針や将来見通しを示すことが不安軽減に有効とされている

パーソル総合研究所の記事です

 ・賃上げを実施しているが離職が止まらない企業
 ・若手と中堅のバランスが崩れている企業
 ・給与制度が不透明な企業
 に特に参考にしていただきたい記事です。
 「給与水準」ではなく「将来の見え方」が大切です。多くの企業は「いくら払うか」に注目していますが、従業員が見ているのは
 ・この会社で働き続けたらどうなるか
 
・自分の給与はどう上がっていくのか という“未来のストーリー”です、
 つまり、「金額」ではなく「納得できる見通し」が重要です。現場では、昇給基準が曖昧、評価と給与の連動が不明確、説明されていないという状態が多く、「将来が見えない会社」という認識につながっています。その結果 「今が悪いから辞める」のではなく 「先が見えないから辞める」という構造が生まれています。   
 給与は「今いくら払うか」ではなく「この会社で働き続けた未来をどう見せるか」がポイントです。


【今すぐやるべき対応(チェックリスト)】
□ 昇給の考え方・基準を言語化する
□ 3年〜5年の給与イメージを示す
□ 評価と給与の連動ルールを明確にする
□ 経営方針と報酬方針を接続する
□ 管理職に給与説明ができる状態を作る
□ 「なぜこの給与なのか」を説明できるようにする

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ごあいさつ

岡本 雅行

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代表者ごあいさつ
中小企業の労務管理と人手不足解消をサポートする三軒茶屋の社会保険労務士